電池

2025年4月 2日 (水)

アイリスオーヤマ BIGCAPA単3 BCR-R3MH 950mAh

友人からニッ水電池がもう一種類やってきました。
ネットの買い物のポイントが溜まったんで、
「もらった=支払いなし」っと。

アイリスオーヤマの「BCR-R3MH」950mAh
Ir11

「日本製」っと白抜き文字が光ってます。
  「BIGCAPA Recharge」は商品名称なのでしょう。

Ir12

「約5000回くり返し使える」と。
  このときの測定条件は「JIS C8708:2013(7.5.1.3)」

Ir13

そして、「容量:min.950mAh」では
  「JIS C8708:2019(7.5.2.2)の充放電条件に基づく」っと。

「どっちやねん」っと言いたくなりますが、笑っておきましょう。

製作した充放電実験回路は3台。
現在、
 ・東芝インパルス 単3 TNH-3LE 950mAh
 ・FDKの長寿命電池「HR-AAULT」(1000mAh)
 ・「Pool」2150mAh
3種の充放電実験を続けてますんで、この3つのうち
どれかの寿命が来ないと、今回のアイリスオーヤマの
電池を試すことができません。
東芝とFDKもまだまだ行きそうです。
とりあえずそのまま保管しておきます。

※追記
パナのeneloop lite(BK-3LCD)
これが1050mAh、新JISで1500回をうたっています。
 スタンダードの新旧比が600回:2100回
 プロの新旧比が150回:500回
 と3.5倍、3.3倍なんで、liteだと
 1500回:5000回あたりになるでしょか。

このあたりの差は「72分で放電停止したらどうだ?」の実験で
現れてきます。
例えば、
パナソニックeneloopスタンダード単3「BK-3MCC」60%(72分)放電 2800回で終了
Amazonベーシック単3(2000mAh) 60%(72分)放電 1200回で終了
東芝インパルス TNH-3A(2400mAh) 60%(72分)放電で
エネループ・プロ(BK-3HCD:2500mAh) 60%放電での実験終了
これらの結果が参考になるでしょう。
60%放電で延命にはなりますが、実験装置だからできる管理で
実使用ではなかなかむつかしいです。

ちょっとだけ使って充電したら・・・充電器がスカタン
(満充電の検出をミスる)したら充電し過ぎになるかも
しれません。
電池電圧で管理できるリチウム・イオン電池と違って
ニッ水電池の充電処理、なかなか難しいです。
  製作した実験装置での-ΔV検出は、1.0Vへの放電後
  にしてるから、うまく検出できてます。
    偽の-ΔVなどという異常事態にも
    対処できました。
  これが、どんな放電状態からでも
  「満充電を検出せよ」となると、電圧の監視だけじゃ
  なく電池の温度上昇を見るとかを入れなければなりません。

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2025年3月31日 (月)

Better Power Battery社の単3ニッ水「Pool」2150mAh

友人が「こんなニッケル水素電池があったでぇ」っと
持ってきてくれました。

P11_20250331175901

製造元がBetter Power Battery社。
その単3型「Pool」。
容量は2150mAh。 (min.2050mAhという表記もあります)

Pl12
「Made in CHINA  Designed in JAPAN」
という記述が面白い。

初期の内部抵抗は2本とも20mΩ。
JIS C8708:2024による充放電実験を始めました。

Pl13

※初期データ
初回の0.2C放電(5時間率)から3回目の充電まで。
Pool01
残存パワーは初回放電の持続時間でわかります。
1.0Vまで227分で、定格300分の75%ほど。
電池側面に「202409」とマークしてあったので、
半年近くは経っていると。
充電も-ΔVを検出(-10mV電圧低下)しかけたけど
先に規定の132分を越えて充電を停止。
0.5Cでの放電も、122分~123分と定格を越えました。

