修理

2019年10月 9日 (水)

大物は机に乗りません

ツカサ電工製スポーツタイマーの修理依頼。
90cm角。 でかい(軽いけど)
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残念ながら、整理整頓されていない作業机の上には載せれません。
  ・・・お片付けしてない

で、こちらは電子回路屋です。
だもんで、「動かないから直して」ということですと、まず見るのはその電気回路。
・電源まわり
・配線回り(スイッチとかコネクタとか)
をざっと見てから、制御回路(基板)を調べます。
今回のは基板も正常。
時計の指針を回しているステップモータ単独ではちゃんと動きます。
ということで、悪いのは「メカ」。

こんな機構で秒針と分針を回しています。

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秒針と分針は同軸構造。
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秒針、分針はスリップ機構で自由に回せるようになってます。
「0分0秒」の時間合わせは手動で秒分針を回します。

動かなかった原因はこれ↓
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※中空の分針軸の中に秒針軸が入っていて独立して回転。
 右側のシンチュウ部品は秒針軸に固定されている。

秒針軸とその外側の分針軸が固着してました。
このため、秒、分どちらも回らないという状態に。

秒針軸をプラハンマーでコンコンしても抜けません。
こうなると、工作機械が必要。
文鎮:ハンダ付け補助ツール の佐藤テック君ところ(フライス屋)へ持ち込み、軸をしっかりつかめる旋盤のコレットチャック でもって分針軸を固定して、秒針軸をギュっと押し出し。
すると、スポンと抜けました。
両軸ともSUSなんでサビてはいません。
軸に何かが衝突して少し曲がってしまったのが原因かと推測。

両軸の外周面と分針軸の内面を研磨。
曲がりを修正してもらってメカ部の処置が完了。
組み立てたらちゃんと動き出しました。

今回の修理、電子回路屋の出番じゃなかった・・・


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2019年10月 4日 (金)

導電ゴムのボタンが原因じゃなかった

とある工業用制御装置で用いられている赤外線リモコンの修理依頼。
 「特定のボタンだけ反応しない」
 「いちばんよく使うボタンがあかん」
ということでやってきました。

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導電ゴム製の押しボタン、あるいは基板側の接触パターンがおかしくなっ
ているのかと推測。

先方とは、このさいだからと「リモコンのボタンの代わりに押しやすいスイッチを外付けしよう」ということで、改造にとりかかりました。
制御ICの足から直にリード線を引き出して外付けスイッチにつなぎます。
スイッチは2つ。

仮組みして試運転したところ、片方のスイッチが反応しません。
「あれれ?」です。
もう片方は普通に反応しています。
どのくらいの電圧が加わってるのかと思い、オシロで見る前に「針式テスター」でスイッチの端子両端の電圧を測ると・・・ありゃま、動き出した(コードを送出)のです。

このテスター、10kΩ/Vの内部抵抗で使ったのは2.5Vレンジ。
ということは25kΩ。
スイッチの端子に並列に、いろんな値の抵抗をつなぐと、10~80kくらいの範囲で反応します。
これより小さくても(短絡でも)大きくてもだめ。
電源電圧にも依存します。
電源電圧と抵抗値をあれこれ試して、22kΩあたりがいちばん安定していました。
もう片方のスイッチは短絡~80kΩくらいで反応しています。
短絡でダメということはありません。

とりあえず、スイッチに直列に抵抗を挿入しておくということで対処療法。
ダメになっている所、他のボタンスイッチとはマトリクスにはなっておらず、単独の足(2本)につながっていました。
導電ゴムの接触状態じゃなく、制御ICそのものがおかしくなっているようです。

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2019年9月24日 (火)

連動プッシュスイッチの不調

「プッシュスイッチが保持されない」という修理依頼。
アルプス製の5連プッシュスイッチです。
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ボタンを押しても押したボタンが保持されずに戻ってきてしまうというメカ的トラブルです。
この種のスイッチ、押したボタンを保持するためのロック機構、ほんとにうまいこと出来ています。
 ・ボタンを押す。
 ・その力で、保持されている他のボタンのロックを解除。
 ・押し込んだボタンをロック。

これを担っているのがたった「1つ」のスプリング。
それがどこかに飛んでしまったようです。
  ※ケース内に無かったんで、通風穴から出てしまったのか、
   自力修理で箱を開けた時に落ちてしまったのか・・・

「圧縮コイル型のバネ」の1.5~2Φくらいの小さいのが必要。
何か適当なものはないかと探したら、シャープペンシルの芯出し機構に使われているバネが使えました。
使っていない古いシャープペンシルを解体してバネを取り出し。
  ※引っ張り型のバネは、小型リレーから外したものなどが
   ジャンク箱に入っていたんですが・・・
メカ的にはこれで修繕できました。

ところが・・・
修理後、スイッチを回路につないで動かすとうまく機能しません。
なぜ?」です。

オシロで追いかけると、こんなことが分かりました。
ちょいと図示します。

Push_sw2
 
スイッチのロック解除操作で「全接点がオフするタイミング」が生じます。
回路ではこれを使って「スイッチが切り替わった」を検出していたのです。
  ※マイコンじゃなく、ロジックICを使った制御回路。

