電子回路工作

2024年10月 5日 (土)

DDS方式の2相パルス発生回路、周波数スキャン機能を付ける

あれこれ悩みながらこしらえてきたDDS方式の2パルス発生回路
ざっと完成形に持ち込めました。
割り込み処理の時間はギリギリで動いていますが、
メインループはヒマ
ということで、周波数スキャン(sweep)機能を付加しました。
設定するのは、
  Lo側周波数 1~9999Hz   f1
  Hi側周波数 1~9999Hz   f2
  Rise時間  0.0~600.0秒  t1
  Fall時間  0.0~600.0秒  t2
  Hi待ち時間 0.0~600.0秒  w1
  Lo待ち時間 0.0~600.0秒  w2

スイープは
 (1) f1周波数で2相パルス出力
 (2) t1時間をかけてf2までパルス周波数を上昇
 (3) f2周波数をw1時間保持
 (4) f2周波数からf1まで周波数を下降
 (5) f1周波数をw2時間保持
 (6) (1)に戻る
を繰り返します。

「100Hz~400Hz」をスイープすると、こんな波形が出てきます。

Bb002_20241005115101
   変化点を拡大
Bb000_20241005115101

一番下の波形は「F-Vコンバータ」 で見た、
A相パルスの周波数変化。

まだ「main loopはヒマ」だからと、LOG SWEEPの処理も
書き加えてみました。
A相周波数がこんな具合に変化します。
Bb001_20241005115401

Arduino UNO R3のATmega328P(16MHzクロック)、
8bitマイコンなのに、意外と浮動小数点処理を頑張って
くれます。
10msごとに経過時間から周波数を計算しています。

※関連
2024年9月24日:秋月のI2C接続液晶 AQM1602XAを基板に直付け
2024年9月27日:1クロックでも速くしたい DDS方式の2相パルス発生器
2024年9月30日:1クロックでも速くしたい 割込を「ISR_NAKED」で

※回路図
Cw_ccw2

元のでは無しにしていたSW4にsweepの操作を割り当てています。


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2024年9月 8日 (日)

トラ技2024年10月号に「加熱完了報知回路」

トランジスタ技術2024年10月号の「トラ技Jr.コーナ」に、
我がガレージで愛用しています「加熱完了報知回路」が
  揚げもの上手!
  愛用フライヤに外付け「加熱お知らせブザー」
  AC100 Vの電流変化を検出してブザーでお知らせ
  する回路の製作
として掲載されています。
あえてマイコンを使わずに製作しました。

こんな様子です。
Kk1_20240908162301
Kk2
単4電池2本で動作。
CMOS ICなんで、スタンバイ時の電流は
(ほぼ)ゼロ。
電源スイッチは無しで。
Kk3_20240908162401
通電の検出はカレントトランス。
フライヤが所定の温度になって、サーモスタットが切れた
のを検出してブザーを鳴らします。

そして・・・
  「電源/モータ編」 の
   第15章 ステッピング・モータをお手軽駆動 ULN2003A
Tt10
これは、
 ・2023年4月26日:出窓:鯉のぼりを振れたらというリクエスト
 ・2023年5月4日:出窓:鯉のぼりを振る
が元になっています。

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2024年9月 4日 (水)

穴を残しておきたいのでハンダしたくない

とあるプリント基板。
電線を直出しする「穴が」あります。
Hh11_20240904173901

部品を実装して基板を組み立てた後、テストする時、
「穴」をそのままにしておきたいので、ハンダ付けした
くありません。

コンタクト・プローブ を使うしかないか』
   (いわゆるピン治具)
『作るの面倒』と思っていたら、同僚が
「こんなんあるでぇ」っと、秘密兵器ぽいのを
出してきてくれました。
Hh12

「エエ感じにはさめるやん」っと試したのですが、
「あかん。 接触抵抗が大きいし安定せぇへん」
っとなりました。
Hh13
1Ωを越える抵抗が出てしまいます。
  H1・H2間につながる抵抗が問題にな
  る回路なんです。

プローブのピンをもっとちゃんとしたのに換える
という方法もあるんですが、
「部品箱にあるもんでなんかないかなぁ」っと
探しましたら、ミヤマのICクリップ MJ-032 を発掘。

これを使えば、基板端に引っかけてうまいこと固定
できることが分かりました。

Hh14

とりあえずこれを試験に使ってみます。

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2024年7月 2日 (火)