いろんなニッ水電池の初回放電データはここ。
2022年2月8日:JIS C8708:2019実験でのニッ水電池、初回放電の様子

たいていのニッ水電池、最初はエエんです。
しかしサイクルが進んでくるとボロが出始めます。
さて、「Pool」はどうでしょか。

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2025年3月24日 (月)

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 600cycで終了

昨年12月18日にスタート した
武田コーポレーション VOLCANO NZ 単3 (1300mAh)
600cyc目の0.2C放電を終えました。
この放電時間が161分となり(定格だと300分)、
JISでの寿命判断が定格の6割、つまり180分なので
これでこの電池の充放電実験を終わります。

V2200

50cycごとの0.2C放電での電圧変化はこんな
グラフになりました。
Cap028_20250324090101
250cycを越えてから劣化が進んだようです。

Cap029_20250324091801
0.5Cでの充放電時間を見ると、200cycまでは
定格を維持していた様子が見えます。
充電時間も目一杯の132分を続けていました。
  ※通常は-ΔV検出(-10mV)で充電を停止。
   -ΔVを検出できないときは132で充電停止。

新しいJIS C8708:2024 で加わった寿命の判断、
  「0.5C放電のとき72分を切ったら寿命
という規格で見ると、315cycでアウトになって
いました。
実験終了後の内部抵抗は374mΩまで上がっていました。

2025年3月12日:VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 偽の-ΔVが出現
のように、充電開始直後の「偽の-ΔV」も見られましたし。


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2025年3月15日 (土)

ニッ水電池のJIS規格C8708が2019→2024に

トラ技編集部から
 「JIS C8708が2024に変わったようですよ」
っと、入電。
しかし、ネットで調べても
「令和6年8月20日に改正」という情報だけで、
「電池イジメ:充放電実験」に関係するであろう
内容がまだ出てきません。
  「本、売ってまっせ」という案内が出てくる
   けど、むちゃ高価。

こんな時、頼りになるのが図書館。
  大阪市立中央図書館が地下鉄で6駅目にあるんですよ。
  駅改札を出たら図書館の地下1階に。
さっそく訪問。
JISのハンドブックがあるはずなんだけど、技術関係の
書架を回っても見つけられず。
司書さんに聞いたら、別のところにまとまって置いてある
とのことで、百冊ばかりある中からC8708の探索開始。
  分野別の目次本が別にありました。
けど・・・C8708が出てこない。
目次にはあるけど、該当するハンドブックがどれか不明なんです。

再び司書さんに相談すると、2024年の改正がまだ2025年版の
本に入っていないのだろうというお話。
で、「ちょっと待っててくださいね。」となって、待つこと数分。
A4サイズのバインダを持ってこられて、
  「これですね。 (ニコっ)」っと
まさに新規格C8708:2024が綴じられていました。
  ※JIS規格の原本なのか

私が見たいのは
 「7.5.1.4 一次電池と寸法の互換性がある円筒型単電池」
この内容。
これに記されたサイクル耐久試験の試験条件が変わったのか
どうかが問題。
  ※C8708:2019では「乾電池と互換性がある円筒型単電池」
   となってて、2024では表記が変わっておりました。

充放電サイクルはこれまでと変わらず
  1~49サイクルは0.5Cで充放電。
    充電は-ΔV検出あるいは132分
    放電は1.0Vまで
  50サイクル目に0.1Cで16時間充電してから
  0.2Cで1.0Vまで放電。

C8708:2019での寿命判断は
  50サイクル目の0.2C放電の時間が3時間(定格の6割)を
  切ったらおしまい。
というふうに50サイクル目の放電時間で電池の容量減少を判断
していました。

C8708:2024ではこれに加えて
  1~49サイクルの0.5C放電の時間が72分(定格の6割)を
  切ってもおしまい。
という毎サイクルごとの判断が増えていました。