スプリングを変えたことでこのタイミングが短くなり、回路が想定していたオフ時間が守れなくなってしまったのです。
「スイッチ切り替全オフ検出」で出るパルスをモノマルチ2段で遅延させ、新保持データのラッチと制御タイミングの初期化を行っています。
全オフ検出のチャタリング除去時間内に切り替わってしまい、全オフが生じたことを検出できず、制御用パルスが出なくなってしまったのでした。
回路定数から推定すると「10mS以上のオフ時間がある」と考えていたようです。

スプリングを「弱め」にする方法で解決しようかと考えたのですが、スイッチ機構へのスプリングの装着がけっこう微妙だったので、チャタリング除去回路のCR遅延回路を触って解決しました。
とりあえず、これで様子を見てもらいます。

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2019年9月17日 (火)

どうしてこうなった?!

地元中学校(知ってる人はわかる)校長からの修理依頼。
・・・というか、センセのぼやき。
『大事に使ってくれへん』『生徒じゃなくって・・・』っと。

ものはレノボ製ノートPCのディスプレイ接続用ケーブル。
外部映像出力のためのHDMI変換ケーブルです。
コネクタ部を入れて、全長20cmばかり。
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下のがPCに挿さって、上がHDMIコネクタ。

端子側の様子。
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それが・・・・
こんな具合に。
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金属ハウジング部が「抜けた」そうな。
PCに挿さっているところを無理やり引き抜いたんでしょうな。
「こりゃ、どうにもなりませんわ」っと・・・

なんでもかんでも修理 できるわけじゃありません。


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2019年8月29日 (木)

山武ハネウェル製プロテクトリレー:R4750C

先日来の修理品はこれ。
 ・山武ハネウェル プロテクトリレー R4750C
バーナーを点火、制御するための装置です。
   ※温調は制御はしない。 単に点火シーケンスの制御。

・ファンモータ起動
   エアフロースイッチオンを確認
・パイロット弁開
・点火開始
   火炎確認
・点火オフ
・主弁開
   火炎とエアフロー入力を確認

起動すると、ざっとこんなシーケンスで接点出力がオン・オフします。

一連の流れをチェックしようとすると、出力をいったんリレー受けして、
その接点を動作確認信号として返してやらなくてはなりません。

だもんで、修理するにも治具が必須。
5つの出力があるんでリレーを5つ。
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左側の箱がプロテクトリレー:R4750C。
箱の下にベースプレートがあって、端子台が入っています。
パネルの赤いのが例のボタン

問題は修理が終わった後のエージングテスト。
電源オンして起動したあとはず~っと同じ接点がオンしてるだけなんで、
通電して放りっぱなしでは試験になりません。
起動シーケンスを見なくちゃならないので、定期的に起動信号あるいは
電源そのものをON/OFFして、制御リレーが思うように動いたかどうか
の記録が必要です。

今回はこんな方法で記録に残しました。
外部に付けたリレーの接点を使って「R-2RのD/Aコンバータ」 を作り、
その電圧を チャートレコーダー に残します。

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記録された電圧波形を見れば、どのリレーが働いたか1チャンネルの
アナログ入力で分かります。
   (多チャンネルのロガーは必要ない)
周期的な起動信号(電源のオン・オフ)は昔に作った簡易型停電試験回路
これで放っておいても、あとから動作確認ができます。

実験の時に役立ついろんなツール、イザ必要となった時に作るとなると
たいへんです。


※関連
バイメタルを使った遅延スイッチ
リレーを使ったウォッチドッグ回路
コンデンサには放電経路を・・・

※さまざまな電子機器の修理依頼について:(有)アクト電子

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バイメタルを使った遅延スイッチ

今回の修理、珍しいものに遭遇します。
    ↓
 ・リレーを使ったウォッチドッグ回路
 ・コンデンサには放電経路を・・・

さらにこんなのが乗っていました。
「異常リセット」用の押しボタンスイッチです。

最初にこれを見た時、
 「なんやこれ?」
 「どない動くねん?」
っと。
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リレーのように透明プラケース内に入っています。
頭の出っ張りボタンを押すと、オレンジ色の機構が上下に
動きます。

別角度から。
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中央に見える円筒状のものが「ヒーター」。
それを「逆U字状」にバイメタルが取り巻いています。
  ※ヒーターの右に2本見える
   「つ」の字状のはヒーターへの配線。
   保持金具の役目も。

バイメタルの先端がツメになり、オレンジ色可動部が
上に飛び出るのを防いでいます。

「引っかかり」を拡大。
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ヒーターへの通電が始まると、ゆっくりと「ツメ」が右側へ
動いていきます。

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しばらくすると(5秒くらい)引っかかりが外れて
ボタン部が上へ。
 
2つある接点の片方がオンして、もう片方がオフします。
その後、ボタンを押し込むと復旧します。

むちゃこった仕掛け。
「異常」が一定時間継続したらアラーム出力とともに、装置の
制御シーケンスが止まります。

電子回路というか制御するソフトウェアを信じず、メカを用いての
(電気もかむけど)非常停止機構。
リレーを使ったウォッチドッグ回路といい、なかなか「味」のある
装置設計です。


