レールスプリッタ

2025年2月21日 (金)

バッファアンプ LT1010を使ったレールスプリッタ

高速ユニティゲイン・バッファアンプ LT1010のデータシートを
見ていたら「レールスプリッタ」回路が出てました。
データシートでは「電源スプリッタ」と呼んでいます。

1010a

もともと電気食いのICです。
何もしないでも5mA食っちゃいますので、電池での
運用には向かないでしょう。

LT1010のDIP品、秋月で940円となってました。

※参
marutsu SELECT:フォノ用ヘッドホンアンプの製作 設計編
  ここ↑に応用例。

nabeの雑記帳:レールスプリッタ入門 ~ 仮想グランドのあれこれ


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2025年1月 5日 (日)

補聴器をどうにか! #2

2025年1月3日:補聴器をどうにか! の続き。
とりあえず完成形に。

タカチの電池ボックス付樹脂ケースLM-100G
組み込みました。
Hc12
   ※注意:LMシリーズは2025年に廃番を
       予定しております。
回路図。
03a

中味。 スペースが無い
Hc11

ジャックなど、手持ちの部品を使ったのでむちゃ窮屈。

コンデンサマイクはシールド線延ばしのタイプと、
ジャックに直挿しのものを製作。

壊れたラジカセか何かから取り外した小さな
マイクモジュールが出てきたので、L字型プラグの中に
押し込みました。
Hc13

回路図、出力段の「0.1uF + 4.7Ω」は大振幅信号での
高域発振防止用。
ヘッドホンをつないだ時、これが無いとレベルが大きな
信号のピーク(プラス側だけ)に発振波形が見られました。

消費電流は、電源電圧3.0vで2.7mA。
2.5Vで2.4mA。
2.0Vまで低下し、赤色LEDが点灯する直前だと
1.8mA。LED点灯で2.1mAでした。

オペアンプMCP6022、電源電圧が 「+2.5V to +5.5V」
となっていますが、この回路では1.8Vに下がっても使えて
いました。
  電圧範囲の規定、低い方は動かなくなるという
  ことではなく、所定の性能が出ないぞということ
  でのスペックかと。

単4電池ですんで、「どこにでもある」というのが
良いかと。
  補聴器で使われている小さな空気電池の交換、
  これ、ジジ・ババにとってはしんどい作業かと。

ジジ・ババは6日の月曜日に施設へ帰ります。
試運転は正月の間だけでしたが、音量ボリュームの
絞り具合は1/3~1/2あたりで使われてました。

周りが一斉にしゃべり出したら、
「なんや、わかれへんようになる」ということで、
単純に音量や周波数特性の問題じゃなさそうです。
  ・・・脳の処理能力が関係するのか

ペコ(トイプードル)がフルパワーで「ワンワンッ」っと
叫ぶと、「びっくりするわ」っと笑っておりました。
回路的にはAGCの装備とかが考えられますが、
どんなもんでしょね。

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2025年1月 3日 (金)

補聴器をどうにか!

石切ジイ・バア(女房のお父さん、お母さん)、なんやかんやで
生野区にある施設に入ってもらっています。
しかし・・・「コロナ」で面会もままならず・・・
これまで、盆も正月も一時帰宅(我が家に)できない状態が
続いてました。
それが、この正月は12月30日~1月6日まで「帰って良し!」
っとなったのです。
  ※施設のスタッフの都合とか、食事サービスなどの
   都合があるかと思います。
  ※次男が30日に発熱したので、彼は隔離状態で正月を!。
   いっしょに忘年会に行った仲間の一部も発熱て
   な話をしとります。 1月3日現在は回復。

石切じいちゃん(義父)は昭和4年生まれ。
元気なんですが「耳が遠い」ので会話に支障があります。
耳の近くで大声で語りかければ理解してもらえるのですが
普通の大きさの声ではACKが返ってません。
過去、いろんな「補聴器」をあれこれ(けっこう高額な)
試しているのですが、もうひとつなんです。
今回、一週間の我が家への滞在期間中、
  「普通に会話したいぞ」
という、女房からのリクエストがあり、
  「ヘッドホンでテレビの音声は聞こえて
   いるんで補聴器もどきを作れないか!?」
っとなりました。

