2024年10月17日:御幸森神社宮司さんより緊急呼び出し
この提灯配線の短絡事故現場、そのままではテスターを
使えないということで、配線を切ることで短絡箇所を
探しました。
いわゆる「二分法」で解決しました。
こんな様子で提灯がぶら下がっていました。
このどこかでショートしているのですが、脚立が必要な
高所ということで、電球を外しての探索ができませんでした。
そこで、提灯をつないでいる電線を切り、その切断部で
見えた銅線の抵抗を計り、ショートしてるのが切った
右側か左側かを判断して、追い込んでいきました。
結局、切ったのは2箇所。
模式的に図を描くとこんな感じ。
※RL4のところでショートしていました。
その後、なんとか電線を切らずに調べる方法は無い
ものかと思案していましたところ、
高感度クランプメータ
いわゆる
リーククランプテスター
AC漏れ電流テスター
を使うとどうだろうという話が出てきました。
普通のクランプメータは数アンペア~数百アンペア
の交流電流を計るようにできていますが、0.01mA程度の
分解能で微少電流を計れる製品が出ています。
2万円~4万円くらいで売ってる
本来の電源接続を切ってから、短絡している線路に
別電源として交流電流を流し、各ポイントでの電流を
計ります。
すると、
・短絡部より手前は電流が流れる。
・短絡している部分より遠い所には電流は流れない。
(あるいは電流値が小さくなる)
こんな手順で、短絡箇所を捜索できます。
ただし、
・クランプメータを挟み込むための単線が
出ていないとダメ。
・配線がループしているとダメ。
という制限があります。
「リーククランプテスター」を買ってみるのも
方法ですが、手持ちの材料で試してみました。
・CT:カレントトランスを電線にクランプして
計れるか。 →増幅したら計れるぞ
・クランプせずにCTを電線に接近させるだけでは
どうだ? →周波数を上げてみる
・VVF電線の外装からはどうだ?
使ったCTはURDのCTL-10-CLS。
巻線比1:3000のもの。
その出力に1kΩの抵抗をつなぎ、100倍の低周波アンプ
で増幅してオシロで観察しました。
電流はDDS方式2相パルス発生回路 で出力。
出力に100Ωが入っているのでさらに100Ωを直列に。
こんなつなぎで計ってみました。
負荷は4.7Ωの抵抗を2本。
短絡はクリップでおこない、A点とB点の電流波形を比較します。
1本線をクランプすれば確実に電流の変化が拾えます。
問題は、挟み込めないような配線になっているとき、
CTを近づけるだけで違いが分かるかどうかです。
クランプを開いてCTのコア材を1本線に接近。
VVF線の外装を通してはどうか?
それぞれの信号波形です。
・短絡なしの時。
・短絡すると
・クランプを開き電線被覆の外から
こうなるとレベルが下がります。
そこで、周波数を60Hzから2kHzに上げました。
VVF電線の外装からだとちょっと苦しくなりますが、
フィルタなどの助けを借りれば判別できるのでは
ないでしょうか。
めったに起こらないトラブルかもしれませんが、
まぁ、今後の課題です。
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