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2025年3月

2025年3月31日 (月)

Better Power Battery社の単3ニッ水「Pool」2150mAh

友人が「こんなニッケル水素電池があったでぇ」っと
持ってきてくれました。

P11_20250331175901

製造元がBetter Power Battery社。
その単3型「Pool」。
容量は2150mAh。 (min.2050mAhという表記もあります)

Pl12
「Made in CHINA  Designed in JAPAN」
という記述が面白い。

初期の内部抵抗は2本とも20mΩ。
JIS C8708:2024による充放電実験を始めました。

Pl13

※初期データ
初回の0.2C放電(5時間率)から3回目の充電まで。
Pool01
残存パワーは初回放電の持続時間でわかります。
1.0Vまで227分で、定格300分の75%ほど。
電池側面に「202409」とマークしてあったので、
半年近くは経っていると。
充電も-ΔVを検出(-10mV電圧低下)しかけたけど
先に規定の132分を越えて充電を停止。
0.5Cでの放電も、122分~123分と定格を越えました。

いろんなニッ水電池の初回放電データはここ。
2022年2月8日:JIS C8708:2019実験でのニッ水電池、初回放電の様子

たいていのニッ水電池、最初はエエんです。
しかしサイクルが進んでくるとボロが出始めます。
さて、「Pool」はどうでしょか。

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2025年3月29日 (土)

「ペイル・ブルー・ドット」が読める「暗号の子」

トランジスタ技術創刊60周年記念特別企画
  2024年12月号の別冊付録
宮内 悠介 著「ペイル・ブルー・ドット
が2024年12月刊行の「暗号の子」に載っていました。
Pd1

  宮内 悠介さんは、「トランジスタ技術の圧縮」 の人。

「ペイル・ブルー・ドット」の中にはこんな描写が。
主人公が関わる少年。その父親のお話し。

   :
 ちなみに、この父の部屋には『トランジスタ技術』誌が
圧縮された状態で書架に並んでいたそうで、要は、そういう
趣味の持ち主だったらしい。
この使われていなかったArduinoが、父の手から陽太に渡った。
   :
「あ。でもハンダづけはお父さんに頼んだ」


エエお話しなんです。 機会があればどうぞ。

トランジスタ技術の圧縮:2015年の12冊

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「暗号の子」あとがきより

◇ペール・ブルー・ドット

2022年の3月、『トランジスタ技術』誌の編集部より
呼び出しがあった。恐れていたことが起きたと思った。
というのもぼくはかつて、「トランジスタ技術の圧縮」という
同誌を扱った短編を許可もなく発表していたからだ。
が、編集部は寛容で、実際に求められていたのは700号記念の
続編であった。
  :
今度は宇宙をやりたいと、宇宙ものの執筆を依頼いただいた。
掲載は同誌の2024年12月号。
  :
というわけで、『トランジスタ技術』にしか掲載されえない、
そういう本来ならありえないような小説を目指してみること
にした。
そうするとマニアにしか理解できない代物になりそうなものだが
(実際、なんの説明もなくマイコンボードの名前とかが出てき
たりする)、どういうわけか、本書のなかでもおそらく一番
読みやすい、しかも爽やかさを残す話となった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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2025年3月24日 (月)

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 600cycで終了

昨年12月18日にスタート した
武田コーポレーション VOLCANO NZ 単3 (1300mAh)
600cyc目の0.2C放電を終えました。
この放電時間が161分となり(定格だと300分)、
JISでの寿命判断が定格の6割、つまり180分なので
これでこの電池の充放電実験を終わります。

V2200

50cycごとの0.2C放電での電圧変化はこんな
グラフになりました。
Cap028_20250324090101
250cycを越えてから劣化が進んだようです。

Cap029_20250324091801
0.5Cでの充放電時間を見ると、200cycまでは
定格を維持していた様子が見えます。
充電時間も目一杯の132分を続けていました。
  ※通常は-ΔV検出(-10mV)で充電を停止。
   -ΔVを検出できないときは132で充電停止。