ひさしぶりのバージョンアップ:チャートレコーダ

プリンタシールドでチャートレコーダ、このとっ
かかりが2014年1月
  ※これがしたかった を実現したのです。
そして、トランジスタ技術に載せてもらったのが
  ・2014年6月号のハンディ・チャート・レコーダ

Pp4

その後、このブログ記事にもあれこれ登場していまして
オシロやテスターなみに重要なツールになっています。
入力電圧レンジを合わせ、紙送り速度を決めたら勝手に
記録してくれるお手軽さ。
停電しても、電源が復旧したら記録を続行という安心感。

で、かれこれ10年になるわけですが、ちょっとだけ
機能をアップしました。
これが旧回路。
Nada_prn2b
そして新回路。
Nada_prn3

・ロータリDipSWで紙送り速度を設定していたのを
 Fast、Slow SWで設定。
   設定はEEPROMに記録

・10段階の紙送り速度設定だったのを13段階に。

・2つのイベント・マーカー入力を追加。

手直しの主目的がこのイベント・マーカー機能。
2chのアナログ波形とともに、デジタル入力の
on/offをチャートの上部に記録したいという
わけです。
このように記録。
Pxx2


外部に置いたセンサーからのon/off信号。
その状態でアナログ値がどう変化するのかを
同時に観察したかったのです。

スケッチをアップしておきます。
  ※「.ino」ではなく「.txt」にしています。
    ダウンロード - prnsld03.txt

 

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2024年6月11日 (火)

磁石にくっつく電線

X(Twitter)へのラジオペンチ(@radiopench1)さんの書込み
  ・https://x.com/radiopench1/status/1800049049447616881
  『AliExで買った安物のジャンパーワイヤーの
   ピンが磁石に付いたので』
を見て、
  「こないだアマゾンで買ったモジュールに
   ジャンパ線がおまけで付いてあったなぁ」
っと、引っ張り出してきました。

まとまったケーブルに磁石を近づけると・・・
ピン部分だけじゃなくケーブルごと磁石に
くっついて、ぶら下げられました。
Cm10

せっかくですので、この電線もどきにどのくらいの
「抵抗」があるのかを調べてみました。

Cm11

使ったのは「1A定電流電源回路」。
  ・トランジスタ技術2023年1月号
に掲載してもらってます。
  『電源の短絡場所を見つける!基板ショート・チェッカの製作
   汎用タイマIC「LMC555」を使った1A定電流電源回路』

過去、これを使って低抵抗をあれこれ計ったこと
があります、その延長です。

1A定電流回路 「足」を測ってみる
1A定電流回路 「バナナ」を測ってみる
USB-Aコネクタの接触抵抗

比較するのはちゃんとしたフラットケーブルの電線。
1.27mmピッチ、AWG28のケーブルを裂いて1本抜い
てきました。
Cm12

両方とも芯線は7本。
で、オマケのワイヤ(左)は銅色
AWG28のほうはスズメッキ線が使われているので銀色

両方とも同じ長さ(30cm弱)にして、両端から1Aの
電流を流し、その内側で電圧を計ります。
  (四端子法での測定)
ところが・・・オマケ電線には1Aが流れません。
電流計を間に入れて計ったら0.48A。
その状態で電圧が205mVとなりました。
ということは「430mΩ」。

AWG28のほうはちゃんと1A流れて56mV。
「56mΩ」と計算できます。

AWG28電線の特性を見ると、1kmで約200Ω。
1mだと200mΩ。 ということは30cmだと60mΩ。
ざっと合っています。

オマケ電線はAWG28電線の8倍近くの抵抗を持って
いるということになりました。

こりゃ、つなぎをスカタンしたとき、回路の
「保護抵抗」になるかもしれません。

※参考
 ・銅覆鋼線  (どうふく こうせん:Copper Covered Steel)

※追記 (6月15日)
コネクタ部を含めて抵抗を計ってみました。
オマケ電線、片方がオス。もう片端にはメスが付いています。
両端のコネクタに短く切った別のオマケ電線を挿して、
外から1Aを流し、その内側の電圧を計ります。
Cc41
「655mV」と出たので「0.655Ω」。

プラス側の電線のコネクタに近いところを剥いて
金属を露出させて、電圧を計るとコネクタ部での
ドロップが読めます。
Cc42
「61mV」とドロップ電圧。
ですので接触抵抗+電線抵抗が「61mΩ」。

