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2023年9月

2023年9月28日 (木)

電磁石の接触面の状態で保持力が変わるの?

2022年9月8日:飛んだ! どこへ行ったぁ~ ここにあったぁ~
に絡むメカの修理。

修理メカには二つの電磁石が付いています。
  ※写真は修理後の
11_20230928101101

コイルの断線もなく、両方ほぼ同じ電流値。
ところが黄色側の保持力がえらい弱いのです。

電磁石で引っ張る相手はこんな金物。
12_20230928174701
  ※緑四角が磁石と接触する部分

メカの動作前、先端の四角い金具部分が、片方ひとつだけ
通電された電磁石にくっついています。

メカが動き、2つ同時に奥に引っ張られると、磁石が
通電してないほうは、そのまま引っ張られて先に奥に
引っ込みます。

磁石にくっついている方は、磁石で保持されているので、
少し遅れて磁石に打ち勝って解放され奥に行きます。
この微妙な時間差でメカの動きを制御するという仕掛け
になっています。

今回は、この黄色の磁石の保持力が弱くって、反対側と
ほぼ同時に離れてしまい、うまく制御できないという
トラブルが生じました。

メカの動きをスムーズにするため、清掃したり注油したり
してもだめ。

青と黄の違いを見ますと・・・黄色電磁石のヨーク先端と
引きつける相手側金物先端の表面が汚れていました。
黄色側の両方に何かが付着していたのです。

13_20230928101801

マイナスドライバの先でゴシゴシ。
溶剤を付けた綿棒でゴシゴシ。
最後は2000番の紙ペーパーでこすって表面を
きれいにしたら・・・回復!
  ※上の写真は作業後のもの

汚れが付着したとき写真は撮っていなかったので、
説明は難しいのですが、水垢のような感じ。
でも、けっこう固かった。
  ※水に溶けたカルシウムでも固着してたのか

ちょっとしたことなんでしょうが、磁石のチカラって
こんなに微妙なものなんだっと思い知らされた次第です。


※前の記事、飛んでいったスプリングはこのメカを
 奥に引っ張る機構にくっついています。


これ↓もこのメカの話。
2022年9月22日:グッと押したらオフするリミットスイッチ

※「美和ロック」の磁気カード式ドアロック装置「MCL」。
 その修理依頼です。
 ほとんどが電池液漏れによるダメージ。
 そしてリミットスイッチの接触不良。
 磁気カード読み出し回路の異常もやっかい。
 今回のは、初体験で、原因が分からずたいへんでした。

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2023年9月27日 (水)

6年ぶりの改造:0Vから出力電圧が直線的に上昇するノコギリ波発生回路

トランジスタ技術2011年12月号
  「即席サバイバル回路50」
に載せてもらったのが発端。
T11_20230927123501
T12_20230927123501
T13_20230927123501
左上のイラストを拡大
T14_20230927123501
積分回路とヒステリシス・コンパレータで三角波が
作れます。
その積分回路の電流を正負別個に制御すれば
ノコギリ波にも変形できます。
でも、出力信号の振幅が0Vを中心とした±電圧と
なったり、あるオフセット点を中心とする±の
電圧になってしまいます。

0Vを開始点とする傾斜波形が欲しいときには
オフセット電圧を加える(あるいは引く)回路を
付加しなければならず、ちょいと不便です。

トランジスタ技術2011年12月号
 「即席サバイバル回路50」
即席回路38:0Vから出力電圧が直線的に上昇
       するノコギリ波発生回路
というタイトルで、ノコギリ波電圧を0Vから
スタートさせて、所定の電圧に達したら0Vに
戻して発振を繰り返すという回路を掲載して
もらいました。

まず±電源で。
T31_20230927123701
次が単電源で。
でも、基準電圧用にマイナス電圧を作っています。
T32_20230927123801

上の二つがトラ技に載った回路。

そして、『便利な回路は箱に入れておかなくちゃ』
と製作したのが2017年。
電池2本で動くようにしました。

T33_20230927123801
今回、これを微改造。
図の黄色部分。スイッチを追加したのです。

押すと三角波のピーク電圧を出力します。
VR2で出力レベルを調整できるようにしてま
すが、このスイッチを押すことで
「三角波のピークは何ボルト?」が分かると
いう仕掛けです。