新しいJIS C8708:2024 で加わった寿命の判断、
  「0.5C放電のとき72分を切ったら寿命
という規格で見ると、315cycでアウトになって
いました。
実験終了後の内部抵抗は374mΩまで上がっていました。

2025年3月12日:VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 偽の-ΔVが出現
のように、充電開始直後の「偽の-ΔV」も見られましたし。


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2025年3月22日 (土)

Arduino、analogWriteは捨てちゃえ。ちゃんとしたPWMの例

analogReadでの電圧値変換問題(1023 vs 1024)だけじゃなく
2020年8月13日:Arduino、analogWriteは捨てちゃえ。ちゃんとしたPWMを使おう
analogWriteにも噛み付いています。

で、まっとうなPWM出力制御の例を出していなかったかと
  (アプリケーション・スケッチの中では
   いっぱい使っているんで探せば出てくるけど)
いうことで、OC2AとOC2Bの2chをPWM出力にして
まっとうなPWMの方法(analogWriteと大きい声で
言っても恥ずかしくないような)を示しておきます。

/*****  タイマー2でまっとうなPWMを *****/
// タイマー2 PWM出力 0~255,256を許容
// 0:duty=0, 128:duty=128/256, 255:duty=255/256
// 256:duty 100%(Hレベル)
/***** PWM出力 OC2A *****/
void pwm2a(short d)
{
if(d < 0) d = 0; // 0未満は0に
if(d < 256){ // 255まで
OCR2A = (byte)(255 - d); // duty 0~255/256 PWM
TCCR2A |= 0b11000011;
// |||| ++--- 8bit 高速PWM動作
// ||++------- OC2B (PWM反転動作)
// ++--------- OC2A PWM反転動作
}
else{ // 256以上はHレベル出力
PORTB |= (1 << PB3); // PB3をHに
TCCR2A &= 0b00110011;
// |||| ++--- 8bit 高速PWM動作
// ||++------- OC2B (PWM反転動作)
// ++--------- OC2A OC2A切断
}
}

/***** PWM出力 OC2B *****/
void pwm2b(short d)
{
if(d < 0) d = 0; // 0未満は0に
if(d < 256){ // 255まで
OCR2B = (byte)(255 - d); // duty 0~255/256 PWM
TCCR2A |= 0b00110011;
// |||| ++--- 8bit 高速PWM動作
// ||++------- OCR2B PWM反転動作
// ++--------- OCR2A (PWM反転動作)
}
else{ // 256以上はHレベル出力
PORTD |= (1 << PD3); // PD3をHに
TCCR2A &= 0b11000011;
// |||| ++--- 8bit 高速PWM動作
// ||++------- OCR2B OC2B切断
// ++--------- OCR2A (PWM反転動作)
}
}

/***** SETUP *****/
void setup() {
// タイマー2 PWM出力に初期化
// OC2A:PB3 , OC2B:PD3出力ポートに
DDRB |= (1 << PB3); // OC2A : PB3
DDRD |= (1 << PD3); // OC2B : PD3
// タイマー2 980Hz PWM出力
TCCR2A = 0b11110011;
// |||| ++--- 8bit 高速PWM動作
// ||++------- OC2B PWM反転動作
// ++--------- OC2A PWM反転動作
TCCR2B = 0b00000100;
// || |+++--- CS 1/64 250kHz → 1/256 976.6Hz(1.024ms)
// || +------ WGM22
// ++--------- FOC2
OCR2A = 255 - 0; // duty 0に
OCR2B = 255 - 0; // duty 0
TIMSK2 = 0b00000000;
// ||+--- TOIE2 割込オフ
// |+---- OCIE2A
// +----- OCIE2B
// タイマー0,1と2の前置分周器をリセット
GTCCR = 0b10000000;
// | |+--- PSRSYNC タイマ0,1
// | +---- PSRASY タイマ2
// +---------- TSM タイマ同期動作
GTCCR = 0b10000011; // リセット操作
TCNT0 = 0;
TCNT2 = 0;
GTCCR = 0b00000000; // 解除
}

