電子部品

2023年2月14日 (火)

基板ショート・チェッカ、役に立つ

トラ技2023年1月号(通巻700号記念誌) に載せてもらった
「基板ショート・チェッカの製作」。
T19

日常は、ショート・チェッカとしての使い方より
「1A定電流源」として接触抵抗や低抵抗、線間抵抗の測定に
利用しています。
A92

先日のこと、とある修理案件で本来の使い方で活躍
しました。
基板の5Vラインがどこかでおかしくなって(完全な
短絡ではない)、回路が動かないという症状。
電源アウトで回路が動かないので信号を追いかけるこ
とができません。

修理基板の電源ラインにこのチェッカーを接続して
1Aを供給。
テスターで最小電圧を示す場所を探索するという
方法で調査を開始。
短絡じゃないので、最小値を示す場所が重要です。
結果、この写真の「74HCT04」が逝ってました。
A91
ICを抜いたら短絡は解消。
交換したら動き始めました。
これがつぶれた原因は不明。
ということで、ひさしぶりに本来の使い方ができました。

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2023年1月31日 (火)

LEDの絶対最大定格:逆電圧(Vr)への反論

電子部品それぞれに設けられている「絶対最大定格」。
 ・なにがなんでも越えちゃダメ。
 ・越えたらつぶれるかも。
 ・越えるような設計、誰がした。
という解釈かと。

で、この絶対最大定格について(LEDに限って)
 ・重箱の隅モード
 ・いまさら
なんですが、どう考えたら良いか・・・
  皆さんのご意見を!

LEDのスペックに記された「絶対最大定格」の中に
「逆電圧」が出てきます。
この逆電圧、たいていが「5V」。
   ※単素子の場合。
   ※中には4Vや6Vというのもあります。
   ※電気的特性の項目に、逆電圧4Vなら
    最大10μAの逆電流が流れるとかが記さ
    れています。

LEDに逆電圧が加わる回路といや7seg LEDの
ダイナミックスキャン。

簡単に2桁の7seg LEDを図示します。
カソードコモンで駆動するように記しました。

71_20230131124001
右桁を駆動して、AセグはオフでBセグをオンした
ところがこれ。

72_20230131124101
この駆動方法、アノードとカソードともCMOSレベルで
ドライブすると、消えているD1逆接になります。
5Vで動く回路なら、5Vが逆に加わって、絶対最大定格の
逆電圧に達します。
駆動回路が5Vよりちょい上の電圧なら絶対最大定格を
越えちゃうわけです。

回路的に逆電圧を避けようとするのなら、
  ・アノード側あるいはカソード側、それとも
   両方とも、オープンコレクタ(ドレイン)
   の素子で駆動。
という方法があります。
  ※5Vより大きい電圧じゃないとLEDが光らない
   なんて時はこの方法です。(2直,3直の場合など)

そして、マイコンのポートで直接駆動するのなら、
  ・駆動しないところを「入力ポート」にして
   逆電圧を避ける。
こんな方法もあります。

しかし、CMOS出力ポートでH/L駆動して逆電圧を加えても
壊れないというのも経験しています。

この「大丈夫だ」という理屈の説明をどうすれば
なんですが・・・
  ・電流制限抵抗があるので、逆電圧を超えても
   最大電流、最大電力を越えないから大丈夫。
と言えるかなぁ、と思います。

しかし、「劣化はしないのか?」となると、スペックの
記述からは読み取れません。

ネットを探すとトランジスタの劣化についてこんなのが
見つかります。
・トランジスタの“落とし穴”はブレークダウンにあり:EDN japan

  ※電流制限されていない状態でB-E間に
   逆電圧が加わったのが原因でしょうけれど、
   「劣化」と呼んでよいのか・・
  ※制御されたブレークダウン(電圧は超えるけど
   電流、電力はOKの範囲)ならどうなる?