「人の感覚」に関わるあれこれは本人にしかわかりません。
せっかく(テストピースがそばにいる!)ですので、補聴器もどき
回路を試してみることにしました。

・イヤホンじゃなくテレビ音声で実績の出た
 ヘッドホンで。
・いわゆるヘッドホンアンプを作ってみる。
・使うのは330円売りのヘッドホン。
・トーンコントロール回路を設けておく。
・アンプ回路とマイク部は分離。
・電源は単4電池2本。
・コンデンサマイクユニットはそのへんに転がって
 いたのを使用。

手持ちの部品であれこれしましたところ、
  「のりさん(義父から私への呼びかけ)、
   こりゃエエで」
っと、普通の会話ができるように(ACKが返ってくる)
なったのです。
  「ゆっくりとはっきりしゃべって!」
  「もじょもじょとしゃべってたら、わかれへん」
などと、これまでの補聴器使用と変わらないのですが、
語りかけた時のACKの状態が違います。
一方通行じゃなく、会話が成り立つのです。

Mm11_20250103221501
・試作回路
Mm12_20250103221501

携帯電話に関しては、こんなことをしてました。
2021年1月12日:かんたんケータイKYF38の「スピーカー付き卓上ホルダ」にイヤホンジャックを

実験回路の回路図はちょい待って

※実験回路
02_20250104095901
オペアンプはMCP6022。
初段の帰還部、ダイオードでリミッタを入れてます。

トーン・コントロールに関しては、
  ・男性の低い声がわかりにくい。
  ・智ちゃん(親父さんの娘で私の女房)の声は
   かん高くて大きくてハキハキしてるのでよく
   わかる。
ということで、Lo側ブースト、Hi側カットできればと
回路に組み入れたのですが、トーン・コントロールを
外したほうが「明瞭だ」ということになりました。
  ※声が聞こえてその大きさがOKとなると、
   しゃべり方(ゆっくり、はっきりと発音)が
   重要だと。
アンプ部本体とマイク部を分離するほうが良いかも
ということで、回路を別に組んでいます。

百均(330円買い)のヘッドホン、「これ、エエやん」っと
親父さんの意見です。

親父さん以外の人が聞くと、「むちゃ大きな音」で
「耳、悪るするでっ」となるのですが、
親父さんだと、「耳、これ以上、壊れへんわ」っと、
調子よさそうなんです。

トーン・コントロール部は取り払って、プラケースに
入れてみます。

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2024年11月21日 (木)

参考:オペアンプでのモーターボーティング対策

勉強になります。
単電源のオペアンプ回路が不安定になるのを回避する:ANALOG DEVICES

「モーターボーティング」という言葉、ひさしぶり
に聞きました。

スピーカーを鳴らす低周波アンプを高ゲインアンプに
同居させた時、しばしば生じるトラブルです。

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2023年4月14日 (金)

トラ技Jr.のレールスプリッタ回路

トラ技Jr. 2023年春号 に絡んで、「トラ技Jr.」の
バックナンバーを引っ張り出してきて眺めていたら
「レールスプリッタ回路」を発見!

トラ技Jr.2018年秋 通巻35号
J31

こんなレールスプリッタが記されていました。

J32

説明文には
  小容量のアルミ電解コンデンサは1Ω近い
  ESRがあるので、汎用OPアンプとの組み合
  わせなら通常は発振しない
  導電性高分子/セラミックなどの低ERコンデンサ
  は使用できない。

著者は「松村 南」さん。
  トラ技の目次を検索すると、1990年~2000年に
  オーディオやビデオ関連の記事を書かれています。

基準電圧IC TL431 のデータシートを見ると、並列に
入れるコンデンサの値によっては「不安定になるぞ」っ
という注意書きがあります。 (安定動作条件のグラフ)