私が製作したニッ水電池の実験装置では、人が見て寿命を
判断してますんで今回の改正は影響なしということで、ひと安心。

※図書館のありがたさを再認識。
資料を的確に見つけてくださった司書のおねえさまにも感謝。
ひさしぶりに訪れた中央図書館、「ここに居てはヤバい」っと
そそくさと退散。
  本をずっと読んでてそうだったんで。

2019年6月24日:ニッ水電池のJIS規格「JIS C8708:2019(7.5.1.4)」が読める

電池あれこれ


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2025年3月12日 (水)

VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 偽の-ΔVが出現

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 400cyc目
これが3月3日。
401→800cycに向け充放電を継続しています。

この途中でアウトになりそうなので、充放電実験回路に
チャートレコーダーを取り付けて、電圧変化を記録して
います。

すると・・・
偽の-ΔV」が出現していることがわかりました。

Vol33
これが出だすとそろそろ寿命。
充放電時間も短くなっています。

「偽の-ΔV」の発生、なかなか気が付きません。
これが出ないで寿命になることもあるし。

2020年4月14日:ダイソーReVOLTE単3 JIS C8708:2019充放電試験(-ΔV検出有) 偽の-ΔV発生
2021年11月18日:パナソニックeneloopスタンダード単3「BK-3MCC」60%(72分)放電で偽の-ΔV出現

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2025年3月 3日 (月)

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 400cyc目

昨年12月18日にスタートした
 武田コーポレーション VOLCANO NZ 単3 (1300mAh)の
充放電実験。
400サイクルを終えました。
50サイクルごとの0.2C放電(260mA)のグラフです。
Cap014_20250303124101
1.0Vまでの放電時間、定格だと5時間=300分。
JISではその6割の3時間(180分)を切ったら寿命と
判断します。
200cyc越から微妙になっています。

400cyc後、電池の内部抵抗は321mΩまで上がっ
ていました。
続けて401~800サイクルの実験を始めましたが、
完遂できるかは微妙・・・

毎サイクルでの0.5C充放電(時間と充電停止電圧)のグラフを
出すと劣化の進み具合がよくわかります。

Cap001_20250303093601
200サイクルまでは定格容量を越えて放電できています。
250サイクルを過ぎたあたりから急速に劣化が
進みました。


※百均ニッ水電池のデータ
ダイソー「ReVOLTES」単3
ダイソー「LOOPER」単3

ReVOLTESは500サイクルで終了。
LOOPERは1200サイクルまで充放電を
続けました。

ダイソーReVOLTES単3のサイクルごとの充放電時間
がこんなグラフでした。
V517_20200512173401_20250303094301
100サイクルあたりまでは調子が良かったんですが、
急激に劣化しています。

LOOPERはもうちょっと頑張ってました。
Ll2_20250303094501

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2025年2月25日 (火)

東芝インパルス TNH-3LE 950mAh 充放電実験 2000cyc目

2024年10月7日:東芝インパルス TNH-3LE 950mAh 充放電実験
この続き。 2000cycを終えました。
スタートが2024年2月でしたので、ざっと1年。
Imp11

50サイクルごとの0.2C放電。
Cap042
定格だと5時間=300分の放電時間。
  (1.00Vに達するまでの時間)
JISではこれが60%の3時間=180分になったら
寿命と判断。

毎サイクルでの0.5C充放電のグラフを見ると
100~400cycの間で電池ホルダとの接触不良が
発生していたようです。
Cap041_20250225095101

400cycを終えたときの内部抵抗を計るため電池を
取り外したとき、IPAで清掃してから取り付け
たので、その時に回復したもよう。

2000cycを終えて、内部抵抗は65mΩまで
上昇しています。


パナソニック 充電式エボルタお手軽モデル BK-3LLB 1000mAh
これは2000サイクルでギブアップしています。

放置していた2014年製「eneloop lite」の充放電実験
これは4000cycで終了。


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2025年1月17日 (金)

