ステッピングモータ駆動回路を24Vだけで
「出窓」で使っているステッピングモータ駆動回路。
・2023年5月4日:出窓:鯉のぼりを振る
・2022年5月17日:「壊れたオルゴールの人形」を回せ!
・2022年5月8日:「ダイソーの観覧車」を回せ! 回路図
これらは
・POLOLU A4988 Stepper Motor Driver Carrier
を使ってステッピングモータを駆動しています。
モータの電源は24V。
出窓前の人感センサ検出オンで、DC24Vが供給されるのです。
その電源を使って回路を起動します。
常時回しているともったいない。
振動(音)が出るのはうるさい。
そして、これらの回路では
「回すためのクロック発生回路にDC5Vが必要」
ということで、DC24V入力DC5V出力の非絶縁型ですが、
DC-DCコンバータを回路に乗せてます。
これがちょいともったいない。 ・・・気がする
秋月で買える安価なものなのですが、
う~む。
昔々・・・
24Vを5Vに落とすのにTO92の78L05(100mA)
三端子レギュレータを使ったら、ちょいとばかし
発熱がぁ・・・
自分のバイアス電流だけでも熱くなってしま
ったのです。
それでTO-220形状のレギュレータに変えたこ
とがあります。 ※イヤな記憶
例えば、ドロップ電圧が19V。
バイアス電流も含めて20mA消費だと
それだけで380mW。 1/2.6W。
定格電力の半分まで行っちゃいます。
今のレギュレータだとバイアス電流も小さく
なっているでしょうから、こんなことはないの
でしょうなぁ。
ちょっと調べたら、HTC製のが、78L05という名な
のに「5V出力タイプの供給電圧は20Vまでにしておけ」
なんて記述が。
そんなこんなで、24V→5VではDCコンを使うように
なりました。
ステップ・モータ・ドライバの駆動用クロックの
発振回路、電源オン時にモータをスロースタート
するのにVCO IC(4046)を使っています。
最初は低い周波数で起動。
時間とともにクロック周波数を上げて定速状態に。
というのをこのIC一つでしているのです。
この回路にDC5Vが必要なのです。
これをDC24Vだけでできればええなぁっというのが
今回の実験。
※ドライバモジュールにも課題が。
POLOLU A4988にはモータ電源の他に
ロジック回路用電源VDDが必要なんです。
ですから、24V単一で動かそうとすると、
このモジュールは使えません。
そこで、モータ電源から内部動作用電源を
作ってくれる DRV8825 を使おうとしてい
るのですが、このモジュールにも悩みどころ
があるのです。
(追って解説)
まずは、24Vで動くVCO回路を作るのが目標です。
オペアンプを使ったVCO回路は、LM324やLM358の
アプリケーションノートで解説されています。
※昔話
ナショセミのデータシートに回路が掲載され
ているのですが、古いのだと一段目と二段目
の出力がつないで書かれていたりして
初心者イジメの回路になっていました。
ICメーカーが提示するサンプル回路、
信じちゃいますよね。
今どきはこの解説↓でしょうか。
・CQ出版 オンライン・サポート・サイト
CQ connect:電圧制御発振回路の制御電圧と発振周波数
※回路をリライト
しかし、これにもイケズがあるのです。
この解説では
理想的な入出力レール・ツー・レールOPアンプ
を使うと但し書き。
この約束事を破って、上に示した単電源汎用のLM358
やLM324で試すと・・・ありゃ。動かないゾ
っということになっちゃうのです。
関係するのは電源電圧。
電圧がオペアンプが動作し始める最低電圧
2.5V~3.5Vくらいなら発振するのですが、
4Vくらいまで上げると方形波出力がLに張り
付いて発振が止まってしまうのです。
発振中はVaを中心電圧とした三角波が出ます。
しかし、電源電圧を徐々に上げると、デューティが
狂ってきて最終的にVbがLになって止まってしまう
という現象がおこります。
このときの「Lのレベル」。
これが問題で、発振が止まるときはNPN
トランジスタQ1のベースをオンできる
くらいの電圧(GNDに張り付かない)になって
いるのです。
Lを出しているのにQ1がオン。
Vbが0Vから浮いておよそ0.6Vくらいになっちゃう
のが原因です。
電源電圧上がるとコンパレータとして使った
オペアンプの出力電圧が下がりきらないのです。
で、対策。
その1。
VbがLになる状態でオペアンプが引き込む
電流を減らせば出力電圧が下がります。
現在10KのR1をもっと大きくすると
(ヒステリシス幅が変わる)とちょいましに
なりますが、24Vでは動きません。
電圧を上げると、やはり発振停止。
その2。
Q1のB-E間にRBを入れてVbを分圧。
こうすると、Q1のベースがオンする電圧に
余裕が出て、電圧24VでもQ1がオフできる
ようになって発振してくれます。
ナショセミのコンパレータLM339のアプリケーション
では、こんな回路が示されています。
これだと、トランジスタのオン電圧は関係なくなります。
コンパレータは低速ならオペアンプとしても
使えるぞっというサンプルになるかと。
でも・・・
コンパレータ方式のVCO、昔のデータブックには
こんな初心者イジメの回路例も!
一段目と二段目の出力が衝突。
このコンパレータの場合、出力がオープンコレクタ
なので、信号が短絡しても過大電流は流れませんが、
正しい動作はしません。
※関連
・2017年7月10日:「十字接続は避ける」
・2023年6月7日:不安な接続記号「●」
・2016年07月01日:回路図、配線の交差と接続
・2014年11月15日:回路図での交差信号の描き方
さて・・・
電源電圧を24Vにして発振できたとしても、
モータドライバへの駆動パルスの最大電圧は
5Vで24Vのパルスを5Vに制限する方法を
考えなくてはなりません。
簡単にすますなら、ツェナーダイオードで
クリップかなぁ。
※電源電圧
オペアンプLM358もコンパレータLM393も片電源なら
24Vで使えますが、最大電圧に注意がいります。
サフィックスにより微妙に異なるのです。
メーカでも違います。
データシートのバージョンにより書いてあることが
異なることもあります。
TI製だと、
LM358、LM393ならmax30V。
LM358B、LM393Bならmax36V。
「B」付でオフセット電圧などが改善。
さらに、
LM393Lとなると、CMOSになって電源電圧
範囲が1.65~5.5Vに。
※続き
・2024年10月31日:ステッピングモータ駆動回路を24Vだけで #2
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