アナログ回路

2025年3月 7日 (金)

DIPのLMC6482えらい高くなった

秋月電子通商が取り扱いを止めたLMC6482、
 「今はいくら?」
っと調べてみたら・・・
  ・LMC6482:DigiKey
DIP品は700円超えでした。

で、LMC6482を検索していたらこんなページが見つかりました。
 ・おすすめのオペアンプIC レール ツー レール オペアンプ LMC6482

このシミュレーション、電源電圧が±15V
おっと・・・LMC6482の最大定格、電圧は「16V」。
±電源だと±8Vが最大。

シミュレーションでは「壊れるぞ!」は言ってくれないの
でしょうな。


※昔の値段
秋月電子で2015年に買ったLMC6482とNJU7062
  LMC6482は120円。

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2025年2月21日 (金)

バッファアンプ LT1010を使ったレールスプリッタ

高速ユニティゲイン・バッファアンプ LT1010のデータシートを
見ていたら「レールスプリッタ」回路が出てました。
データシートでは「電源スプリッタ」と呼んでいます。

1010a

もともと電気食いのICです。
何もしないでも5mA食っちゃいますので、電池での
運用には向かないでしょう。

LT1010のDIP品、秋月で940円となってました。

※参
marutsu SELECT:フォノ用ヘッドホンアンプの製作 設計編
  ここ↑に応用例。

nabeの雑記帳:レールスプリッタ入門 ~ 仮想グランドのあれこれ


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2025年1月15日 (水)

TL082Hが良さそう

±12Vや±15V電源で動かすFET入力オペアンプ
帯域が欲しいならAD823
低オフセットを狙うならAD822
を便利に使っていたのですが
・・・いつの間にかむちゃ高価に
  ※Rail to Railで単電源でも使える

今回の用途ではRail to RailじゃなくてもOK
だったんで、安価な「TL082」で良いかっと、
パッケージを示す型番を調べていたら、
「TL082H」というのに目がとまりました。

TL082に付くサフィックス、パッケージじゃなく
性能向上を示すのにAとかBが使われます。
それが、これに「H」です。

TIのデータシートを眺めていると・・・
  これ「エエやん」っと。

「H」になって何が良くなったか
 ・オフセット電圧が小さく
 ・バイアス電流も小さく
そして、出力レンジ幅が改善。

H以外だとこんな特性表。
Tl12
±15V電源で10kΩ負荷だと、そこから±1.5Vほどの
出力電圧ドロップは許してねという特性です。

それがTL082Hになると、ずいぶんと良くなります。
Tl11

出力波形がグラフに出ています。
Tl13
大振幅入力でも位相反転無しっと。
価格も旧来のとほぼ同じで安い。

両電源で動かすFET入力オペアンプ、こまかいことを
気にしないのならTL082HやTL072Hをどうぞ。
なにせ、安価です。

※追記
古いTL082の出力段はバイポーラTr。
Tl21

TL082HだとMOS FETで描かれています。
Tl22
  MOSじゃなくJ-FETじゃないのかなっと?
※確認
Architecture : CMOS」っと記されていました。

このN-ch、P-ch FETの表記方法・・・好きです。
2016年04月08日:パワーMOSFETの回路記号:MOSFETの矢印


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2025年1月 5日 (日)

補聴器をどうにか! #2

2025年1月3日:補聴器をどうにか! の続き。
とりあえず完成形に。

タカチの電池ボックス付樹脂ケースLM-100G
組み込みました。
Hc12
   ※注意:LMシリーズは2025年に廃番を
       予定しております。
回路図。
03a

中味。 スペースが無い
Hc11

ジャックなど、手持ちの部品を使ったのでむちゃ窮屈。

コンデンサマイクはシールド線延ばしのタイプと、
ジャックに直挿しのものを製作。

壊れたラジカセか何かから取り外した小さな
マイクモジュールが出てきたので、L字型プラグの中に
押し込みました。
Hc13

回路図、出力段の「0.1uF + 4.7Ω」は大振幅信号での
高域発振防止用。
ヘッドホンをつないだ時、これが無いとレベルが大きな
信号のピーク(プラス側だけ)に発振波形が見られました。

消費電流は、電源電圧3.0vで2.7mA。
2.5Vで2.4mA。
2.0Vまで低下し、赤色LEDが点灯する直前だと
1.8mA。LED点灯で2.1mAでした。

オペアンプMCP6022、電源電圧が 「+2.5V to +5.5V」
となっていますが、この回路では1.8Vに下がっても使えて
いました。
  電圧範囲の規定、低い方は動かなくなるという
  ことではなく、所定の性能が出ないぞということ
  でのスペックかと。

単4電池ですんで、「どこにでもある」というのが
良いかと。
  補聴器で使われている小さな空気電池の交換、
  これ、ジジ・ババにとってはしんどい作業かと。

ジジ・ババは6日の月曜日に施設へ帰ります。
試運転は正月の間だけでしたが、音量ボリュームの
絞り具合は1/3~1/2あたりで使われてました。

周りが一斉にしゃべり出したら、
「なんや、わかれへんようになる」ということで、
単純に音量や周波数特性の問題じゃなさそうです。
  ・・・脳の処理能力が関係するのか

ペコ(トイプードル)がフルパワーで「ワンワンッ」っと
叫ぶと、「びっくりするわ」っと笑っておりました。
回路的にはAGCの装備とかが考えられますが、
どんなもんでしょね。

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2025年1月 3日 (金)

補聴器をどうにか!