昔からこのグラフが気になってしかたがないのです。
実際に確かめたことはありませんが、パスコンとして
よく使う0.1uFあたりがいちばん怖そうに描かれています。

値を大きくすると安定するように記されていますが、
電源オン時の起動が遅れ、それが他に影響するかも
しれません。
結局、「発振が怖いから無くても良い」に落ち着き
ます。

こんなことも。
良かれと思って付けたコンデンサが・・・

「通常は発振しない」という文言ではなく、逆に発振する
条件(OPアンプ名とコンデンサの種類、値と負荷の具合)を
提示して欲しいところです。

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2023年2月10日 (金)

トラ技記事 オペアンプの出力段保護回路で

昔のトラ技をパラパラめくりしていたら・・・
2015年5月号。
特集 第1部 「百戦錬磨の回路図」。
Tt2_20230210084201

p.54に「OPアンプを破壊や誤動作から守る回路」として、
ダイオードを使った出力段の保護回路が載っています。
【図5】の下側回路(b)に違和感!
Tt1_20230210084401

上側の(a)は2倍の非反転アンプ。

問題は下側の(b)。
「ゲイン1倍」と記されているので、バッファアンプ
かと思いきや・・・
「R2」が反転入力と非反転入力間に入ってます。
  なんじゃこりゃ~?!
「ゲイン-1倍」の反転アンプを書き間違えたの
でしょうか?

R2があるとどんな動作に?
アンプがアンプとして働いている間は、2ピン・3ピン
間は同電位。
だとするとR2には電流が流れない。
ということは、直流的にはつながっていないのと同じ?
  アレレ?!

※追記
(b)の回路、こう描きたかったんじゃないかと推測。
Aa1_20230212101501
アナログデバイセズ AN-257 の【図8】、これは
ゲイン1はダメよの帯域幅80MHzの高速アンプが
対象で「話が違う」ようです。
しかし、「類似の回路がある」ということで、情報、
ありがとうございました。

「ゲイン1あかん」のオペアンプ、確か手持ち品であった
はずと探しましたら、 LT6014 を入れた袋に
G>=5で使え」っと赤書きしてありました。
これはGBW=1.4MHzと遅いけどローノイズ、低オフセット品。

LT6014のデータシートには、これはダメの1倍アンプ例。
Lt11
そして、1倍で使う時はこうしなさいと。
Lt12


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2022年12月29日 (木)

「レールスプリッタ」のいろんな呼称

アナデバのオペアンプ「OP293」を調べていて、
こんな回路に遭遇しました。
単電源回路で、電源電圧の1/2を生成する回路。
いわゆるレールスプリッタです。

0011_20221229100101

ここでの呼称は、
  《FALSE-GROUND

TIの専用IC「TLE2426」、このデータシートの中では
  《VIRTUAL GROUND
が使われています。

でも、TLE2426の製品概要には、
  「Rail Splitter Precision Virtual Grounds
「レールスプリッタ」という呼称が出てきています。

この他、《PHANTOM GROUND》という言い方もあるようです。
アクティブ・グラウンド》も。

OP-293での回路、発振止め用の抵抗とコンデンサが
入っていて、
  「負荷にコンデンサがつなぐときはこれが基本」
という感じになっています。

OP-293での解説文をピックアップしておきます。

O0012


※関連記事
2017年9月11日:1/2Vcc生成回路のコンデンサ
2022年6月22日:みんな「レールスプリッタ」に魅せられるんだ
2022年9月14日:トラ技で見つけた「レールスプリッタ」
2022年6月12日:4046・VCO回路の直線性改善方法

※「レールスプリッタ」という呼称、誰がいつから使い
  始めたのでしょうね?
 ヘッドホンアンプ愛好家が発端?