// 出力データ
struct st_pwm{
short p0a; // OC0A PD6 (6)
short p0b; // OC0B PD5 (5)
short p2a; // OC2A PB3 (11)
short p2b; // OC2B PD3 (3)
};
// 順に出力
st_pwm pwm_tbl[]={
{ 1, 0, 0, 254 }, // <0>
{ 1, 1, 1, 255 }, // <1>
{ 1, 2, 2, 256 }, // <2>
{ 1, 254, 254, 0 }, // <3>
{ 1, 255, 255, 1 }, // <4>
{ 1, 256, 256, 2 }, // <5>
}; // | | | +--- OC2B PD3 (3)
// | | +-------- OC2A PB3 (11)
// | +------------- OC0B PD5 (5)
// +------------------- OC0A PD6 (6)

/***** LOOP *****/
void loop() {
byte i;
while(1){
for(i = 0; i < 6; i++){
analogWrite(6, pwm_tbl[i].p0a); // OC0A (6)
analogWrite(5, pwm_tbl[i].p0b); // OC0B (5)
pwm2a(pwm_tbl[i].p2a); // OC2A (11)
pwm2b(pwm_tbl[i].p2b); // OC2B (3)
delay(2000); // 2秒待ち
}
}
}
// 2025-03-22 JH3DBO

元のanalogWrite、これの何がおかしいのか気付いたのが
  ・2020年2月10日:ArduinoのanalogWrite 1/255なの?
このあたり。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タイマー0のanalogWriteに対して、0~255の数値を順に
与えてみると・・・周期1.024msのパルスに対して、
  0ならずっとLOW
  1だと8usのHIGHパルス  ▼1
  2だと12usのHIGHパルス
   :
  253だと8usのLOWパルス
  254だと4usのLOWパルス
  255だとずっとHIGH
が観察されます。
タイマー0に関して、値0と1のところ▼1で、ほんとなら4usステップ
になって欲しいのが8usとなっていて、値1~255とは異なるピッチ
なっていることがわかります。

デューティ50%が欲しい時は127。
普通の8bit D/Aコンバータだと128で半値がでてきます。

8bit D/Aコンバータの代わりになるようなPWMだと、どんな信号に
なるかというと。
  0 → デューティ0%で 全区間L
  1 → デューティ 1/256%
  2 → デューティ 2/256%
  :
 128 → デューティ 128/256% = 50% 方形波
  :
 254 → デューティ 254/256%
 255 → デューティ 255/256%
  ここでおしまい。 全区間Hはなし
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「半値」や「1/4値」でチェックすると、「何かおかしい」
と気付くはずなんですが・・・

上に上げた「まっとうなPWM」では、0~255で
0/256~255/256を出力。
そして8bitを越えるけど256でduty 100%となるような
処理を入れ込みました。

オシロで波形を観察するとこんな様子になります。
OC0Aがトリガー用。
OC0BとOC2Aに同じ値を入れてます。
I01b

2020年8月16日:Arduino UNOのPWM出力を(ちょっと精密に)確かめる

analogWriteも
2022年11月12日:『1/1023 vs 1/1024』問題 analogReadを2bitにして確かめてみる
と同じように2bitにしたら分かるかな。
  0はゼロ。
  1で1/4の1.25V。
  2で半値の2.50V。
  3で3.75Vが出てきます。
5.00Vは2bitのD/Aコンバータでは出せません。

  Vout = (Vref * data) / (2^n)
という式で出力が出てきます。

フルスケールの3で5.00Vを出したいとなると、
  0はゼロ。
  1で1.67V。
  2で3.33V。
  3で5.00V。
アナログ的なゲイン調整でこういったことはできますが、
半値がどこかへ行ってしまいます。