取り付けたスイッチの位置は無理やり。
 「スイッチを入れる隙間OK」
 「ドリルの刃も入るやん」
っと。

ケースの写真。
T21_20230927124001
T24_20230927124001
T22_20230927124001

中央の青いのが積分コンデンサで、その上下にある
白いのが追加したコンデンサ。
もっとゆっくりした波形が要る!ということで
10秒以上の周期の波形を出せるようにしています。

T23_20230927124001
むりやり突っ込んだプッシュスイッチ。

※関連
2017年7月27日:ノコギリ波発生回路をケースに入れる
2021年4月2日:ダイナミックに負荷を変えてみる
2019年5月23日:バイポーラタイプLDOのバイアス電流


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2023年9月25日 (月)

やっぱりあかん パワーMOS FETの並列接続

・目的 12V・10A電源の特性調査用
    定電流負荷回路の製作

・120Wの電力を受けられるように

過去、定電流回路(定電流負荷)をあれこれ作って
きましたが、120Wというのは未体験。

電流検出抵抗の電圧降下をフィードバックして
パワーMOS FETのゲート電圧を制御というのは
変わりませんが、問題はパワー。

※過去の失敗談
2014年03月26日:ACアダプタ試験回路:電気は熱になるんです…
※関連
2020年8月27日:オペアンプとMOS FETを使った定電流回路・・・電子負荷回路・・・
2021年4月4日:オペアンプとMOS-FETを使った定電流負荷回路
2011年09月23日:並列抵抗で 250W
2011年09月26日:電子負荷稼働中 菊水電子製 レンタル品

この電力、一つのFETじゃとても無理。
ということは並列接続して発熱を分散。

こんなFETの買い置きが残っていたんで並列接続を
試してみました。 ・秋月電子:60V・100A・255W

まず基礎知識。 FETの温度特性、

・温度が上がるとオン抵抗が大きくなる。
 ということは、並列接続で電流が流れて
 温度が上がった素子は、オン抵抗が大きく
 なることで電流が減る。
 並列接続での熱暴走はしない。

・しかし! これはスイッチングしてるときの話。
 電子負荷のようなリニア領域での制御では、
 Vth、Vgsの特性が重要。

・残念ながら、温度とドレイン電流の関係は
 並列接続には向いていない。
 一定のVgsでも温度が上がるとドレイン電流が増大。
 リニア制御では、温度が上がったらその石に電流が
 集中してしまう。

温度とオン抵抗のグラフ。
F22

温度が上がるとオン抵抗が大きくなる様子が
見えてます。
しかし、これはVgs=10Vとゲートが十分にドライブ
された状態の話。

温度とドレイン電流の関係がこれ。
F21_20230925165201

ドレイン電流の立ち上がり部分、Vgsが一定でも温度が上がると
電流が増えちゃう様子が浮かんでいます。

ということは、単純にこんなつなぎ方だと、消費電力を
分散できないという話。
F11_20230925165301
FETを2つ使って、実際に試してみました。
  特性は選別していません。
  パーツボックスにあった「TK100E06」FETを
  任意に取り出して配線。
  ヒートシンクは17cm四角。厚さ35mmの大きいの。

ドレイン側に抵抗を入れてそのドロップを見ます。
電流がアンバランスになると、電圧ドロップが
どんどん大きくなります。
F12_20230925165401
流した電流は1A。
電圧が12Vですので、それぞれ6Wを受け持ってくれれば
okなんですが・・・

チャートレコーダー(プリンタシールド応用) で記録します。
G10
時間経過とともに発熱してQ2側の電流が増大。
Q1には電流が流れなくなり、「なんのための並列!?」
という状態に。
単純なつなぎではうまいこと行きません。

そこで、FETのソース側に抵抗を入れてアンバランスを
吸収できるようにしてみました。
電流が大きくなるとVgsを下げる方向に働きます。
まず「0.47Ω」。
F13_20230925165901