石切ジイ・バア(女房のお父さん、お母さん)、なんやかんやで
生野区にある施設に入ってもらっています。
しかし・・・「コロナ」で面会もままならず・・・
これまで、盆も正月も一時帰宅(我が家に)できない状態が
続いてました。
それが、この正月は12月30日~1月6日まで「帰って良し!」
っとなったのです。
  ※施設のスタッフの都合とか、食事サービスなどの
   都合があるかと思います。
  ※次男が30日に発熱したので、彼は隔離状態で正月を!。
   いっしょに忘年会に行った仲間の一部も発熱て
   な話をしとります。 1月3日現在は回復。

石切じいちゃん(義父)は昭和4年生まれ。
元気なんですが「耳が遠い」ので会話に支障があります。
耳の近くで大声で語りかければ理解してもらえるのですが
普通の大きさの声ではACKが返ってません。
過去、いろんな「補聴器」をあれこれ(けっこう高額な)
試しているのですが、もうひとつなんです。
今回、一週間の我が家への滞在期間中、
  「普通に会話したいぞ」
という、女房からのリクエストがあり、
  「ヘッドホンでテレビの音声は聞こえて
   いるんで補聴器もどきを作れないか!?」
っとなりました。

「人の感覚」に関わるあれこれは本人にしかわかりません。
せっかく(テストピースがそばにいる!)ですので、補聴器もどき
回路を試してみることにしました。

・イヤホンじゃなくテレビ音声で実績の出た
 ヘッドホンで。
・いわゆるヘッドホンアンプを作ってみる。
・使うのは330円売りのヘッドホン。
・トーンコントロール回路を設けておく。
・アンプ回路とマイク部は分離。
・電源は単4電池2本。
・コンデンサマイクユニットはそのへんに転がって
 いたのを使用。

手持ちの部品であれこれしましたところ、
  「のりさん(義父から私への呼びかけ)、
   こりゃエエで」
っと、普通の会話ができるように(ACKが返ってくる)
なったのです。
  「ゆっくりとはっきりしゃべって!」
  「もじょもじょとしゃべってたら、わかれへん」
などと、これまでの補聴器使用と変わらないのですが、
語りかけた時のACKの状態が違います。
一方通行じゃなく、会話が成り立つのです。

Mm11_20250103221501
・試作回路
Mm12_20250103221501

携帯電話に関しては、こんなことをしてました。
2021年1月12日:かんたんケータイKYF38の「スピーカー付き卓上ホルダ」にイヤホンジャックを

実験回路の回路図はちょい待って

※実験回路
02_20250104095901
オペアンプはMCP6022。
初段の帰還部、ダイオードでリミッタを入れてます。

トーン・コントロールに関しては、
  ・男性の低い声がわかりにくい。
  ・智ちゃん(親父さんの娘で私の女房)の声は
   かん高くて大きくてハキハキしてるのでよく
   わかる。
ということで、Lo側ブースト、Hi側カットできればと
回路に組み入れたのですが、トーン・コントロールを
外したほうが「明瞭だ」ということになりました。
  ※声が聞こえてその大きさがOKとなると、
   しゃべり方(ゆっくり、はっきりと発音)が
   重要だと。
アンプ部本体とマイク部を分離するほうが良いかも
ということで、回路を別に組んでいます。

百均(330円買い)のヘッドホン、「これ、エエやん」っと
親父さんの意見です。

親父さん以外の人が聞くと、「むちゃ大きな音」で
「耳、悪るするでっ」となるのですが、
親父さんだと、「耳、これ以上、壊れへんわ」っと、
調子よさそうなんです。

トーン・コントロール部は取り払って、プラケースに
入れてみます。

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2024年12月 4日 (水)

100倍低周波アンプ

2024年5月30日:非反転アンプ 3kΩと27kΩの抵抗
で作った回路をアップしておきます。
  ※実物はあるのに、「その回路図はどこだ?」
   なんてことがおこりますんで。
Amp100

ダイソーで売っていたカードケースに入れてます。
Amp101
Amp102

ケースへの基板の取り付け、ケースに取り付け穴を開けるの
ではなく、
  ・これをなんと呼ぶ? 私とこでは「ペッタン」
を使っています。

もうちょっと厚みがあれば銅板でシールドするんですが。

※関連
2024年11月21日:参考:オペアンプでのモーターボーティング対策
2024年11月8日:AD620を使った計装アンプ+ノッチフィルタ

※抵抗を切り替えてのゲイン設定
X3_20240530120201
X2_20240530120101
※ペッタンの応用
H15
H16

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2024年11月21日 (木)