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2025年3月19日 (水)

1023 vs 1024:AVRマイコンとPICマイコンのデータシートより

10bit A/D変換データから電圧を計算するときに使われている
「1/1023」が気になってしかたありません。
「1/1024でっせ」っと何度も言ってるんですが・・・

AVRマイコンとPICマイコンのデーターシートから「1/1024」である
根拠をピックアップしてきました。

Analogread1023

AVRマイコンはA/Dデータが出てくる「式」。
PICマイコンはアナログ入力に対する出力データのグラフ。

「フルスケールが出てくる点はVref - 1LSBだ」っと
どちらも明確に記されています。

※関連する過去記事
2024年2月13日:トラ技のArduino Uno R4特集でも1/1023
2024年2月7日:トランジスタ技術2024年3月号に記事が載りました
  トラ技Jr.コーナ『実はワナだらけ…確実に動かすArduino Uno R3』
2022年11月17日:1023 vs 1024 、255 vs 256 なんでみなさん「2^n-1」が好きなの?
2022年11月12日:『1/1023 vs 1/1024』問題 analogReadを2bitにして確かめてみる
2021年8月5日:PICでも「1/1023」。 トラ技2021年9月号別冊付録
2020年5月17日:Arduino なんとかして誤用を正したい:A/Dの1/1023とmap関数

振り返ってみますと、もう5年ほどウダウダと言っております
トラ技にも記事を載せてもらったし。
皆さん、見てないのでしょうなぁ。

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2025年3月15日 (土)

ニッ水電池のJIS規格C8708が2019→2024に

トラ技編集部から
 「JIS C8708が2024に変わったようですよ」
っと、入電。
しかし、ネットで調べても
「令和6年8月20日に改正」という情報だけで、
「電池イジメ:充放電実験」に関係するであろう
内容がまだ出てきません。
  「本、売ってまっせ」という案内が出てくる
   けど、むちゃ高価。

こんな時、頼りになるのが図書館。
  大阪市立中央図書館が地下鉄で6駅目にあるんですよ。
  駅改札を出たら図書館の地下1階に。
さっそく訪問。
JISのハンドブックがあるはずなんだけど、技術関係の
書架を回っても見つけられず。
司書さんに聞いたら、別のところにまとまって置いてある
とのことで、百冊ばかりある中からC8708の探索開始。
  分野別の目次本が別にありました。
けど・・・C8708が出てこない。
目次にはあるけど、該当するハンドブックがどれか不明なんです。

再び司書さんに相談すると、2024年の改正がまだ2025年版の
本に入っていないのだろうというお話。
で、「ちょっと待っててくださいね。」となって、待つこと数分。
A4サイズのバインダを持ってこられて、
  「これですね。 (ニコっ)」っと
まさに新規格C8708:2024が綴じられていました。
  ※JIS規格の原本なのか

私が見たいのは
 「7.5.1.4 一次電池と寸法の互換性がある円筒型単電池」
この内容。
これに記されたサイクル耐久試験の試験条件が変わったのか
どうかが問題。
  ※C8708:2019では「乾電池と互換性がある円筒型単電池」
   となってて、2024では表記が変わっておりました。

充放電サイクルはこれまでと変わらず
  1~49サイクルは0.5Cで充放電。
    充電は-ΔV検出あるいは132分
    放電は1.0Vまで
  50サイクル目に0.1Cで16時間充電してから
  0.2Cで1.0Vまで放電。

C8708:2019での寿命判断は
  50サイクル目の0.2C放電の時間が3時間(定格の6割)を
  切ったらおしまい。
というふうに50サイクル目の放電時間で電池の容量減少を判断
していました。

C8708:2024ではこれに加えて
  1~49サイクルの0.5C放電の時間が72分(定格の6割)を
  切ってもおしまい。
という毎サイクルごとの判断が増えていました。

