修理:スピードメータが動かない #2
この記事へコメント(2023年8月18日付)していただいた
ブツがやってきました。
動作不良の原因は、やはりプリント基板スルーホール部の
マイグレーション。
黒いシミが出ているところ、基板の裏表が導通してません。
(クリックで拡大↓)
ほんとにこれの原因は、なんなんでしょね。
・スマートロードスター の速度計です。
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コメント
最初は基板内層のCAFかと思ったのですが、
https://www.test-navi.com/jp/test/cases/pdf/14_ionmaiguration.pdf
写真を見ると表面に銅が溶け出している感じです。また、小径ビアで発生しているようなのでVia内の処理液の残留が原因のような気がします。
この基板は2000年頃に作られたようですが、当時は小径Viaの上のレジストは「抜いた方が良い」とされていました。その理由は、処理液などが万一残留していた場合に孔内が腐食して断線に至る現象が多発したからです。
そんなのレジストで穴を塞いでおけば良さそうなものですが、大量にある小径Viaの全てを無欠陥で塞ぐのは無理。そんなことで、小径Viaのレジストは抜きにするのがセオリーでした。
この記事の写真を見るとレジストが抜かれていないので、まずは上記メカニズムが怪しいです。
あと、この基板はソルダーコートされているようですが、ソルダーコート(はんだレベラー)の前処理で強力なフラックスを使うので、その液が小径Viaに残留していたのかも知れません。こっちの可能性の方が高いかもです。
このあたりの話の解説記事は発見できませんでしたが、下記で触れられていました。
https://blog.goo.ne.jp/maduki_k/e/a5275e9be5c4448033e1b2e19cdc073b
あと、これ輸入車の基板のようですが、湿度の低いヨーロッパだったらこんな問題は出なかったんでしょうね。
投稿: ラジオペンチ | 2023年10月 6日 (金) 09時22分
9927・・・のシールのところは、直に電源(+12V)が来ています。
ほかのところも、プラスの電源系です。
GNDや信号ラインは大丈夫。
今回、2セットやってきたんですが、その1枚は広がった黒膜で、+電源とGNDがリーク(ショートというほどではない)してました。
ショートしてたんかもしれませんが、電源投入時の電流で切れたのかも。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年10月 6日 (金) 11時25分
全く別の製品ですが、似たような現象に苦労しました。
HDDの振動対策で使ったゴムシートが原因でHDDが軒並み死亡しました。
マイグレーションではなく、環境ガスによる硫化物の生成でした。
ゴムパッキンとかの加硫されたものが近くにあると発生します。
投稿: kaz | 2023年10月 6日 (金) 14時43分
電源ピンでこの現象が発生する理由ですが、電気メッキのアノードと同じこと、つまりプラスに接続されている側から金属が溶け出していると考えれば辻褄が合いそうです。
ただ、金属が溶け出すと言っても電流密度が小さいのですぐに酸化して酸化銅になって黒く見えているような気がします。なお、VG隣接している場合は電流密度が上がって金属銅が析出してショートなのかも。
そんなことで、問題の種は信号やGNDの小径ビアにも仕込まれているのでしょうが、顕在化してないだけなんでしょうね。
投稿: ラジオペンチ | 2023年10月 6日 (金) 16時10分
2019年の時と同じように、広がった怪しい黒膜を除去してからスルーホールの欠損を補修。
依頼先から「動いたよ」との連絡をもらって作業完了。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年10月23日 (月) 09時31分