これだと、8割くらいの電流差に落ち着きます。
G11_20230925165901
途中で2A→3Aに増やしてます。

ソース抵抗を1.0Ωすると、こんなグラフに。
G12_20230925165901

しかし、1.0Ωだとこの抵抗の発熱がひどくなってきます。
5Wじゃ足りません。

どうしたものかと思案中。
トランジスタ技術2015年1月号の方法・・・
FETごとにアンプと電流検出抵抗を設けて、
共通の制御電圧で電流を設定します。

GND側の配線抵抗の影響は差動アンプでキャンセル
しちゃうというアイデアです。

F14
記事ではFETを3コ使って40Wを目指しています。

ゲインのある差動アンプ(電流検出アンプ)を使うと
電流検出抵抗の値を小さくできるし。

どんなもんかな。

※実験の様子
Tt11_20230925172501

※追記
ソースに入れたバランス抵抗。
バイポーラトランジスタならVbe電圧の0.7~0.8Vあたりで
バランスが得られます。
それが今回のMOS FETだと4~5V。
MOS FETだとVgs電圧が大きいぶん、効きが悪くなります。

オペアンプの出力にFETを入れて、そのソース電流で
バイポーラトランジスタのベースを駆動。
これだとどうでしょう。
うまくバランスをとってくれるかな。

※追実験
手持ちのTO-220やTO-3Pのバイポーラ・トランジスタ、
高圧スイッチング用のばかり。
2SD880と2SD768(ダーリントン)が発掘できました。
こんな回路で実験。
Cc11_20230926164701
こんな接続で、バランスがうまく行きました。
0.1ΩでもOK。
でもダーリントンの2SD768にするとダメ。
0.1Ωでは電流が片寄ります。
電流検出抵抗を一つだけにしておきたいんで
トラ技2015年1月号方式は「ちょっとなぁ」
なんです。

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2023年9月21日 (木)

オペアンプを使ったモータ速度コントローラ

リニアテクノロジのデータブックをパラパラめくり
していたら「LT1013/1014」のページでこんな回路を発見。

Lt1013
5V電源で直流モータをPWMで速度制御。
  ※これでうまいこと行くの?
   というところはありますが、
   いかがでしょうか?

・モータに直結してる4016のスイッチが
 ちょっと怖い。
・2つのダイオードとNPN Tr Q2が魔法っぽい。

※コメント先
ラジオペンチblog:ミニグラインダー(DCブラシモーター)の速度制御コントローラー


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オペアンプの非反転・反転入力間に入れる抵抗

このブログ記事が発端。
  ・2023年2月10日:トラ技記事 オペアンプの出力段保護回路で

Tt1_20230210084401

(b)図のR2、オペアンプを使った非反転アンプで、
非反転入力と反転入力端子の間に抵抗が入っています。
この抵抗はなに?」という疑問でした。

先日、オペアンプのデータシートをなにげなく見ていて
似たような抵抗接続を見つけました。
  ※AD817だからアナデバのデータシート
高速A/Dコンバータの前置アンプとして、
非反転+反転アンプを使った差動バッファ回路
が使われています。
ここに似たような抵抗があったのです。

817

入力信号を正負にして平衡出力(差動出力)するのは
こんな回路。
  ※仕事なら平衡変換用の専用アンプを
   使うでしょうけれど。
881
882
直流的には非反転入力と反転入力間の電位差はゼロ。
抵抗が入っても直流的な動作は同じ・・・はず。

AD817回路例の非反転アンプの抵抗、2つのアンプの
特性のバランスをとるためかしら。

オペアンプのオフセット電圧変動調査回路に使われている
のは見ます。
こんな例。
883
帰還抵抗に比べて+/-端子間の抵抗値が小さいので、
オフセット電圧が大きく増幅されて出てきます。

もう一つこんな回路も。
抵抗マルチプライヤ」と名付けられています。
1012
R2とR3の比でR1の値が大きくなる(R1に流れる電流が
小さくなる)という仕掛け。

R3=0(R1とR2の片側がGND)なら普通の非反転アンプ。

R3を大きくしていくとR1に流れる電流が減少して
見かけ上R1の抵抗値が増大したのと同じ。

さらに、R2をゼロにするとどうなる・・・
R1に電流が流れないので無限大。

はてさて。

 

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2023年9月15日 (金)

直せるもんなら・・・とりあえず解体

仕事場に置いてあるのガスコンロ。
お湯を沸かすくらいでしか使っていません。
それの調子が悪い。
立ち消え安全装置」が働いてしまうようで、点火は
成功してもノブから手を離すと火が消えてしまうことが
多くなってきたのです。