私が製作したニッ水電池の実験装置では、人が見て寿命を
判断してますんで今回の改正は影響なしということで、ひと安心。

※図書館のありがたさを再認識。
資料を的確に見つけてくださった司書のおねえさまにも感謝。
ひさしぶりに訪れた中央図書館、「ここに居てはヤバい」っと
そそくさと退散。
  本をずっと読んでてそうだったんで。

2019年6月24日:ニッ水電池のJIS規格「JIS C8708:2019(7.5.1.4)」が読める

電池あれこれ


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2025年3月12日 (水)

VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 偽の-ΔVが出現

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 400cyc目
これが3月3日。
401→800cycに向け充放電を継続しています。

この途中でアウトになりそうなので、充放電実験回路に
チャートレコーダーを取り付けて、電圧変化を記録して
います。

すると・・・
偽の-ΔV」が出現していることがわかりました。

Vol33
これが出だすとそろそろ寿命。
充放電時間も短くなっています。

「偽の-ΔV」の発生、なかなか気が付きません。
これが出ないで寿命になることもあるし。

2020年4月14日:ダイソーReVOLTE単3 JIS C8708:2019充放電試験(-ΔV検出有) 偽の-ΔV発生
2021年11月18日:パナソニックeneloopスタンダード単3「BK-3MCC」60%(72分)放電で偽の-ΔV出現

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2025年3月10日 (月)

1/1023監視団 活動中!

CQ出版 トランジスタ技術2025年4月号 (最新号)。
特集の
  フレッシャーズに贈る部品・回路設計・測定の基礎
   オームの法則の現実から!電子回路入門&検定
「エンジャー」さんが記事を書かれています。
その第2部・第3章
  現実を「計る」からはじまる!
   センサ測定回路
128頁の【図12】【リスト1】に、
Arduino UNO R3でのanalogReadが出ていて
やってます。
  voltage = ad * 5.0 / 1023

10131

「電圧を計る」のじゃないのなら、なんでも
良いのですが、得るのが電圧ですんで「1/1023」は
間違い。

ここの他、129頁、131頁、133頁、139頁に
1/1023が出現。

131頁の【図17】の説明では、
 「referenceVolatgeの値を修正したら
  マルチメータとほぼ一致」
とありますので、
  「5.0V決め打ちはダメよ」
の解説はちゃんとされています。

また、152頁には
  「map(ad, 0, 1023, 0, 3)」
とmap命令が使われてますが、これは
  「10bit→8bit変換」
のような使われ方じゃないのでOKでしょう。

トランジスタ技術2024年3月号のトラ技Jr.コーナ
  『実はワナだらけ…確実に動かすArduino Uno R3
を読んでおいてもらいたいでっす。


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4000シリーズCMOSの先頭、4000Bと4000UB

2025年3月7日:14bitカウンタ74HC4060の発振段はアンバッファ型じゃないのか?
で、バッファ型とアンバッファ型の入出力特性の違いを
見せるサンプルに使った「4000B」。
昔のデータシートを探してみると、

 モトローラは「4000UB」しか作ってなかった。
 東芝やNEC、日立などは「4000B」だけ。
 RCAは「4000UB」「4000B」両方作ってた。

こんなことが分かりました。
まとまった資料は「CQ出版 最新CMOSデバイス規格表 '93」の中。

400_20250310091601 

等価回路が出ていました。
まず、アンバッファ型の4000UB

403_20250310091601 

そしてバッファ型の4000B

402_20250310091701

インバータ部を見ると、アンバッファ型が1段。
バッファ型が3段構成になっているのがわかります。

たまたま東芝のTC4000Bがあったのでバッファ型としての
特性が見れたのです。

 

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2025年3月 7日 (金)

14bitカウンタ74HC4060の発振段はアンバッファ型じゃないのか?