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2022年9月14日 (水)

トラ技で見つけた「レールスプリッタ」

自分ではぜったいに使わないだろうという回路が「レールスプリッタ」。
 ・2017年9月11日:1/2Vcc生成回路のコンデンサ
ずいぶん前ですが、ここで↑うだうだ言ってます。
最近だと↓。
 ・2022年6月22日:みんな「レールスプリッタ」に魅せられるんだ

ちょっと昔のトラ技を見ていて「ここにもあるぞ!」と
レールスプリッタ回路を発見。
でも、ちゃんと書いてるやん」と。

まず、2013年2月号
A1_20220914153701
この第9章。
 「オーディオ用電源回路のいろいろと作り方
    (著者は三田村規宏さん)
やはり、「レールスプリッタ」が出てきます。

A2_20220914153701

ここの、
  「仮想GNDその3…OPアンプによるレール・スプリッタ
の解説で、
  OPアンプの出力に大きなコンデンサが負荷として
  つながれた場合は…発振することがあります。
  …参考文献(1)で詳しく説明されています。
と。
で、(1)を見るとトラ技の2012年4月号
B1_20220914153801

特集5-3 単電源から両電源を作る方法
  (著者は佐藤尚一さん)

「やってはいけないランキング断トツNo1」
  OPアンプは出力にコンデンサを直結すると発振する

B2_20220914153801
B3_20220914153801

対策回路も図示されていますが、私は使わんだろうな。

B4_20220914153801

  この回路に±電源を供給して、入力をポテンショで
  ±可変できるようにすれば±出力の定電圧電源。
  短絡保護回路を入れておけば、ちょっと面白い
  実験用電源回路になるかと。
  プラスからマイナスへ、0Vを通過して電源電圧を
  連続可変できる。

  バッファしてないOPアンプ出力のでは、±15Vを
  出せる(0Vを通過して)試験用電圧発生器は作って
  あります。

※関連
2022年2月26日:オペアンプの出力につなぐ大容量コンデンサ ほんとにいいの?

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2022年6月22日 (水)

みんな「レールスプリッタ」に魅せられるんだ

秋月のチャージポンプIC(ICL7660互換品)
TJ7660N のデータシートを見てたら、こんな
レールスプリッタの回路例が出てました。
Aa1_20220622111301
このICで負電圧が出せるだから、普通に±電源にしたらっと
思うんですが・・・

  ・検索:レールスプリッタ

電源入力V+とVout(-出力)間に15Vを入れて、
GND間とで±7.5Vを得ようということのようです。

本家、インターシルのデータシートにも出ていました。

Aa2_20220622111401

※関連過去記事
1/2Vcc生成回路のコンデンサ
4046・VCO回路の直線性改善方法

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2017年9月11日 (月)

1/2Vcc生成回路のコンデンサ

トランジスタ技術、2017年10月号(最新号)
を見ていて、ちょいと気になる部分が・・・。
11_2

 

 

 

「続 電子楽器&エフェクタ回路集」という記事。
200ページの回路図。
12

 

図6の下側部分。
  (クリックで拡大↓)
13

 

この右側の「1/2Vcc」電圧を作っているところの「C7」、
これは許せるのか?
オペアンプの出力に直つなぎ。
202ページの図9、203ページの図11にも同様の回路が
でてきます。  いかがなもんでしょうね。

 

出力にコンデンサがつながるように設計された
定電圧ICや基準電圧ICならOKでしょうが、
汎用オペアンプの出力にコンデンサを直つなぎ
するのは・・・

 

注目点を別図にしておきます。
14

 

どうしてもコンデンサを入れたいというのなら、
こんな方法かな。
15

 

 

 

私の場合、1/2Vccを使うのは好きじゃありません。
出力電流が小さくて良い回路なら、負電圧コンバータIC
(チャージポンプ形式の)を使って、±電源で動くように
しちゃいます。

トラ技の過去記事を検索すると、この記事の著者
(富沢 瑞夫さん)さんの記事がたくさん出てきます。
その中から、2015年8月号で同様の回路を発見。
・p60 図3
11_3

・p61
12_2


出力コンデンサの値が大きいから発振(不安定に)
しないのか・・・

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