FDKの長寿命電池「HR-AAULT」(1000mAh) 4000cyc目

この電池の充放電実験を始めたのが2022年9月24日
先ほど4000サイクルの充放電を終えました。
  (引き続き充放電を続けています)

・50サイクルごとの0.2C放電
Cap046_20250117144601
これが180分になったらJISでの寿命。
まだまだ大丈夫そう。

・0.5C充放電時間と充電停止電圧の変化
Cap047
内部抵抗は「15mΩ」とちょっと上昇。
  (寒いせいかもしれません)

3600サイクル目の様子
  トラ技に記事を紹介してます。


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2024年12月18日 (水)

武田コーポレーション VOLCANO NZ 単3 (1300mAh)

近鉄・布施駅の「セリア」へ寄った時に見つけた
ニッケル水素電池、VOLCANO NZ 単3(1300mAh)

V11_20241218102001

このニッ水電池、初めての出会いが
100円ショップ「セリア」の充電池 2007年02月12日
   (もう17年前)

その後、
・パナの充電器BQ-390で急速充電、
・自作の放電特性記録機能付きバッテリー放電器
 負荷抵抗1Ωで1.00Vまで放電。
この放電データの記録を続けました。

セリア充電池のその後2 2007年03月14日
セリアのVOLCANOニッ水その後 2007年07月05日
セリアのニッ水電池その後 2007年07月26日
セリアのニッ水電池その後 2007年11月14日
セリアのニッ水電池その後 2007年12月29日

しかし、100サイクル手前で急速充電できないように
なってしまったのです。

そして、極めつけが
2008年07月03日:セリアのニッ水電池 解体 …発火!
解体したら、空気中に出た水素吸蔵合金、
そこから出た水素に火が付いたという
現象に遭遇したのです。
まさに「VOLCANO」になってしまいました。

今回は、2020年4月10日:JIS C8708:2019対応ニッケル水素電池充放電実験回路(回路図とプログラム)
を使って試してみます。
まずは、初回放電から1~3回目の放電まで。
Cap006_20241218102001
放電前の内部抵抗は25mΩでした。
さて、新JISでの結果は如何に!

※参
JIS C8708:2019実験でのニッ水電池、初回放電の様子

※百均電池 旧JISでの充放電
2014年10月01日:ダイソーReVOLTES単3のJIS C8708 サイクル試験

※百均電池 新JISでの充放電
2020年5月6日:ダイソーReVOLTES単3 JIS C8708:2019充放電試験(-ΔV検出有) 500サイクル目で終わります
2022年8月16日:ダイソーの単3ニッ水充電池「LOOPER」(1000mAh) 充放電実験 1200サイクルで終わります



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2024年12月17日 (火)

武田コーポレーション enecon SLD3-2P (600mAh) 2000cycで終了

武田コーポレーション enecon SLD3-2P (600mAh) 1200cyc目
これが2024年9月5日。
先ほど2000cycの充放電を終了しました。
0.2C(5時間率)放電での放電時間が180分
(300分の60%)を切ったので、テストを
終了します。

50サイクルごとに行う0.2C放電のグラフ。
Tk2000

そして、充放電時間と充電完了電圧のグラフ。
Cap005_20241217110901
こちらのほうが劣化の進行がよく分かるかと。
  ※内部抵抗の増大が充電停止電圧の
   上昇につながります。
実験終了時、内部抵抗は524mΩまで上がっていました。

1200サイクル目 に近づいたとき、充電時の
「-ΔV検出」をミスったので、1600サイクル目の
休止時に-ΔVの値を-10mVから-5mVに変えました。
その後は大丈夫でした。
  ※1200~1600cycの間で、充電停止失敗
   (maxの132分まで充電)がいくつか見え
   ています。

この電池の実験開始の記事がこれ。
武田コーポレーション enecon SLD3-2P (600mAh)
2024年1月2日でした。
2000サイクルまでほぼ1年・・・長かった


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