参考:オペアンプでのモーターボーティング対策

勉強になります。
単電源のオペアンプ回路が不安定になるのを回避する:ANALOG DEVICES

「モーターボーティング」という言葉、ひさしぶり
に聞きました。

スピーカーを鳴らす低周波アンプを高ゲインアンプに
同居させた時、しばしば生じるトラブルです。

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2024年11月 8日 (金)

AD620を使った計装アンプ+ノッチフィルタ

2021年8月16日:AD620を使った計装アンプとシミュレーテッド・インダクタを使ったノッチフィルタ
この記事で、「(電源回路を加えた図はまた描きます)」
としていましたが。ほったらかしだったようです。

この回路、ちゃんとケースに入れてあるんですが、
ひさしぶりに使おうと、引っ張り出してきました。
  ※しばらく使ってないツールだと、そのものが
   行方不明になってしまうことも。
   今回、モノは発見できました。

で、ちょっと中味を知りたくて「回路図はどこ?」っと、
何冊もある製作物を綴じたファイルを探しても見つかり
ません。
  ※整理整頓、なにそれ?っという仕事場です。

ブログ記事にあるかと検索しても、出てきたのは↑の記事。

ということで、ここに載せておきます。
Ad61
タカチのプラケースに入れてます。
Ad62
電源は外部から5Vを供給。
±12V出力のDC-DCコンバータで内部電源を
作ってます。

ついでにBSch3Vのファイルも圧縮して。
  ・ダウンロード - ad620b_1.zip


トランジスタ技術2021年11月号
この「私の部品箱〈120〉」にAD620のレポートを載せて
もらっています。


※追記
ゲイン切り替えといや、この回路も。
 ・2024年5月30日:非反転アンプ 3kΩと27kΩの抵抗


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2024年8月 2日 (金)

マイナス電圧をちょこっと作ってくれるIC

単電源オペアンプを使った直流アンプ、
  「困ったぞ」
となるのが、ゼロボルト付近の不感帯。

Ll1_20240802173601
A/Dコンバータと組み合わせると、値として出てく
るので「なんとかしたいなぁ」となります。

私の場合、あれこれ悩むより別部品が必要になっ
たとしても「マイナス電源」を付けちゃって
±電源でオペアンプを動かします。
チャージポンプ型の負電圧コンバータが便利かと。

トラ技2011年1月号の特集記事
  「定番デバイス 555」に、
チャージポンプICの特性調査を載せてもらいました。

※関連
2018年7月23日:反転型チャージ・ポンプIC:LM2776

先日、TIのオペアンプ TLV9152 のデータシートで、
オペアンプの負電源に入れられた何やら見慣れない
型番のICが目にとまりました。
Ll2_20240802173901 

型番が LM7705
  三端子レギュレータっぽい名称。
  7805や7905の親戚かと思う型番です。

調べてみますと「負のバイアス・ジェネレータ
という名称。
英語だと「Negative Bias Generator

こんな回路例が示されています。
Ll3_20240802174101

出力電圧は安定化された「-0.23V」。
正側供給電圧にもよりますが、20mAほど
取れる性能です。

電圧が欲張らないのが面白いです。
最近のオペアンプ、電源供給電圧の最大が低いもの
が多くなってきてます。
例えばMCP6072(低オフセット品)だと6Vが最大。
±5Vでは使えないのです。
こんなオペアンプを使う場面で「ちょこっとマイナス電圧」
が役に立ちそうです。

DigiKeyで120円ほど。
高価なものではありませので、何かのときに使ってみますわ。

 

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2024年5月31日 (金)

リターンパスの無いオペアンプ入力回路

非反転アンプ 3kΩと27kΩの抵抗
この記事↑では、ゲイン選択ジャンパを外したらどう
なるの?をコメントしましたが、オペアンプの入力
バイアス電流の戻り場所はむちゃ重要です。
  解説記事などでこれを忘れている回路を
  見かけるのです。

ADI Analog Dialogue:アンプ回路設計時の問題を回避するには
ここで↑、詳しく述べられています。

最近だと、コテ先温度を読みたいゾ う~む
熱電対についての記事(昔のトラ技)を調べて
いて、こんな回路を見つけました。

  トランジスタ技術2006年10月号p.244~
   白金測温抵抗体と熱電対の正しい使いかた(後編)
   正確な温度計測のために 【田澤 勇夫】
     (p.249 図18)
Tc11

  ※FET入力OP-AMPなんで、どこかからの
   リークでバイアス電流が流れそうで
   すが・・・ダメです

冷接点補償用の白金測温体のところはちゃんと
してあるのに、ちょっと不思議。
簡単には熱電対の片っぽをGNDつなぎでエエやんと。

※参
トランジスタ技術2012年1月号:計装アンプにもバイアス電流のリターンパスを設けるべし

・AD8253データーシート
Tc12


電子工作実験室 :電位差測定器(電気化学)
  リターンパスについての議論


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