※関連
防犯街灯、昼でも点きっぱなしに ・・・バイメタル応用


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2019年8月28日 (水)

リレーを使ったウォッチドッグ回路

コンデンサには放電経路を・・・の制御回路、こんなウォッチドッグ回路が載っていました。

  ※ウォッチドッグ回路

1995年刻印のICが使われていましたんで20年以上前の装置です。
マイコンらしき専用チップが頭脳です。
リレー回路を追いかけてみると・・・
主制御回路の「根元」(出力回路を制御するリレーがつながる)にこんな回路が入ってました。
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駆動パルスがあるときだけリレーはオンを保持。
Q1がオフしっぱなし、あるいはオンしっぱなしでもリレーはオフに。

このリレー、形状は「G2R」でしたが特殊な型番がマークされていました。
駆動パルスの周波数は約60Hz。
ゆっくりだとオフしてしまうてなところで、商用電源周波数にしたのかと。

今ふうの設計だと、マイコン内蔵のウォッチドッグ機能を「信じます」よね。


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2019年8月27日 (火)

コンデンサには放電経路を・・・

FA用途の修理依頼品。 電源は単相200V。
仕事場は単相3線なんで、200Vを使おうとすれば可能なですが「怖い」んで、ステップアップトランスで試運転。
200Wのトランスを常備しています。

この回路、内部制御回路用の電源(12V、5V)はトランスで作っています。
ところが、ちょっと特殊な高圧部があるんです。 →火炎検出回路
その部分にこんなコンデンサ。
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これが、150Vくらいにチャージされます。
そして、電源を切っても電荷は残ったまま。 (なんでやねん)

回路の様子を見る段階では、これに電荷が残ってるなんて気にしてません。
「電源を切った=安全」 のつもりで、基板を手で触ったら「びりっ!」。

いやぁほんと。目が覚めます。
すぐに放電用の抵抗をコンデンサにハンダ付け。

故障箇所とは関係の無い話でした。

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2019年8月26日 (月)

三和シャッターRAX-110修理

過去、三和シャッターの電波リモコンRAX-310とRAX110をあれこれ修理しています。
  ※RAX-310は3ボタン。 RAX-110は1ボタン。
今回の修理依頼はRAX-110で、
 ・ボタンを押すとランプは光るけどシャッターは動かない。
 ・電池の液漏れは無いようだ。 電池の電極はキレイ。
というもの。

ケースを開けて基板をチェックしてみると・・・
電池電極や基板のハンダ面はきれいが、部品面に液体の漏出痕。
電池の電解液じゃなくたんなる水濡れでしょうか、白い痕跡物が基板に広がっています。
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※その白いモヤモヤの先端のスルーホールに注目。

基板を洗浄し、接触不良を起こしていたスイッチなどを交換。
しかし、動きません。
信号を追いかけてみるとこのスルーホールまで信号が来ていません。
ぱっと見はつながっています。
スルーホールのハンダを吸い取って、綿棒でゴシゴシ洗浄したら・・・
スルーホールのエッジでパターンが切れていました。

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左からのラインがスルーホール直前で切断。
カッターの刃先で削ってみたら、ポロリとパターンが剥離してこんな隙間ができました。
電池の電解液じゃなさそうなんですが、単なる「水濡れ」でこんなことになるのかという体験でした。

さまざまな電子機器、電子回路の修理依頼について




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2019年8月 2日 (金)

今日の修理:ハンダ付けで醤油の香り

過去何度か修理しているモルテンのデジタイマー
これは「電源が入らない」という症状。
電源ユニットの手直しで解決できたんですが、試運転してみると右下7セグ表示のB、Cセグメントが他より暗くなっていたのです。

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この表示、3つのLEDが直列になって一つのセグメントを構成しています。
駆動回路の異常か?っと追いかけたんですが違いました。

表示基板側のケースを開けると・・・
何かの液体がこぼれたのでしょう、その乾いた痕跡が残っていました。

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これのせいでジャンパー線のハンダ部が腐食。
微妙な抵抗を持ってしまったため暗くなっていたのです。
片面基板です。

そして、ハンダ付けのやり直しということでこの部分にコテを当てたら・・・
醤油の良い香りがぁぁぁぁ。
この痕跡、醤油系の何か。
ジュースやらスポーツドリンクではありません。

候補に挙がったのは(仕事場の皆でワイワイと)
・おでんの出汁
・お弁当の醤油
・みたらし団子のタレ ←ちょいネバいか

電池の液漏れのように基板パターンは腐食していませんでした。
ジャンパー線の足が部品面側から侵入した液体でゴワゴワになってました。
そのせいで、ハンダ面側のハンダとの接触が悪くなっていたのです。
ジャンパーをやり直して解決。
電気的修理工数より清掃のほうに時間がかかりました。


さまざまな電子機器、電子回路の修理依頼について:(有)アクト電子


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