CMOSのカウンタIC「4060」、昔から便利に使ってきました。
例えば、
 ・2024年6月2日:AVRマイコンAT90S1200を使ったデジタル時計
これは4000番CMOSの4060を使って、32.768kHzの水晶を
発振させてます。
停電時のバックアップができるくらい、消費電流は小さいです。

そして、
 ・2022年6月17日:秋月の赤外光送受信モジュール(AE-RPM851A)を使ってみる(IrDAを試す)
これは、74HC4060で4.9152MHzの水晶を発振させてIrDA通信用
ボーレートのクロックを作っています。
この他、いろんなタイミング作りに4060を使ってきました。
401
4060で発振回路を組むのに重要なのが初段のG1ゲート。
11pinと10pinにつながります。

CR発振ならこんな接続。
402
そして、水晶発振の回路例。
403
Rfで帰還をかけてアナログの反転アンプにします。

問題なのが74HC4060を使った時の挙動です。
CR発振だとCp(10~22PF)を入れておかないと
出力にグリッチが乗ってカウントをミスするのです。

この手の発振回路には「アンバッファ型のインバータ
を使います。
4060のG1がアンバッファ型ならグリッチは出てこないはず
なんです・・・。

で、ちょっと調べてみました。
手元にあった日立のHD74HC4060
11pin入力に三角波を入れ、10pin出力を観察します。
比較するのはアンバッファ型の「74HCU04」の出力。

こんな波形が出てきました。
H000  

もう一つ比較したのが4000番CMOSの4060B。
モトローラのMC14060Bです。
H002

これらを見る限り、HD74HC4060のG1ゲートは
アンバッファ型じゃありません。
入力に対して出力の変化が急峻すぎるのです。

バッファ型だと、CR発振回路を構成したときに
出現するグリッチ、出るのがあたりまえです。

HC4060の10pin、このオシロ波形ではきれいにH/Lが
切り替わっているように見えますが、拡大すると
およそ100μs区間で振動波形(ン十MHz)が出ています。

確認したいのは別メーカーの74HC4060。
何かの時に買って試してみます。

前からむちゃ気になっていたのです。

※関連
2025年1月31日:NECは3段タイプの発振回路をすすめてる

※三角波発生回路はこの記事を
2015年07月31日:レールtoレールOP-AMPの特性を見る
単電源オペアンプの入出力特性を調べる
  POTを回して電圧調整するのがわずらわしいので
  ターゲットの電源電圧範囲(GND~+V)を見て
  三角波の振幅を制限するようにしてます。
   こんな実験回路、他にないでしょっと自画自賛

※追記 4000番CMOSの波形
4000番CMOSのMC14060Bの11pin・10pin間の
G1ゲートが間違いなくアンバッファ型であるのを
チェックするため、アンバッファの4069UBと
バッファ型の4000B(8pin入力、9pin出力)の
3つの出力を比較してみました。
  4069Bの手持ちがなかったので
  間違いなくバッファ型インバータである
  4000Bを使いました。
  4000番CMOSのトップ番号。
  こんな(ちょっと変態)接続。
47_20250308165801  
3つの波形。
48_20250308170001
バッファ型である4000Bの出力が急峻になっていて
4060の出力が4069UBと同じような変化なので
4060がアンバッファ型であるのは間違いありません。

4000Bの出力、エッジ部を拡大すると振動波形
が現れます。
70
シュミット入力じゃないので緩やかに変化する
三角波のどこでH/Lを決めるかが不安定になって
しまい、こんなグリッチが出現します。
4000Bの8pin-9pinゲートは4069Bと同じような
3段型のインバータです。

デジタルオシロの無限残光モードを使うと
うまいこと記録できます。


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DIPのLMC6482えらい高くなった

秋月電子通商が取り扱いを止めたLMC6482、
 「今はいくら?」
っと調べてみたら・・・
  ・LMC6482:DigiKey
DIP品は700円超えでした。

で、LMC6482を検索していたらこんなページが見つかりました。
 ・おすすめのオペアンプIC レール ツー レール オペアンプ LMC6482

このシミュレーション、電源電圧が±15V
おっと・・・LMC6482の最大定格、電圧は「16V」。
±電源だと±8Vが最大。

シミュレーションでは「壊れるぞ!」は言ってくれないの
でしょうな。


※昔の値段
秋月電子で2015年に買ったLMC6482とNJU7062
  LMC6482は120円。

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2025年3月 4日 (火)