パチッと点火させてから(電池無しのガスコンロ)しばらくノブを
持ったままにして点火用ガスを流していると、ノブを
運転位置に戻しても消えずに使えるという動きになって
きたのです。

何年使っているかわからんくらい前から使っています。
あらためて銘板を見ると「04.01」と記されてますんで
2004年製でしょうか。
G11_20230915135101

とりあえず解体して中を見てみます。
M4のビスを2本外すと、上カバーが外れます。
料理するわけじゃありませんので、中は
キレイです。
  「G」の痕跡もありませんし
G12_20230915135201
センサーもそこからの電線も大丈夫そう。

センサーから出た2本の電線が「青・白」のキャップを被って、
「緑・白」のコネクタらしきものに入っていて、ガス点火、
遮断、ガス量調整機構につながっています。

G13_20230915135201
緑部と白色部、「抜けるかな?」っと引っ張ってみましたが
1~2mm動くだけで抜けませんでした。
  ※非破壊取り出しできないようなものだったら
   壊してしまうかもしれないのでむちゃはせず。
   プラスネジを外したら取れるのかもしれませ
   んが、どんな機構になっているのか見たことが
   ありませんので、そのままで。

電気的な接続部はここだけ。
「緑・白」をグニュグニュしてから(コネクタだとしたら
接触を回復させたつもり)押し込んで、ガスゴムホースを
つないで試運転。
ちゃんと動くようになりました。

つぶしてエエもんなら「どうなってるねん」と探求しますが、
使えるのならまだ使いたいということで、今回はここまで。
中がもっと汚れていたら「新しいのに買い換えよ」となる
ところです。

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東京都 感染者の4割が変異株『エリス』(通称)

gooニュース:2023/09/14 20:29 変異株“エリス”が新型コロナ感染者の約4割
『エリス』が蔓延してきているようです。

エリスのイメージ図を再掲
Img1

2023年9月1日:新変異株:通称『エリス』EG5.1

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2023年9月12日 (火)

究極のマルチファンクション・ゲート 1G99

2023年9月11日:マルチファンクション・ゲート 1G57,58,97,98
の続き、「1G99」です。
TIのデータシートには
 『Ultra-Configurable Multiple-Function Gate With 3-State Output
という銘が記されています。
接頭語が「ウルトラ」です。

99
5つの入力はすべてシュミット。
スリーステート出力できて、その前段にXORが入っているので
出力の反転ができます。
AND-OR部は1G97と同じようになっていて、マルチプレクサ
を構成できます。

どんなのが作れるのか・・・
  TIのデータシートからピックアップ

11_20230912094301
12_20230912094401
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5つの入力のつなぎ方で、『お好きにどうぞ』のゲートが作れます。

まぁ、「何に使うねん」となると難しいところはありますが、
あれこれ試作するときに、「欲しいゲートICの手持ちが無い」
時の非常用部品として役立つのでは。
DigiKeyでの価格を見ると、
  TI    86円
  Nexperia 75円
と、そんなに高価なものじゃありません。
ただし、作っているのはこの2社だけのようです。

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2023年9月11日 (月)

マルチファンクション・ゲート 1G57,58,97,98

ゲートIC、乾電池1本で使うなら「74AUP」(0.8~3.6V)。
2017年11月18日:百均歩数計で作る「カウンタ」
で使用例を紹介しています。

今回、「1.65~5.5V」が使用電圧範囲の「74LVC1G」、
この1ゲートICを何種類か買っておこうとして、
『せや。 あれあれ。』と思い出したのが、
デジットblog 2015年04月06日:これは便利!マルチファンクションゲートICが入荷しました!

  ※トランジスタ技術2014年3月号「私の部品箱」
   『小回りが利くマルチユースな
     6ピン・ロジック 74LVC1G97』
   にも紹介されています。

6ピンのICで、つなぎ方でいろんな入力が実現で
きます。
  それでも、あれこれしようとすると4種類が必要。

※メーカーの解説図、片側を負論理にしたANDが描かれ
 ているので、このように書き換えています。
56_20230911101401

1G57と1G58の違いは出力段のORが
非反転か反転になっているのかの差。
57
同じように1G97と1G98も出力段の違い。
97
「57、58」と「97、98」の差は。
  ・57はXNORが作れる。 58はXOR。
  ・97、98はデータセレクタが作れる。

