2025年10月24日 (金)

『天を掃け』

いつものように図書館で。
 天を掃け 黒川 裕子 著,中村 ユミ 画
Tenw11

天文を絡めた青春群像もの。
 なかなか爽やか。

表紙には彗星(流星)らしきものが描かれていますが、
主人公達が探すのは「小惑星」。
裏表紙にはその機材の一部が描かれています。

※関連かも
「オオルリ流星群」、「ミッキー7」

| | コメント (0)

2025年9月 2日 (火)

『暗号攻防史』

kitamuramasaさんからのおすすめ『暗号攻防史』
が図書館からやってきました。
An31

なんといっても「エニグマ」の話が面白い。

で、この本での知見・・・
 ・海軍用エニグマ(Uボートとの通信用)が1942年2月、
  暗号生成用ロータが1つ追加されて3ロータから
  4ロータになった。
 ・このせいで解読ができなくなってしまった。

エニグマ解説本に出てくるエピソードです。
どんな細工をして3→4にしたのかがこの本に
記されていました。
 ・端っこにある反転ドラムの厚みを薄く。
 ・隣のロータとの間に隙間ができる。
 ・そこに4つ目のロータを挿入。
 ・どうやら、追加した4つ目のは自動回転しない。
    初期設定するために回転はできる。
    可変プラグボード的役割。
  で、ロータの駆動メカ構造は3ロータのと
  変わらない
 ・こうすると、全部が4ロータ機に入れ替わるまで
  先に4ロータになった機械は4ロータ目を
  全ピンストレート接続のロータにしておけば、
  3ロータと同じ扱い。
  そして、4ロータ機が行き渡ったある日突然、
  4ロータ目を複雑配線されたのに入れ替えて、
  ロータの初期位置設定を4つにすれば・・・
  解読側は大混乱。

エニグマの最大の欠点が、暗号生成と翻訳を
お手軽に同じ機械でできるようにと入れた機構:
反転ドラムのせいで、
  打った文字と同じ字は出力に出てこない
どうやらこれ。
この本でも「反転ドラムの呪い」という項があります。


エニグマ解読に関する歴史、このページが面白い
※参考ページ
不思議net:彡(゚)(゚)「エニグマ解読……?」


| | コメント (0)

2025年8月28日 (木)

暗号『エニグマ・コードを解読せよ』『米海軍から見た太平洋戦争情報戦』

またまた暗号関連本を図書館から。
 ・エニグマ・コードを解読せよ
En31
サブタイトルが「新証言にみる天才たちのドラマ」

出版が2009年と少し古いですが、面白い。
当時を知る人々が少なくなっている中での記録です。
暗号解読の実作業中も戦争が終わってからも
「人に言っちゃダメ」だったんですから、記録を
掘り起こすのは大変です。

もう一冊。
  ・米海軍から見た太平洋戦争情報戦
En32

こちらは「ハワイ無線暗号解読機関長と太平洋艦隊情報参謀の活躍」
2016年の本。興味深いです。
表紙写真の左上の人物が「ミッドウェーは水不足」を打電させて
日本の暗号「AF」はどこだ?をつかんだ人です。

| | コメント (3)

2025年8月21日 (木)

『コード・ガールズ』『暗号の天才』

暗号に関し、過去にはこんな本。
2008年02月01日:「エニグマ・コード 史上最大の暗号戦」
2009年07月27日:『暗号解読』『暗号戦争』

先日、図書館で借りてきたのが
『コード・ガールズ』と『暗号の天才』
Aa10
Aa11_20250821093601

暗号が解読されてりゃ、そりゃ、日本、負けます。

商船、輸送船の航路が解読されてアメリカ潜水艦が待ち伏せ。
悲惨です。

| | コメント (2)

2025年8月 6日 (水)

テスラさんとエジソンさん、さらにウエスチングハウスさん

このお三方が絡む本といえば、まず。
  ・「処刑電流」  (2012年9月の旧ブログ記事)

そして今回、図書館で借りてきたのがこれ。
  ・訴訟王エジソンの標的

T13_20250806134001
2019年6月発売の本。
テスラさんはちょい脇役。
作者さんは、
  ・イミテーション・ゲーム(アラン・チューリングさんの話)
の人。

テスラさんの生まれからの解説はこの2冊。
  ・テスラ闇の科学者
T11_20250806134401

これと、児童書の
  ・ニコラ・テスラものがたり
T12_20250806134401
サブタイトルが「”電気の魔術師”とよばれた男」

さらに関連するのが、児童書のエジソンさん。
  ・エジソンと電灯
T14_20250806134501

この本ではエジソンさんは好意的に描かれてます。
少年の頃のエジソンさん、鉄道の電信オペレータとして
働いていたことが知られてますが、この本のp22には
 「一流の技師に成長していたトーマスは、
  一分間に45語を打つことができた。」っと。
45語/分のモールス、通常、欧文では1語5文字の計算。
ということは225文字/分の驚異的速度になります。
  「打つ」となってますんで、「受けられる」とは
  限らない。

