NECは3段タイプの発振回路をすすめてる
CMOS ICのノンバッファ(アンバッファ)タイプ、ほんとに
少なくなっちゃいました。
74HCで残っているのはHCU04のインバータだけ。
シングルゲートでは7SU04が現役
4000番シリーズではかろうじて
インバータが4069UBと4049UB、そして
NANDゲートの4011UBが手に入るようです。
古いファイルやデータブックを整理(いらないのを捨てよう)
していたら1984年のNEC CMOS標準ロジックデータブックが
出てきました。
CMOSインバータを使った無安定マルチバイブレータ発振回路が
説明してあります。
要は、
・アンバッファタイプを使え
・2段タイプより3段タイプがおすすめ
2段だと発振しないかも
・バッファタイプだと異常発振
※pdfをアップしておきますのでご一読を。
ダウンロード - CMOS発振回路.pdf
HS-CMOSを使うと、異常に遭遇する可能性が高くなります。
3段になっても原理は同じです。
1ゲートでon/offするならシュミット入力NANDゲート
がおすすめですが、安定度はもうひとつ。
確実に異常に遭遇するのが74HC4060を使った場合。
Cpコンデンサを入れておかないと、カウントをミスして
欲しい周波数のパルスが出てきません。
発振部の出力にグリッチが乗ってしまい、カウントが
好き勝手に進むのです。
高周波のグリッチをカウントしてしまうので
Cpでそれが避けられます。
でも、MC14060B(4000番CMOSの仲間)だとCp無しでも
正しくカウントしてくれます。
「昔は大丈夫だったのに」に出会えます。
モトローラのMC14060Bのデータシート。
その発振段の説明はこんな図になっています。
リセット入力で初段ゲートを殺して発振を止めるように
なっているのですが、G1の絵では
出力をフローティングに
というふうな感じに受け取れます。
G1出力が浮いたらG2入力も浮いてしまい、
ちょっとヤバいんじゃ
と思ってしまいます。
※CMOSの入力は浮かしたらアカン
昔々、これを確かめたことがありました。
G1はゲートで、フローティングにはなりません。
74HC4060では、このように描かれています。
上が東芝ので下がTIの。
MC14060Bでもこれと同じでした。
G2入力は浮きません。
4060、スピードやドライブ能力、電圧下限を許すなら
MC14060Bのほうが安定して使えます。
CR発振をon/offしたいとき、アンバッファ型の
ゲートが無いので、しかたなしにHC00を使います。
※4011UBの出番なんですが
例えば、こんなブザー駆動回路です。
Cpを入れないと出力波形にグリッチが出ます。
しかし、Cpを入れると、電源電圧が影響して
発振しないとか異常な周波数で発振とか、
おかしなトラブルがおこるのです。
この回路が出すのは単純な音。
ブザー駆動波形のエッジにグリッチが出ていても
「気にしない」ということで、Cpは入れません。
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