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2024年11月14日 (木)

考察:提灯配線短絡箇所の発見方法

2024年10月17日:御幸森神社宮司さんより緊急呼び出し
この提灯配線の短絡事故現場、そのままではテスターを
使えないということで、配線を切ることで短絡箇所を
探しました。
いわゆる「二分法」で解決しました。

こんな様子で提灯がぶら下がっていました。
Ch11
このどこかでショートしているのですが、脚立が必要な
高所ということで、電球を外しての探索ができませんでした。

そこで、提灯をつないでいる電線を切り、その切断部で
見えた銅線の抵抗を計り、ショートしてるのが切った
右側か左側かを判断して、追い込んでいきました。

結局、切ったのは2箇所。
模式的に図を描くとこんな感じ。
Ch13
  ※RL4のところでショートしていました。

その後、なんとか電線を切らずに調べる方法は無い
ものかと思案していましたところ、
  高感度クランプメータ
いわゆる
  リーククランプテスター
  AC漏れ電流テスター
を使うとどうだろうという話が出てきました。

普通のクランプメータは数アンペア~数百アンペア
の交流電流を計るようにできていますが、0.01mA程度の
分解能で微少電流を計れる製品が出ています。
  2万円~4万円くらいで売ってる

本来の電源接続を切ってから、短絡している線路に
別電源として交流電流を流し、各ポイントでの電流を
計ります。

すると、
 ・短絡部より手前は電流が流れる。
 ・短絡している部分より遠い所には電流は流れない。
   (あるいは電流値が小さくなる)
こんな手順で、短絡箇所を捜索できます。

ただし、
 ・クランプメータを挟み込むための単線が
  出ていないとダメ。
 ・配線がループしているとダメ。
という制限があります。

「リーククランプテスター」を買ってみるのも
方法ですが、手持ちの材料で試してみました。

 ・CT:カレントトランスを電線にクランプして
  計れるか。 →増幅したら計れるぞ

 ・クランプせずにCTを電線に接近させるだけでは
  どうだ?  →周波数を上げてみる

 ・VVF電線の外装からはどうだ?

使ったCTはURDのCTL-10-CLS。
巻線比1:3000のもの。
その出力に1kΩの抵抗をつなぎ、100倍の低周波アンプ
で増幅してオシロで観察しました。

  電流はDDS方式2相パルス発生回路 で出力。
  出力に100Ωが入っているのでさらに100Ωを直列に。

こんなつなぎで計ってみました。
負荷は4.7Ωの抵抗を2本。
Ch12
短絡はクリップでおこない、A点とB点の電流波形を比較します。

Cj11

1本線をクランプすれば確実に電流の変化が拾えます。
Cj12

問題は、挟み込めないような配線になっているとき、
CTを近づけるだけで違いが分かるかどうかです。

クランプを開いてCTのコア材を1本線に接近。
Cj13  

VVF線の外装を通してはどうか?
Cj14

それぞれの信号波形です。

・短絡なしの時。
Dd000_20241114100801
Dd001_20241114100801

・短絡すると
Dd002
Dd003

・クランプを開き電線被覆の外から
Dd004
Dd005

こうなるとレベルが下がります。
そこで、周波数を60Hzから2kHzに上げました。
Dd009
Dd010
Dd013

VVF電線の外装からだとちょっと苦しくなりますが、
フィルタなどの助けを借りれば判別できるのでは
ないでしょうか。

めったに起こらないトラブルかもしれませんが、
まぁ、今後の課題です。


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コメント

VVF電線の外装からCTを開いては流石にしんどいかと。
VVF電線なら電球ソケット単位で単線を引出して2分探索で配線を切らずに短絡箇所を見つける簡易方法。専用機器でないと短絡箇所を見つけるのは中々難しいと思いますが方法としては面白いですね。

投稿: 渡邉 | 2024年11月14日 (木) 11時47分

AC両端をL/N ==== L'/N'と仮定
L--N' 間を線路として電球等の負荷をつなくのは無し?
+--- L-+-----+-----+-----L'
| < | <
(AC) < | <
| N-+--0--+--0--+--0--N'---[R]--+
| [1] [2] [3] |
| |
+----------------------------------+

電流は [1]>>>>[2]=[3] になると思いますが?
 

