スカタンな応用例ばかり出てくるArduinoのmap関数、
サーミスタ103JTで計った温度をシリアル出力 でのA/D変換値補正
で使ってみました。
まず、A/D入力電圧実測値と基準電圧値から真のA/D値を計算します。
ツールはデジタルテスター。
それと電圧発生器、あるいは抵抗を組み合わせて
安定した入力電圧を得ます。
マイコンにはその時のA/D値をシリアル出力させます。
0に近いある値と1023に近いある値の2点をチェック。
どちらも同じなら補正の必要はありません。
ちょっとのズレなら「直線補間」の出番です。
今回の回路、サーミスタをつなぐch1~ch4はポートAでしたが
ch5だけがポートB。
この間でちょっとズレが出ていました。
まず0Vに近い方。
正値20に対してch1~4が17と-3。
ch5が16と-4と低めの値が出ていました。
フルスケールに近い方は、正値991に対して
ch1~4が992にと+1。ch5は誤差なし。
パラメータのテーブルにはこれらの値を10倍して設定します。
※浮動小数点にするとメモリーを食うので。
読み込んだA/D値も10倍してmap関数に食わせて補正を
行い、出てきた値の1の位を見て四捨五入。
10倍することで四捨五入の処理ができます。
これで、ずいぶんと温度測定の調子が良くなりました。
サーミスタの抵抗が低くなる高温域ではA/D値が小さくなります。
A/D入力電圧の低いところで誤差が生じていたのでこの補正が
うまく働いたのでしょう。
80℃付近ではA/D値の1bitが0.3~0.4℃の差になります。
map関数の応用例ということで、ご覧下さい。
// A/D補正パラメータ
// 四捨五入のためA/D値を10倍にして
// x0とx1に実測値を設定する
// Rs = 10kΩで
// Lo側 200Ωでy0=20 Hi側 300kΩでy1=991
const struct{
const word x0; // in min (Lo)
const word x1; // in max (Hi)
const word y0; // out min
const word y1; // out max
}adj_tbl[] PROGMEM = {
{ 170, 9920, 200, 9910 }, // ch1 ADC1 PA1
{ 170, 9920, 200, 9910 }, // ch2 ADC2 PA2
{ 170, 9920, 200, 9910 }, // ch3 ADC3 PA3
{ 170, 9920, 200, 9910 }, // ch4 ADC7 PA7
{ 160, 9910, 200, 9910 }, // ch5 ADC8 PB0
};
/***** 線形補間 *****/
long map(long x, long in_min, long in_max, long out_min, long out_max)
{
return (x - in_min) * (out_max - out_min) / (in_max - in_min) + out_min;
}
/***** A/D値補正 *****/
// in ad : 0~1023 A/D値
// ch : 0~4 ch1~ch5
// 10bitの範囲でリターン
word adadj(word ad, byte ch)
{
long a, d;
a = map((long)ad * 10L, // 線形補間
(long)pgm_read_word(&adj_tbl[ch].x0), // in_min
(long)pgm_read_word(&adj_tbl[ch].x1), // in_max
(long)pgm_read_word(&adj_tbl[ch].y0), // out_min
(long)pgm_read_word(&adj_tbl[ch].y1)); // out_max
d = a / 10; // 1の位で四捨五入 10の位を+0か+1,-1
if(a >= 0){ // プラス
if((a % 10) >= 5) d++;
}
else{ // マイナス
if(((-a) % 10) >= 5) d--; // 正にして1の位で判定
}
if(d < 0) d = 0; // マイナスは0に
else if(d > 1023) d = 1023; // 最大は1023
return (word)d; // wordにしてリターン
}
5chの温度測定で重要なのが「Rs」=「神様抵抗」。
今回の製作では「0.1%」精度のを使ったので、
補正テーブルの「y0、y1」(out_min、out_max)は5chとも
同じになっています。
Rsの誤差は、この値の変更で吸収できます。
使っているAVRマイコンは14ピンのATtiny841。
ROMが8kバイトにRAMが512バイト。
現在のプログラムサイズが3826バイト。
このうち2048バイトが10bit ADC→0.1℃温度データ
の変換テーブル。
プログラムは実質1778バイト。BSSエリアが58バイト。
浮動小数点使わず。sprintf使わず。
この結果だと。
ROM、RAM容量半分のATtiny441にも入るかしら。
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