・目的 12V・10A電源の特性調査用
定電流負荷回路の製作
・120Wの電力を受けられるように
過去、定電流回路(定電流負荷)をあれこれ作って
きましたが、120Wというのは未体験。
電流検出抵抗の電圧降下をフィードバックして
パワーMOS FETのゲート電圧を制御というのは
変わりませんが、問題はパワー。
※過去の失敗談
・2014年03月26日:ACアダプタ試験回路:電気は熱になるんです…
※関連
・2020年8月27日:オペアンプとMOS FETを使った定電流回路・・・電子負荷回路・・・
・2021年4月4日:オペアンプとMOS-FETを使った定電流負荷回路
・2011年09月23日:並列抵抗で 250W
・2011年09月26日:電子負荷稼働中 菊水電子製 レンタル品
この電力、一つのFETじゃとても無理。
ということは並列接続して発熱を分散。
こんなFETの買い置きが残っていたんで並列接続を
試してみました。 ・秋月電子:60V・100A・255W
まず基礎知識。 FETの温度特性、
・温度が上がるとオン抵抗が大きくなる。
ということは、並列接続で電流が流れて
温度が上がった素子は、オン抵抗が大きく
なることで電流が減る。
並列接続での熱暴走はしない。
・しかし! これはスイッチングしてるときの話。
電子負荷のようなリニア領域での制御では、
Vth、Vgsの特性が重要。
・残念ながら、温度とドレイン電流の関係は
並列接続には向いていない。
一定のVgsでも温度が上がるとドレイン電流が増大。
リニア制御では、温度が上がったらその石に電流が
集中してしまう。
温度とオン抵抗のグラフ。

温度が上がるとオン抵抗が大きくなる様子が
見えてます。
しかし、これはVgs=10Vとゲートが十分にドライブ
された状態の話。
温度とドレイン電流の関係がこれ。

ドレイン電流の立ち上がり部分、Vgsが一定でも温度が上がると
電流が増えちゃう様子が浮かんでいます。
ということは、単純にこんなつなぎ方だと、消費電力を
分散できないという話。
FETを2つ使って、実際に試してみました。
特性は選別していません。
パーツボックスにあった「TK100E06」FETを
任意に取り出して配線。
ヒートシンクは17cm四角。厚さ35mmの大きいの。
ドレイン側に抵抗を入れてそのドロップを見ます。
電流がアンバランスになると、電圧ドロップが
どんどん大きくなります。

流した電流は1A。
電圧が12Vですので、それぞれ6Wを受け持ってくれれば
okなんですが・・・
チャートレコーダー(プリンタシールド応用) で記録します。
時間経過とともに発熱してQ2側の電流が増大。
Q1には電流が流れなくなり、「なんのための並列!?」
という状態に。
単純なつなぎではうまいこと行きません。
そこで、FETのソース側に抵抗を入れてアンバランスを
吸収できるようにしてみました。
電流が大きくなるとVgsを下げる方向に働きます。
まず「0.47Ω」。

これだと、8割くらいの電流差に落ち着きます。
途中で2A→3Aに増やしてます。
ソース抵抗を1.0Ωすると、こんなグラフに。

しかし、1.0Ωだとこの抵抗の発熱がひどくなってきます。
5Wじゃ足りません。
どうしたものかと思案中。
トランジスタ技術2015年1月号の方法・・・
FETごとにアンプと電流検出抵抗を設けて、
共通の制御電圧で電流を設定します。
GND側の配線抵抗の影響は差動アンプでキャンセル
しちゃうというアイデアです。
記事ではFETを3コ使って40Wを目指しています。
ゲインのある差動アンプ(電流検出アンプ)を使うと
電流検出抵抗の値を小さくできるし。
どんなもんかな。
※実験の様子

※追記
ソースに入れたバランス抵抗。
バイポーラトランジスタならVbe電圧の0.7~0.8Vあたりで
バランスが得られます。
それが今回のMOS FETだと4~5V。
MOS FETだとVgs電圧が大きいぶん、効きが悪くなります。
オペアンプの出力にFETを入れて、そのソース電流で
バイポーラトランジスタのベースを駆動。
これだとどうでしょう。
うまくバランスをとってくれるかな。
※追実験
手持ちのTO-220やTO-3Pのバイポーラ・トランジスタ、
高圧スイッチング用のばかり。
2SD880と2SD768(ダーリントン)が発掘できました。
こんな回路で実験。

こんな接続で、バランスがうまく行きました。
0.1ΩでもOK。
でもダーリントンの2SD768にするとダメ。
0.1Ωでは電流が片寄ります。
電流検出抵抗を一つだけにしておきたいんで
トラ技2015年1月号方式は「ちょっとなぁ」
なんです。
最近のコメント