74LVCシリーズですので、入力トレラント(max 5.5V)機能を
持っています。
電池2本の電圧範囲2~3Vでゲートを動かして、0~5Vレベル
の入力電圧で制御することができます。
これはなかなか便利。

そしてもう一つの特徴が、3つの入力全部がシュミットに
なっているということ。
あれこれ信号をインターフェースするにはこれはありが
たい。

もう一つ。 74LVC1Gシリーズを調べていて、こんなのを発見。
  74LVC1GX04
「04」なんでインバータかと思いきや・・・
「水晶発振子ドライバ」として作られています。
こんな接続で使います。
55_20230911101601
  (TIのデータシートより)

水晶発振に特化した「1GX04」という品種は「74LVC」だけ
みたいです。


※XORゲートの応用
片方の入力をH/Lすることで、バッファとインバータを
切り替えできます。
X11_20230911105101

74LVCの電源電圧範囲
CQ出版の古い規格表だと「1.65~3.6V」と記されています。
トラ技記事の抜粋でも
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2004/09/p165-166.pdf

でも「1G」タイプ(1ゲートもの)だと「1.65V~5.5V」に。
14ピン以上のピン数の「74LVC」は、
1.65V~5.5Vと1.2V~3.6V、そして1.2V~5.5Vが
混在しているようです。
個別のデータシートをよく見ましょう。

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2023年9月 8日 (金)

工具は使ってみなきゃ使い勝手が分からない

「ツール類の購入」、「こりゃエエやん」というのも
あるし「こんなもんかぁ」とか「2度と買うかっ!あほ」と
いうゴミもどきのものにも出会います。

先日のこと、とあるメカ系制御回路基板の試運転で、
大量の端子台をゆるめたり締めたりする案件が発生
しました。
サトーパーツの端子台「ML-250」、これの7pと8pが
基板の両端に付いています。
P12_20230908133901

試運転のための検査治具回路をつなぐのに、
  (1)端子台のネジをゆるめる 合計15本
  (2)治具につながる小基板を差し込んでネジを締める
  (3)通電試験
  (3)OKとなればネジを緩めて治具基板を外す
  (4)ネジを元通りに締める
ひたすらこの動作をしなくちゃなりません。

P13_20230908134001

ほんとに大量にあるのなら「ピン治具」を作って
もらってとなるんですが、そこまでの数じゃあり
ません。
  (忘れた頃にやってくるような仕事)

そこで・・・充電式ドライバーを買ってみました。
近所のホームセンターへ行って・・・
あれこれ見てて選んだのが
ベッセルの「電ドラボール・ハイスピード」
「No.220USB-S1DR」
P11_20230908134101
締め付けトルクを可変できるのが良かったのですが、
置いてませんでした。
この外箱の写真に、「端子台での作業風景」が映ってい
たんで「こりゃ良いかも」と手を出しました。
しかし・・・失敗でした。

・回転が速い
 最大締め付けトルクが「0.4N・m」と他の電動ドライバー
 よりだいぶと弱くなっていますが、軸の回転が
 1200RPMと速いのです。
 今回の用途、ネジを外すんじゃなく緩めたいだけなのに、
 勢い余ってネジが端子台から抜けてしまうのです。

・締め付けトルクがまだ強い。
 「0.4N・m」でも締めるときはしっかり過ぎるぐらいに
 締まっちゃいます。 
 治具の端子が接触するだけでOKなのに、きつく締まって
 しまいます。
 試験が終わってネジを緩めるとき、緩める時のトルクが
 不足して、手で補助しないと緩まないという事態が発生。
 締まりすぎです。

・スイッチが使いにくい
 中間位置で停止するスライドスイッチで締め・緩めを
 操作します。
 今回は机上に置いた回路の端子台に対し、ドライバー
 を垂直に立てて使います。
 ドライバを握って親指でスライドスイッチを↑・↓操作
 するわけですがこれがアウトです。
 ちょんと動かしたいのに、良いところでストップできない
 のです。
 緩めるとき、このせいで回し過ぎが発生し、ネジが抜け
 ちゃいます。 回転が速いというのもあります。
 スライドスイッチじゃなく、ボタンスイッチが欲しい。
P14_20230908134101