投稿: 通りすがり | 2024年11月14日 (木) 23時54分

ズレた 全角だとどうかな
 +--- L-+------+------+------L'
 |   <   |   <   
(AC )  <   |   <   
 |  N-+--0---+--0---+--0---N'--[R]-+
 |    [1]  [2]  [3]     |
 |                  |
 +-----------------------------------+

投稿: 通りすがり | 2024年11月15日 (金) 00時00分

あー 電流は [1]<<<<[2]=[3] でした orz
スレ汚し申し訳ございません

投稿: 通りすがり | 2024年11月15日 (金) 00時01分

コメントの記述、ブログのシステムでhtmlに変換されるときにどうしてもズレが生じます。
とくに半角スペースがくせもの。

で・・・
「<L>・<L'>、<N>・<N'>」 内のつなぎは置いておいて、
<L>~~(AC)~~[R]-<N'>
  とつないで電流を流してはというご提案、
  <L>と<L'> はダイレクトにつながっているのだから、
<L'>~~(AC)~~[R]-<N'>
でも同じ。

このつなぎ方はCT二つをぶら下げた記事本文の図(実験図)と同じかと。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2024年11月15日 (金) 08時36分

この実験、クランプメータでクランプできないような配線のとき(VVF線の分岐がテープでグルグル巻かれているような)、口を開けたCT(クランプ型)を電線に沿わしたときの反応を見ようという試みです。

周波数を上げたら信号が見えてきたという、途中経過です。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2024年11月15日 (金) 08時45分

ケーブルの「地絡」に関しては、こんな手法があって、専用の測定器が販売されています。

・マーレ―ループ法でケーブル故障点が分かる理由を解説
https://denki-plantengineer.com/murreyloopmethod

今回の提灯短絡事故でも、ブリッジを使ったら右端からどんだけ、左端からどんだけって電球抵抗の比率で短絡箇所が分かるつなぎ方があるかも。

電球を外して計れば別ですが、前記事のように脚立での作業が問題。(やりたくない)
現場(神社)に持って行ったデジタルテスターの抵抗レンジでは、右から左からどっち?の判断できませんでした。
アナログテスターは役に立たず。
電流源を持ち出して四端子法で計るにしても、抵抗値は出てくるでしょうが、「何個目の提灯が怪しい」という判断はなかなかむつかしいでしょうなぁ。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2024年11月15日 (金) 09時09分

結局、電線をぶっちぎって「切った2本の電線(端は4つ)の右と左、どっちがゼロオームに近い?」を判断して短絡箇所を見つけました。

・中間点の★1の下に脚立を移動。
・そこの電線ペアを切断。
・切断した電線の端を剥いて銅線を露出(4点)。
・先をミノムシクリップにしたテスターリードで
 電線ペアをつかんで抵抗値を測定。
・左右の抵抗値を比較。
・ゼロに近い方が短絡してるはず。
・次の切断位置を決めて脚立を移動し、同じ処理。
2回目で見つけられたという次第です。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2024年11月15日 (金) 09時18分

使ったCTコイルのインダクタンスを計ると、
クランプを閉じたときが32H。
クランプを開くと0.57H。
けっこう大きな値でした。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2024年11月15日 (金) 09時32分

ここは高周波信号5kHzを流して漏洩信号を解析するのも面白そうですね。パルス信号ならノイズを見分け易いかも。電線はシールドされていないのでちゃんと漏れてる筈。短絡している場所からどのように減衰するかも興味深い。

投稿: 渡邉 | 2024年11月17日 (日) 08時34分

chatGPTに聞いてみました。

電線に流れる5kHzのパルス信号をアンテナで受信し、復調する場合、次のような回路設計を考えられます。この方法では、アンテナが信号を受信し、それを増幅・整形して元の5kHzのパルス信号を取得する流れになります。