しかし、エジソンさん、描かれているように、ほんと
性根悪な人だったんでしょか?
テスラさんとウエスチングハウスさんには「がんばれ~」っと
声援を送れるんですが、エジソンさんは「もうやめとき」っと
言いたくなります。

※テスラさん関連本追加

  ・知られざる天才ニコラ・テスラ
サブタイトルが「エジソンが恐れた発明家」
Tt51

同じ著者さんで
  ・天才の発想力
Tt52

「エジソンとテスラ、発明の神に学ぶ」


| | コメント (0)

2025年4月26日 (土)

CQ ham radio 5月号に「14年ぶりに改正されたJIS規格」の記事

本屋のある都会(環状線の内側だぁ)に出かけたので
ひさしぶりにCQ ham radio誌を買いました。
  布施に行けばヒバリヤ書店があるんですが、
  ご近所の本屋さんがどんどん廃業してしまい
  本を手に取って買うということがなくなりました。

というのは、「14年ぶりに改正されたJIS規格」ということで
JIS C0617(電気用図記号)の改正とその概要』という
記事が出ているぞっというのをネットで見たからです。
最後にCQ誌を買ったのはいつだろう。
ほんとにひさしぶり。
  奇しくもこの4月がJH3DBOの再免許(5年ごと)。
  1970年開局で55年目です。
C21_20250426105201
C22_20250426105201
C23_20250426105201

「電気用図記号のJIS規格制定の歴史」という章が興味
深かったです。

しかし・・・こんな解説も。
  IEC60617やJIS C0617の制定が検討
  された
およそ30年前、回路図の機械作図は、
  プロッターにセットしたペン描画で行わ
  れていました。
  ギザギザの抵抗器の図記号は、ペンを動か
  すストロークを減らして描画時間を短縮
  するために矩形にしたといわれています。
  半導体ダイオードは、矢頭をペンで塗り
  つぶす時間を節約するために現在の図形
  になったといわれています。
  またコイルも、クルクルの代わりに半円
  の繰り返しになりました。

ちょっと待てぃ!!!
 おいおい!
  これが現JISの図になった発端だとすれば、
  「どアホっ」の技術史です。

昔々、方眼紙にシャーペン、ドラフタにテンプレートを
使って描いていた手書きの回路図でも、ダイオードや
トランジスタの矢印を塗りつぶすのは、面倒でもなん
でもありませんでしたぜ。
機械化(スピードアップ?!)のために分かりにくくした
なんて、アホです。

トラ技が昔の回路記号を使い続けているのは
ありがたいことです。

※関連
2021年12月27日:JIS、IECの論理回路記号
2022年9月6日:んっ? ボリュームの記号が!
2015年09月28日:「子供の科学」の回路図記号
2015年09月30日:「電子工作」のキホン
2016年04月08日:パワーMOSFETの回路記号:MOSFETの矢印
2015年09月11日:1982年の手書き回路図

| | コメント (0)

2025年4月25日 (金)

インターフェース誌の発売日(25日)で思い出す

25日といえばCQ出版インターフェースの発売日。

昔は、トラ技もインターフェースも、本屋さんで、
毎号取り置きしてもらっていました。
その本屋さんは、近鉄今里駅前商店街の「天狗書房」 さん。
   (今はもう無い)

20年前の4月25日。
昼休み、毎月のルーチンワークでインターフェースを
引き取りにこの本屋さんへ寄ったら、お店のおばちゃんが
映していたテレビを指さして
 「尼崎でエラいこっちゃで
と。
しばらくの間、お店でテレビに釘付けだったことを
思い出します。

ブラウン管のアナログテレビでした。

| | コメント (0)

2025年4月 9日 (水)

宮内 悠介 著『ラウリ・クースクを探して』

宮内 悠介さんの「ペイル・ブルー・ドット」に続いて、図書館で
借りてきたのが『ラウリ・クースクを探して』

Ra1

人捜しのロードムービー本かと思いきや・・・
主役は「MSX」! (中味は、そうZ80)

ソ連に持ち込まれたMSX(ココム規制で高性能マイコンが
持ち込めなかった)であるYAMAHA KUVT(Ямаха КУВТ)
が主役(・・・もちろん人が主役なんですが)。
MSXにこんな話があるなんて知りませんでした。

この他の小物が「水晶」。
それも発振子としての水晶
こんな会話が。
  「もっとも、いまは水晶発振器もMEMS
   置き換わりつつあるがな」
  「水晶がなくなっていくのか。それは寂しいな」

そして、Z80がらみでは、
  КУВТは乗算ができず、やろうとしても時間がかかる。
  これがプログラマたちの頭痛の種で、皆、それぞれに工夫した
  自前の乗算ルーチンを持っていた。
  ラウリが実装したのは「本当に速い」乗算であった。
  簡単に言うと、
     ab = ((a+b)^2 - (a-b)^2)/4
  であること利用し、あらかじめ二乗の計算結果を持っておく。
  この計算結果のテーブルが、1キロバイトほど。
  このように小さなテーブルを持つだけで、高速な乗算ができる
  というわけだ。

8bit×8bitの乗算をテーブルでとは知りませんでした。
(a+b)あるいは(a-b)ですんで、16bitで出てくる乗算の答えの
テーブル数は255+255の510ワード。
ほんとに「1キロバイトほど」です。

「z80 高速乗算」で検索 するとあれこれ出てきます。


※宮内 悠介さんは、「トランジスタ技術の圧縮」の人!