熱による変動が気になるところですが、
追いかけてもしかたないので、ここまで。

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2024年6月 2日 (日)

AVRマイコンAT90S1200を使ったデジタル時計

今もガレージで使っているデジタル時計。
おもちゃ病院仲間でちょい話題になったので、発掘。

初期のAVRマイコンAT90S1200を使ったデジタル時計のお話。 
まずは回路図。 (クリックで拡大↓)
Tokei1_20240602202201

箱(フロッピーのケース)の中を見られて、
  「基板に載っているコイルは何?」
ということでしたが、5Vから7Vへの昇圧DC-DCコンバータ。
そのコイルです。
大型の7seg LED、発光素子が3直になっているので
5Vでは光りません。
そこで、昇圧してLEDを駆動しているのです。

時計を作ろうとすると、クロックの精度を考えて
おかなくちゃなりません。
停電時の処理も含めて、悩みどころです。

制御プログラムや解説などあれこれはVectorにアップしてます。
 ・https://www.vector.co.jp/download/file/dos/hardware/fh271845.html

この時計っす。 2001年10月の製作物。
 ・2019年8月21日:7seg LEDの輝度低下
 ・2022年12月20日:ガレージのLED表示デジタル時計がダウン

※デジタル時計の記事
2008年03月21日:中之島「中央公会堂」のデジタル時計
2008年08月21日:故障するときは重なるの?
2008年08月22日:7seg LED目覚まし時計復活
2011年11月26日:売切り品大特価!赤色16セグLED
2012年08月02日:16セグメントLEDを使った時計
2012年08月03日:16セグメントLEDを使った時計:回路図
2012年08月10日:出窓:16セグLED時計デビュー

※こんな回路も発掘
48clk
資料はここ
https://www.vector.co.jp/download/file/dos/hardware/fh022883.html

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2024年5月30日 (木)

非反転アンプ 3kΩと27kΩの抵抗

何に使うかは装置が返ってきてから説明しますが、
「ちょいと可変ゲインの交流アンプが欲しい」案件
が出てきまして、回路をでっち上げました。
  ※入力信号は電源周波数

可変ゲインといっても、ボリュームを回して合わし
込むのじゃなく、固定ゲインのジャンパを切り替え
るという仕掛けにしました。

とりあえず、「x5 x10 x20 x50 x100」5段。
  ※ゲインを欲張っても、ノイズ対策に
   シールドやフィルタがほしくなるだろし、
   お手軽に100倍までで。
非反転アンプを単電源で動かします。
こんな回路が基本です。
X1_20240530120001
R1の値を固定してゲインを変えるとなると、R2を
(ゲイン - 1)倍の抵抗にしなくてなりません。
  ※反転アンプだとゲイン倍の抵抗

その時の選択基準は、
 ・E12系列の抵抗で
   E24はやむを得ないとき
 ・抵抗の合成、2本は許容できる
てなところでしょうか。

例えば、10倍のゲインを得ようとすると、
抵抗比は9倍。
9倍になる抵抗の組み合わせは
  2kΩ:18kΩ
  3kΩ:27kΩ
この二つ。
  ※3kはE12じゃなくE24の仲間だけど
   切りが良いので常用。
ここで、2kと3kを比べると3kのほうが使い勝手
が良いのです。
今回の5段ゲイン切り替えだと、こんな具合に
なります。
X2_20240530120101
9倍だけでなく、抵抗の直列合成でも「27kΩ」の
抵抗が出てきます。
  57kだと47k+10kや56k+1k。
  147kだと100k+47k。
  なども使えますが・・・
  同じ値のを使う方がなにかと便利。
今回の回路、ゲイン切り替えジャンパ部はこんな
様子です。
X3_20240530120201
※参考
正確な抵抗比が必要な時に便利な、E24の数値の相対比率表:ラジオペンチ
   3k:27kが出てきます。
E24系列の直列/並列抵抗値一覧表
   ↑これも便利

※ボヤキ
 E12、E24系列の値、ちょいと目をつぶって
   2.4 → 2.5
   3.9 → 4.0
   5.1 → 5.0
   9.1 → 9.0
 と切りの良い値にしてもらっていたらなぁっと。

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2024年5月17日 (金)