いかがでしょう。


※追記
2022年12月20日:ガレージのLED表示デジタル時計がダウン
2012年08月03日:16セグメントLEDを使った時計:回路図
  ※カソード、アノードともTr(オープンコレクタ)で駆動

2022年12月21日:7セグメントLED駆動用IC「TM1637」
  ※このICは両方ともオープンドレイン
カソードコモン7セグメント用LEDドライバー MAX7219
  ※CMOSで駆動とは記されていないが、
   コモンはオフ時にV+、セグメントはオフ時に
   GNDになると記されてる。

以下、逆電圧になる回路。
2018年5月31日:電波チェッカ用レベル表示回路案
2018年9月27日:電波チェッカ用12LEDレベル表示回路
2022年12月14日:Arduino UNOを使ったUSB電流計 4桁表示も
2022年11月29日:Arduino UNO(のチップ)を使ったUSB電流計

逆電圧といっても、電流制限抵抗が入っている
おかげで、もろに電源電圧じゃなく反対側の
Vf電圧が加わるようになる場合もあります。

逆電圧にしても、最大電流、最大電力を越えなければ、
破壊には至りません。
しかし「劣化はどうや?」っと言われたら・・・
  わかりません。

ご意見をお待ちしています。



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2023年1月15日 (日)

4-20mA電流ループといえば「アイソレーション・アンプ」

4-20mA電流ループを使った計装回路。
その「受け側」(制御装置側)で使っていたのが
デイテルの絶縁アンプ「AM-I2120」です。

裸で置いてあるのはもうこれ一つです。

Am1_20230115173001

とある土木関係の制御装置で使っていました。
  ※まだ、生きている機械があるんで、
   メンテ用に基板は置いてあります。

どんなもんか紹介しようと思ったら、
ネットを探してもデータシートが出てこないゾ。

アナデバのAD202 あたりが互換品だったはず。
   ↑
 これも廃品種。

これを使った装置のファイルを引っ張り出してきたら、
こんな資料が出てきました。

Am21

   ※ダウンロード - datel_ami2120_scan.pdf

土木装置の先端に付いた圧力センサーから4~20mAの
信号をもらって、ごそごそ。
センサーと制御装置間の距離が長いのと電線の巻き取りに
スリップリングが入っているんで、4~20mAの電流ループ
を使いました。

「デイテル」ってどうなったんだっけ?
昔、ADCやDACをあれこれ使った記憶があります。
パーツボックスを探せば出てくるかな。


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2023年1月12日 (木)

「A-Dコンバータ活用 成功のかぎ」

図書館で借りてきました。
CQ出版のアナログ・デザイン・シリーズ
  A-Dコンバータ活用 成功のかぎ
    著者:松井邦彦
サブタイトルが「変換のメカニズムと性能の引き出し方」

T21_20230112154701

出版が2010年8月。
大阪市立中央図書館の2階、「技術・産業コーナー」。
書架に並べられた場所、天井に近かったせいで
照明で焼けた(色が抜けた)のでしょう、背のところの
赤色が薄くなってます。
  ※看板の色にしろ赤色ってダメージを受け
   やすいですよね。 どんな理屈なんだろ。

ページを繰りますと・・・
「おっ。 同じことやってる。」と
   ※ひょっとして著者さんがトラ技に書いていた
    昔の記事を見て、それを私が真似っこした
    のかも。

まずDC-DCコンバータの出力に入れる
コモンモードフィルタ」。

T22_20230112154701
実物での実験。
2020年10月13日:「MAU109」の出力にコモンモードフィルタを付けてみる
2020年3月23日:非絶縁型降圧DC-DCコンバータの出力ノイズ低減あれこれ
2016年02月29日:TDKのコモンモードフィルタ 廃番に

そして、オシロのプローブにいれたクランプタイプの
パッチンコア・フィルタ

T23_20230112155001

これは私の作業机上のラックに置いたオシロ。
T24_20230112155001

使ってるプローブ、みんな入れてあります。
使い勝手の関係で、根元側なんですが先っぽと
どっちがエエんだろ。
比較したことないなぁ。

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2023年1月 8日 (日)

ナットがぁ!? 9年前の残党を発見

2013年12月16日:ナットがぁ!? その2
2014年06月12日:ナットがぁ!? その3

異常ナットがまだ潜んでました。

N31_20230108161101
赤マークした左側がアウト。
ビスがねじ込めません。
右のはOK。

パーツボックスから根絶したつもりだったんですが・・・

 

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2022年12月27日 (火)