MSXでの製作物(おもちゃ)で残っているのは「大声コンテスト」。
MSXのROMを抜き去って、アセンブラで書いたプログラムを
ほうりこんでます。

ADC部はこんな回路。
  1999年と日付が入ってます。
Msx_koe
せっかくですんでソースファイルも。
   ・ダウンロード - koe2.zip

アセンブラも入れてますんで、コマンドプロンプトから
アセンブル操作ができるかと。

この中で使っている乗除算ルーチンは、普通にシフトで。

まだ現物が動いてます。
年に一度、小学校での「夏のつどい」で。
どっかに写真があったはず。

待機時、小学校の校歌がメロディーとして流れるのですが
中川小学校→大池小学校となって、校歌が変わってし
まいました。


| | コメント (0)

2025年3月29日 (土)

「ペイル・ブルー・ドット」が読める「暗号の子」

トランジスタ技術創刊60周年記念特別企画
  2024年12月号の別冊付録
宮内 悠介 著「ペイル・ブルー・ドット
が2024年12月刊行の「暗号の子」に載っていました。
Pd1

  宮内 悠介さんは、「トランジスタ技術の圧縮」 の人。

「ペイル・ブルー・ドット」の中にはこんな描写が。
主人公が関わる少年。その父親のお話し。

   :
 ちなみに、この父の部屋には『トランジスタ技術』誌が
圧縮された状態で書架に並んでいたそうで、要は、そういう
趣味の持ち主だったらしい。
この使われていなかったArduinoが、父の手から陽太に渡った。
   :
「あ。でもハンダづけはお父さんに頼んだ」


エエお話しなんです。 機会があればどうぞ。

トランジスタ技術の圧縮:2015年の12冊

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「暗号の子」あとがきより

◇ペール・ブルー・ドット

2022年の3月、『トランジスタ技術』誌の編集部より
呼び出しがあった。恐れていたことが起きたと思った。
というのもぼくはかつて、「トランジスタ技術の圧縮」という
同誌を扱った短編を許可もなく発表していたからだ。
が、編集部は寛容で、実際に求められていたのは700号記念の
続編であった。
  :
今度は宇宙をやりたいと、宇宙ものの執筆を依頼いただいた。
掲載は同誌の2024年12月号。
  :
というわけで、『トランジスタ技術』にしか掲載されえない、
そういう本来ならありえないような小説を目指してみること
にした。
そうするとマニアにしか理解できない代物になりそうなものだが
(実際、なんの説明もなくマイコンボードの名前とかが出てき
たりする)、どういうわけか、本書のなかでもおそらく一番
読みやすい、しかも爽やかさを残す話となった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



| | コメント (0)

2025年3月 4日 (火)

「女ことばってなんなのかしら?」から「ローエルさん」つながり

いつものように図書館で。
東成図書館の図書展示:【リスキリング! 生涯学習の本】に
あった本。

・「女ことばってなんなのかしら?
  平野 卿子 著
O01
この本の中にどういうわけか天文学者として名を知っている
パーシバル・ローエル」さんが登場。
そう「火星に運河がある」で有名な、ローウェル天文台を作った人。
ローエルさん、日本通で、5回も日本に来ていたと。
その時に得た知識で
 『日本語の助詞「は」は「~については」という意味だ』と
の解説。
それがこの本の中に出ていたのです。
天文学とは関係なく、外国人から見た日本語の話として。


・「悪態の科学:あなたはなぜ口にしてしまうのか
   エマ・バーン 著  黒木 章人 訳
O02

罵倒語があれこれ出てきます。
  恥ずかしくて文字にできない日本語のも。
男女で異なる罵倒語の考察も面白い。


ここからがローエルさん関係で借りてきた本。

パーシヴァル・ローエル:ボストン・ブラーミンの文化と科学
  デイヴィッド・シュトラウス著
  訳:大西直樹 他
O03
ローエルさんの人生と業績を圧縮。
   ほとんど文字だけの本。
火星、冥王星の話も出てきます。


・「火星の旅人
サブタイトルが「パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史」
 入江哲朗 著
O04
この本の凡例解説で「ローエル」という表記についての
注意がなされています。
 「Lowell」の日本語表記は「ローウェル」「ローエル」
 「ロウエル」がある。本書は「ローエル」とした。
   :
 「Lowell」には「ウェ」という音が生じる余地はないため
 「ローウェル」は言語の発音からかなり離れている。
と。

ローエルさん本人や天文台を検索するときは
「ローエル」「ローウェル」、
そして、姓も「パーシバル」「パーシヴァル」とすべきか
なかなかややこしいです。

ローエルさんが出たら次はトンボーさん(冥王星の発見者)
やでっと探したのですが、子供向けの本しか見つかっていません。


※関連
2012年08月24日:『冥王星を殺したのは私です』


| | コメント (0)

より以前の記事一覧