ハンダゴテのコテ先温度を上げたい 予備実験:電力変化

2つのハンダゴテについて、電源オン時の
電力変化を見てみました。
  冷えているとヒータの抵抗が小さくて
  電流がたくさん流れる。

使ったツールは、記録用が
 ・ナダ電子のプリンターシールドを使ったチャートレコーダ
そして、電力測定に、
 ・お手軽電力計

ハンダゴテは、
 ・HAKKO DASH FX-650 (15W)と
 ・HAKKO PRESTO No.984 (20/130W)の2つ。

グラフはX軸が1分/1cm。
Y軸が5W/div。
  フルスケール10divで50Wになりますが、
  電力計の出力が8div(40W)で飽和します。

まずDASH。
H12_20240517122301

5分ほど経過で15Wちょい手前で安定。
通電開始直後は25Wを越えています。

次にPRESTO。
H11_20240517122501

5分ほど経過で20Wちょいで安定。
  電力計のアナログ出力が0~4Vで、
  40Wを越えると4V=40Wに張り付いて
  しまうので40W以上は記録不能。
  60Wを越えても測定はできるので、
  液晶表示には出てきます。

HAKKO DASHを熱くしたいプロジェクト、
最大30Wほどの電力を見ておかなくては
なりません。

※トランス、トランス・・・と見渡しても
なかなかエエのんが見つかりません。
  あれこれ埋もれた仕事場、もっと探せば
  出てくるはずなんですが
とりあえず見つけたのはトランス仕様のACアダプタ。
DC出力で13V・1.7A。
内部ヒューズが飛んでいた(同僚が無理して使って飛ばした)の
を置いてあったので、殻割り
整流部などを取り外し、一次側の片側と二次側の片側を
接続。
AC113Vが出てきました。
  (ハンダゴテを負荷にした状態で)

その様子。
H14_20240517152401
チャートレコーダーとお手軽電力計をつないで
電力のアップを確認。
100Vだと15W弱の13.9Wだったのが
15W強の16.5Wになりました。
H13_20240517152501
コテ先温度計れる熱電対を持っていないので、
温度がどのくらい上がったのかまでは見られません。
  コテ先温度計、なんとかしたいなぁ。

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2024年5月16日 (木)

ハンダゴテのコテ先温度を上げたい

昨年11月にやってきた新ハンダゴテ HAKKOダッシュ(15W)
軽くて握りごこちは良いのですが、ちょいとパワー不足
ハンダ付け面積が大きいと、加熱が負けてしまって
スムーズに作業が進まないのです。

かといってターボスイッチ付のPRESTO これを引っ張り出し
てくるのもめんどうだし。
  ※コレの場合、20Wの常用使用でも温度が
   上がりすぎる感じ。

温調付のコテ、FX-600 常用するにはちょい太くて、
あんまし好きじゃありません。

HAKKOダッシュ、もうわずかだけ温度が上がれば
良いんですが。
  15W→18Wくらい
  20Wに上げて温調で下げる

温度を下げるのは簡単(製作してある)ですが、
外部からのチカラで温度を上げるには電圧の増大
しか考えつきません。
100V:110Vや100V:120Vのトランスでというのも
芸が無いし、大きくなるし・・・
  ※電圧高めにしてコテ温調回路で
   パワーを下げる。

これで!っという手法(回路)、何かないでしょか。

2023年11月 7日:新ハンダゴテ、HAKKOダッシュがやってきた
2023年11月 8日:HAKKOダッシュがやってきた:コテ先の様子
2023年11月13日:HAKKOダッシュがやってきた:細いコテ先も来たけれど


AC100Vを整流。DC140Vができる。
60Hzのままだとトランスが大。
TL494あたりでスイッチング制御。
出力はDCか。
電圧調整できるよう。
絶縁しなくて良いんだけど。
トランスを作るのがめんどう。

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2024年5月 7日 (火)

「FRISK neo」の缶

息子が、
 「おとん。FRISKの缶、いるか?」っと。
Fr11

「FRISK neo」、片端をパカッと開けるタイプの缶です。

Fr12

私:
 『せやな~。 
  周囲が金属やから、回路を組んだらショート
  するかもしれんよって、なかなかむつかしい。』
 『ダイソーの糸ようじみたいにプラやったら
  ショートの心配はあらへんねんけど。』
 『電池も入れにくいし。』
 『まぁ、それでも、もうとくは。おおきにな。』
っと、とりあえず手元に。
中に入れ込む秘密兵器をなにか考えなくちゃいけません。

  ・フリスク 電子工作で検索すると、樹脂容器のは
   あれこれ出てきます。

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