クリック有りのロータリーエンコーダ

2022年8月24日:パルスジェネレータを作ってみた:箱に入れた
で使ったのはアルプス製のロータリーエンコーダ
   ・EC12E2420801(秋月)
そして、この記事では、
2020年9月12日:ロータリーエンコーダーの2相パルスをピン変化割り込みで取り込む
   ・Bourns ECW1J-B24-BC0024L

今回の工作、アルプス製の手持ちを切らしてしまったんで、
ボーンズのを使ってゴソゴソしてました。
Bs11
ところが・・・
「パルスジェネレータ」で使ったエンコーダの入力処理、
  ・2020年9月16日:ロータリーエンコーダーの2相パルスをタイマー割り込みで
だと、ボーンズのでは取りこぼしが生じるのです。

なんで? っとオシロの出番。
  ※動作実績のあるモノ(ソフトもハードも)
   がアウト!って、けっこう精神的ダメージ。

※状態
・待機状態でA、B信号ともオフで、1クリックで
 A相にLパルスが出るのはアルプスと同じ。
・アルプスのに比べてチャタリングが大きい。
   これは1000PFコンデンサをGND間に入れる
   ことで解決できる。
・しかし・・・このパルス幅が短い。
   前の記事に出した波形を見なおしたら、
   そうなっている。
・現在のチャタリング除去は、0.5ms周期の割り込み
 で4回安定。=2ms
・ところが、高速に回すと1ms近くまで
 パルス幅が短く。
・パルス抜けの原因はこれ。

2020年9月12日 の実験では、ボーンズのを
  「クリック無し状態に改造」
してあれこれしていたので、短パルスの出現に気が付か
なかったのでしょう。
1ms近くまで短くなった波形をオシロで観察していた
のに、です。

今朝、試すとこんな波形が出ました。
E11_m

チャタリング+バウンズはコンデンサで取れます。
でも、想定より短い接点オンのタイミングはソフトを
手直ししないとダメです。

タイマー割り込みでの処理、アルプス製のエンコーダ
だと、コンデンサ無しでも安定に動いてます。
どうしたものか・・・

ボーンズのカタログにある推奨回路、
  MC14490で「5ms」のディレー
と、記されてますが、そこまで遅らせると
パルスが無くなっちゃいます。
B2

メカ絡みの電子部品、「使ってみないと分からんわ」の
例でしょか。

※0.5ms=2kHzのタイマー割り込みを0.25ms=4kHzに
早くして試してみますわ。

※現状(0.5ms割り込み処理)での抜けの様子。

・正常時1
Ee002_m

・正常時2
Ee000_m

・A相パルスがちょっと短くなって、抜けが発生
Ee001_20221227103701
前半3つはOK。 右の3つがアウト。
4クロック分、安定しなかったのでチャタリングと
判断してしまった。

MC14490の内部構造
144_a
4ビット続けて同じ入力(H/L)が出現したときに安定と判断。
入力にはプルアップ抵抗が入ってます。
16ピンに6素子入っているんですが、入力と出力のピンが
イケズな配置なんです。
TTLの240や241、244に倣ったんでしょうけれど・・・

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2022年12月21日 (水)

7セグメントLED駆動用IC「TM1637」

7セグLEDが付いたモジュールをあれこれ見ていて、
こんな駆動用ICが見つかりました。
秋月でも扱っています。
  ・TM1637:Titan Micro Electronics Co.,Ltd

2線で通信して(I2Cとは異なる)表示データを
送り込む仕掛けです。
セグメントが8つでコモンが6つ。
6桁のアノードコモン7seg LEDを駆動できます。
各セグメントに入れる抵抗は要らないようで、
駆動デューティを変化させて明るさをコントロール
できるようになっています。

そして、データシートには16個のスイッチをスキャンできる
と記されています。
セグメントの駆動信号を使って、リターン線が2本。

しかし・・・推奨回路図を見ると

01_20221221154201

2つのスイッチを同時に押したら、
ありゃま。セグメントデータが短絡して
おかしな表示になるのではと。

データシートにはこんな記述。
 「TM 1637 doesn't support combined key pressin」
"combined key pressin"は 同時押し と訳して良いかな。
 「キーの同時押しは知らん」っと。

ダイオードを入れると短絡は回避できそうですが、
スキャンのデータはどうでしょうね。
K1とK2の入力抵抗(プルアップ)は10kΩとなっています。
  ※このIC、使っていないのに、いらん心配を。