回路の基本構成

1. アンテナセクション
• 電線から漏洩する5kHzのパルス信号を受信します。
• 高周波ノイズを除去するためのフィルタを設けることが一般的です。
2. プリアンプ(信号増幅器)
• アンテナで受信した微弱な信号を増幅します。
• オペアンプやトランジスタを使用。
3. フィルタ(バンドパスフィルタ)
• 必要な周波数(この場合5kHz)成分を選択し、不要なノイズを除去します。
• アクティブフィルタやパッシブフィルタを使用。
4. 整形回路(コンパレータなど)
• フィルタ後の信号をデジタルパルスに整形します。
• オペアンプをコンパレータとして使用。
5. 出力セクション
• 最終的に整形した5kHzのパルス信号を出力します。

詳細な回路設計

1. アンテナとプリアンプ

• アンテナ: シンプルなループアンテナや短いロッドアンテナで十分です。信号強度が弱い場合、アンテナをチューニングして特定の周波数に共振させます。
• プリアンプ: 微弱な信号を増幅するため、高入力インピーダンスのオペアンプ(例: TL072)や低ノイズトランジスタを使用。

2. バンドパスフィルタ

• フィルタの中心周波数を5kHzに設定し、適切な帯域幅(例: 1kHz)を選びます。
• アクティブフィルタ回路の例:

抵抗  とコンデンサ  の値を選んで5kHzのカットオフ周波数を設定。

3. コンパレータ

• フィルタ後のアナログ信号をデジタルパルス信号に変換します。
• オペアンプ(例: LM393)をコンパレータとして使用。
• 基準電圧を設定し、信号がその電圧を超えたときにデジタル信号を生成。

4. 出力回路

• 整形されたデジタル信号を後段に送ります。必要に応じてバッファ(例: CMOSロジック)を追加。

回路設計のポイント

1. ノイズ対策:
• 電源ラインにデカップリングコンデンサを設置。
• シールドされたアンテナを使用すると外来ノイズを減らせます。
2. フィルタ設計:
• 5kHz以外の成分を可能な限り減衰させること。
• 適切なQ値(帯域幅)を選択。
3. 信号強度の確認:
• 電線から漏れる信号が弱い場合、増幅段を2段以上にするか高感度アンプを使用。

回路図の簡単な例

アンテナ → プリアンプ → バンドパスフィルタ → コンパレータ

• アンテナ: ループアンテナ(直径10cm程度)。
• プリアンプ: オペアンプTL072。
• フィルタ: アクティブRCバンドパスフィルタ(5kHz中心)。
• コンパレータ: LM393。
• 電源: ±12Vまたは単電源5V。

もし具体的な部品選定や回路図の作成が必要でしたら、その詳細についてさらにサポートできます!

投稿: 渡邉 | 2024年11月17日 (日) 08時39分

考慮足らずでしたすいません。

自分だったらVVFの両脇にホールセンサーを置いて
出力差で推測する様な仕掛けを作るかと・・・

投稿: 通りすがり | 2024年11月17日 (日) 21時11分

お手伝いしている農家の周辺で、動物よけの電気柵を使いますが、そのメーカーが出している「フォルトファインダー」という機器で、漏電箇所(漏れあるいは短絡)を探せるとのことです。値が張るので持ってないのですが、どうやって検知しているのか2年くらいいろいろ考えています。検知対象の電気柵は長さ100-4000メートル位とまちまちで、電圧尖塔値は7kV,200msec程度のパルス状、4-10秒間隔で反復し、流れる電流は動物対象で数mA程度のはずです。国産電気柵ではそういうものをみかけないので、さて、どんな方式なのかなぁ、と思ってます。
https://item.rakuten.co.jp/surge-m/6204/

投稿: meg-chan | 2024年12月 8日 (日) 11時48分

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