「女ことばってなんなのかしら?」から「ローエルさん」つながり

いつものように図書館で。
東成図書館の図書展示:【リスキリング! 生涯学習の本】に
あった本。

・「女ことばってなんなのかしら?
  平野 卿子 著
O01
この本の中にどういうわけか天文学者として名を知っている
パーシバル・ローエル」さんが登場。
そう「火星に運河がある」で有名な、ローウェル天文台を作った人。
ローエルさん、日本通で、5回も日本に来ていたと。
その時に得た知識で
 『日本語の助詞「は」は「~については」という意味だ』と
の解説。
それがこの本の中に出ていたのです。
天文学とは関係なく、外国人から見た日本語の話として。


・「悪態の科学:あなたはなぜ口にしてしまうのか
   エマ・バーン 著  黒木 章人 訳
O02

罵倒語があれこれ出てきます。
  恥ずかしくて文字にできない日本語のも。
男女で異なる罵倒語の考察も面白い。


ここからがローエルさん関係で借りてきた本。

パーシヴァル・ローエル:ボストン・ブラーミンの文化と科学
  デイヴィッド・シュトラウス著
  訳:大西直樹 他
O03
ローエルさんの人生と業績を圧縮。
   ほとんど文字だけの本。
火星、冥王星の話も出てきます。


・「火星の旅人
サブタイトルが「パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史」
 入江哲朗 著
O04
この本の凡例解説で「ローエル」という表記についての
注意がなされています。
 「Lowell」の日本語表記は「ローウェル」「ローエル」
 「ロウエル」がある。本書は「ローエル」とした。
   :
 「Lowell」には「ウェ」という音が生じる余地はないため
 「ローウェル」は言語の発音からかなり離れている。
と。

ローエルさん本人や天文台を検索するときは
「ローエル」「ローウェル」、
そして、姓も「パーシバル」「パーシヴァル」とすべきか
なかなかややこしいです。

ローエルさんが出たら次はトンボーさん(冥王星の発見者)
やでっと探したのですが、子供向けの本しか見つかっていません。


※関連
2012年08月24日:『冥王星を殺したのは私です』


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2025年3月 3日 (月)

武田コーポレーション VOLCANO NZ単3 (1300mAh) 400cyc目

昨年12月18日にスタートした
 武田コーポレーション VOLCANO NZ 単3 (1300mAh)の
充放電実験。
400サイクルを終えました。
50サイクルごとの0.2C放電(260mA)のグラフです。
Cap014_20250303124101
1.0Vまでの放電時間、定格だと5時間=300分。
JISではその6割の3時間(180分)を切ったら寿命と
判断します。
200cyc越から微妙になっています。

400cyc後、電池の内部抵抗は321mΩまで上がっ
ていました。
続けて401~800サイクルの実験を始めましたが、
完遂できるかは微妙・・・

毎サイクルでの0.5C充放電(時間と充電停止電圧)のグラフを
出すと劣化の進み具合がよくわかります。

Cap001_20250303093601
200サイクルまでは定格容量を越えて放電できています。
250サイクルを過ぎたあたりから急速に劣化が
進みました。


※百均ニッ水電池のデータ
ダイソー「ReVOLTES」単3
ダイソー「LOOPER」単3

ReVOLTESは500サイクルで終了。
LOOPERは1200サイクルまで充放電を
続けました。

ダイソーReVOLTES単3のサイクルごとの充放電時間
がこんなグラフでした。
V517_20200512173401_20250303094301
100サイクルあたりまでは調子が良かったんですが、
急激に劣化しています。

LOOPERはもうちょっと頑張ってました。
Ll2_20250303094501

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