 ・ガレージのLED表示デジタル時計がダウン
では、LEDのコモン駆動用の信号でスイッチを
スキャンしています。
ダイオードで分離してますんで、同時押しは大丈夫。

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2022年12月14日 (水)

アナデバがマキシムを買収・・・してたんだ

調べてみると、けっこう前。
・2021年08月26日:アナログ・デバイセズは、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツの買収手続きを完了したことを発表しました。
https://www.analog.com/jp/about-adi/news-room/press-releases/2021/8-26-21-adi-completes-acquisition-of-maxim-integrated.html

そして、
・2022/12/09:アナログ・デバイセズとマキシム・インテグレーテッドは1つのウェブサイトでアクセスできるようになりました
https://www.analog.com/jp/about-adi/maxim-integrated-acquisition.html

マキシムの石のデータシートを探していたら、アナデバのページに飛ばされました。

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2022年12月12日 (月)

セラロックの精度は±0.5%

Arduino UNOのブートローダーを焼いたATmega328Pで
使う16MHzの発振子、周波数の精度を気にしなければ
セラロック(コンデンサ内蔵型セラミック発振子)が
お手軽です。

素子ごとにばらつきがあるので実際のどのくらいの
周波数になるかは使ってみないとわかりません。
先日使ったこれでは、「16.0202MHz」でした。
「+0.126%」と十分にスペック内です。
  ※タイマーのコンペアマッチで方形波を
   出力して周波数を測定し、分周比から
   原発振周波数を計算。

C11_20221212093301

しかし、計時するタイマー機能を乗せた
スケッチではこの誤差が気になります。
このセラロックでの精度だと1時間で4.5秒、
1日で1分50秒ほど進みます。

水晶発振子にすれば20~30PPM内にできるので、
計時機能のあるモノを作るときはHC-49U/Sを
使うのが間違いありません。
  ※月差ン秒を問題にする時計機能付きの
   ものはRTCなど特殊な装備が必須。
   きっと停電も処理しなくちゃならない
   だろし。

このセラロック、コンデンサが内蔵されてい
るわけですが、
  「さらにパラってみたらどうなる?」
を試してみました。

両端に「15PF」を入れると・・・
周波数は「16.0133MHz」で「+0.083%」に。
ちょっとだけ下がりましたが、計時用タイマーに
使うにはまだまだです。

 

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2022年11月 5日 (土)

2.54mmピッチのピンヘッダに挿したソケットが抜ける

ユニバーサル基板に手ハンダした秋月電子通商扱いの
ボックスヘッダ ライトアングル(横型)10P(2×5)

A11_20221105105201
これに、JAE(日本航空電子)製のバラ線圧着タイプの
ソケットを挿入したら・・・簡単に抜けちゃうのです。
グサリっと刺さりません。 あらら・・・
A12_20221105105201

10ピンのが無かったので、ピン数の多いソケットを切断。

秋月のではなくちゃんと同じJAE製のピンヘッダに挿すと・・・
とりあえずは止まるけれど不安定。
A13_20221105105201
ちょっとのチカラで外れちゃいます。

オムロンのXG4Mソケットだときちんと嵌合。
簡単には抜けません。
A14_20221105105201

「なんでや?」っとあれこれ試していますと・・・

A15_20221105105201

「ありゃ。 違うピンが混じってるやん!」っと。

A16

微妙な違い、わかりますか?
上と下、ソケット側の接触部、その位置が違います。
下のがピンの根元に近づいて接触します。

JAEのバラ線圧着コネクタを入れたパーツボックスに
これらの圧着ピンが入っていたので、
  「適合品に間違いない」
と思っちゃたのです。
しかし、形状の異なるピンが混入。
  電線外皮保持部や芯線圧着部の形はほぼ
  同じ。 (同じ圧着工具がOKなようにか?)
  OKなほうには「F2-3」と刻印があります。
混ざった中からダメな方を使ってしまっていたようです。
「ピンヘッダー側が悪い」っと思っちゃいましたが、
真の原因は異なりました。

(いつからストックしていたのか分からん古い)JAEの
コネクタはやめて、QIコネクタを買ってくることに
しますわ。

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