トライアックの駆動回路 パルスでトリガ
「トライアック」を単独で使うことってまぁありませんが、
ちょっとヒントとなる記事がありました。
このブログでは、
2020年7月2日:マイナス出力の非絶縁AC/DCコンバータ実例
で、例を上げましたが、駆動制御回路のプラス側電源を
トライアックのT1端子につないで、ゲートをGNDに引っ張る
という使い方が安定して駆動できます。
・今ふうのトライアックは、苦手な「IVモード」を克服
できるように作られているのが多いのですが(それでも
トリガ電流が大に)、基本は
I・IIIモードあるいはII・IIIモード
です。
・それでも、生のトライアックを使うことは
少なくなりました。
II・IIIモードの応用として、三菱(今はルネサスだぁ)の
カタログにはこんなパルス駆動回路が「三菱特許出願中」
と注記が入って載せられていました。
先日、ハンダゴテのことを調べていると、中華製温調ハンダゴテの
内部回路を解説されているページに出会いました。
・2020年2月13日:中華製温調はんだごて(DJ HIGO オフィシャルブログ)
・2020年4月13日:中華製温調はんだごて(2)(DJ HIGO オフィシャルブログ)
ここでのトライアックの駆動方法、ゲートをコンデンサで
切ってパルスで駆動しているようなのです。
ちょっと図示。
・電源はコンデンサ・ドロップ方式
・トライアックのT1は電流検出抵抗を通って
GNDラインに。
・ゲートの駆動はC3を通してパルス駆動。
C3の上の-U∩U∩-、どのくらい効くのか
不明ですが、フェライトビーズくらい、
というのは期待が大きいか。
・駆動モード的には Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ 全部使っ
てることになるか。
知りたいのはこの駆動パルスの周波数。
遅いとゼロクロス付近がバタつくだろうし。
数kHz~20kHzくらいか。
AC波形の全区間パルスをだしているのか、
ゼロクロス点が始まったあたりだけの駆動
なのか。
それとマイコンのポートの駆動能力。
一度、試してみますわ。
※追記 (12月28日)
DJ HIGO さんが制御波形を調べてくださいました。
図bと図cを紙にプリントして、あれこれを記入。
(クリックで拡大↓)
ch1がゲート駆動波形。
オン時はGNDから1Ωの抵抗を通って持ち上がり(下がり)
ますんで、正弦波波形の頭が加わってます。
しかし、半周期10msの区間、全体が駆動されているように
見えます。
マイコンのポートからコンデンサC3を通して
こんな波形が出てくるとは・・・
ch4がマイコンの駆動出力。
3.3Vで動いてるはずなのに、単純にH/Lしているだけ
じゃない。・・・何が違う。
こんな波形でうまいこと駆動できているのはなぜだ!?
どうすればこんな波形が出る?
もっと高い周波数の連続パルスで叩いていると思ってた。
C3を通さなくちゃならないので。
下側、tek0056の中央、正弦波波形の途中でトリガ
しているのが見えてるけど(ピンク・マーカー)、
このトリガー元はch4の細いのか?
どこでゼロクロス点を調べてる?
マイコンで見ているch3は駆動して時だけ現れる
波形なんで、オフ時は使えない。
電源周波数を調べてマイコンの内部タイマーか。
駆動タイミングで補正とか。
この駆動回路の動き、むちゃ謎です。
似た回路を作って確かめたいところ。
※追実験
2024年1月 5日:トライアックの駆動回路 パルスでトリガを試す
Arduino UNO R3を使い、エッジ割り込み入力
INT0でAC100Vのゼロクロス点を検出して
トリガ用パルスを出力してみました。
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コメント
こんにちは。はんだごての記事を引用いただいたDJ HIGOです。引用ページにトライアックのゲート波形を貼りましたのでご覧ください。50Hz以下でした。
私はほとんどサイリスタを使ったことがないため、回路を見ても特に気にとめていませんでした(^-^;
投稿: DJ HIGO | 2023年12月27日 (水) 15時57分
ゲート端子、トリガ成功後は全域のレベルが上がったり下がったりで見えるんかな。
詳しく見たこと無いなぁ。
いや、・・・見てても覚えてない
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年12月28日 (木) 13時55分
ゲートをバーストパルスで叩きたいようですが、その意図が良く判らないです。
普通なら希望の位相でゲートに一発パルスを入れることでT1-T2間が導通。交流なので電流ゼロになるタイミングで自動的に遮断。てな使い方になると思うのですが・・
まあバーストで叩けば相手の位相を気にしなくても良くなりますが、そういう狙いなんでしょうか。
投稿: ラジオペンチ | 2023年12月28日 (木) 17時51分
すみません、回路図良く見たら電源サイクルに同期させる仕掛けが見当たらないですね。
まさかゲートに乗ってくる電圧検知なんて無理っぽいので、仰るようにバースト駆動なんでしょうか。
投稿: ラジオペンチ | 2023年12月28日 (木) 19時42分
サイリスタやトライアック、ほんと「生」で使うことが無くなりました。
光駆動のSSR、今は便利ですなぁ。
昔々・・・サイリスタと同じつもりでトライアックを使った客先エンジニアがいまして(モードⅣを使うんですよ)、するとまともにトリガしないわけです。
「これはあかんねんでぇ」とレクチャーした(回路の修正方法を)思い出があります。
「この石なら行けた」なんて反論もありますので、「データシートを比べろ」で応酬です。
半周期間を確実にオンさせるなら、区間中、駆動パルスをずっと与えるということもアリでしょう。
オンを保持する「最小電流」という縛りもありますし。
ゼロクロスからの立ち上がり部分は電圧が低く、そのせいで抵抗負荷だと電流が小さくなるのでうまくオンを保持してくれないことがあるんで、トリガを長くして対応ということもあります。
しかし今回の「駆動部とゲートのつなぎはコンデンサだけ」というのは、初見です。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年12月28日 (木) 20時12分
下半相 Lo:10ms※ + Hi-Z:4ms + 探りHi:数十us? < 16mSで
クロス点検出しているのでは?
※60Hz地域はどうなんでしょうね? 8ms?
マイナス->ゼロ->プラス->ゼロでオフセットも消せますし
中途ONはゼロクロス制御では意味が無い挙動かと
投稿: リンギングさん | 2024年1月 1日 (月) 14時18分