せっかくですんで、「中」を見てみました。
  ※スイッチ、改造できないかと
   思ったんですが・・・無理そう
P15
青いのが電池
P16
スライドスイッチが基板に乗ってます。
P17
モータと減速機のギヤ
P18

使い勝手の良い電動ドライバー(締め付けトルクを小さく
できるような)ないでしょかね。

乾電池で動かすようなおもちゃのようなのを買ってきて、
外付け電源で、電流リミッタでトルクを監視するか・・・

※追記
AC100V仕様のクラッチ付ドリルドライバーは
こんなのを持ってます。
P21_20230909092301
  ※写真に入れた文字を間違ったぁ。
   正しくは「リョービ」。

大物装置のネジ外し、ネジ締めにはしっかりしてて良いのですが、
今回のような基板に乗った端子台には不向きです。

回転スピードを調節できるので、M3、M4程度ならタップ切り
も可能です。


※ドライバー内の電池と基板
101_20230911103101
USBコネクタは充電用。
基板の裏にも回路が仕込まれています。
濃密すぎて手が出せません。

↑・↓のスライドスイッチは、両端でロックするタイプじゃなく
指を離せば中央に戻ります。

※追記 パッケージの写真
Db11

この写真↓を見て「端子台のネジ締めにも便利」
なんだと考えた。
Db12
ところが・・・ 今回の用途ではアカンかった。
ドライバーを垂直位置にして握ったときの、スイッチ
操作がアカン。
親指がぁ痛くなってきて、ますます反応が悪く・・・
緩めしなのストップが間に合わず、端子台から
ネジが抜けちゃいます。

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2023年9月 6日 (水)

ガレージPCのマウスが不調

2021年5月18日:エレコム製ワイヤレスマウスの修理情報
この記事と同じマウスをガレージのPCで使っています。

51_20210518091401

少し前から、調子が悪い。
  クリックがおかしい
  ドラッグに失敗する
2023年1月19日:「マウスが落としよる」・・・ なにそれ?!
と同じ症状。

そこで、スイッチ(3つとも)を交換。
中央ホイール部のスイッチは良好でしたが、
左右のはもろに接触不良が発生。
  スイッチを外してから、3V電源10kΩ負荷で
  接触状態を観察。

こんな波形です。

  ダブルクリック。
B000_20230906084801
  もう一つダブルクリック
B001_20230906084801
  ちょんとシングルクリック
B002_20230906084801
ドラッグしてボタンをオフする時のチャタリングが
悪さをします。
おかしいと思ったら早めの対策を。

※外したスイッチ
Mm31

その中。
Mm32

今回の交換で使ったスイッチはこの時↓
 ・2010年11月24日:息子はトラックボール使い
 ・2016年02月08日:息子はトラックボール使い#2
に買ってあったストック品。
   オムロン D2F-01F
もう一つしか残ってないので、非常用に10コほど
買っておこうかしら。

※「D2F-01F」の最後の「F」は動作力の違い。
   F無 : 1.47N
   F有 : 0.74N
秋月で扱ってる。

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2023年9月 5日 (火)

ダイソーのE17口金LED電球

文鎮:ハンダ付け補助ツール製造元の佐藤テック君ところ
からやってきたダイソーのE17口金のLED電球。
自宅で使っていてチカチカし始めたので交換したと。
『あかんやつの中、見るか~?』っと、やってきました。

過去、LED電球のトラブル、たいていはLEDそのもの。
回路に使われてるコンデンサが先に悪くなるんじゃないか
と推測するんですが、LEDチップがアウトになって
寿命を迎えるというパターンが多いように思います。

さっそく解体。
Dd11_20230904175401
使われていた電解コンデンサは「200V 12uF」。
外して容量を計ると「10.9uF」。
これならまだ大丈夫でしょう。

LEDチップは10個並んでいました。
  (クリックで拡大↓)
Dd12_20230904175401
チップの中央を見ると、何やら焼けたような跡。

直流電源をつなぎ徐々に電圧を上げていくと100Vあたりから
光り始めました。
Dd15

もう少し電圧を上げると、117Vで10mA流れました。
しかし電流値が安定しません。
  発熱してくると、チカチカと

0.2mA流した状態で各チップの電圧を計ってみました。
順に、   (単位はV)
-------------
  10.1 10.1 15.0
10.1 12.8 10.0 10.1
  10.1 10.1  7.5
-------------
仲間はずれが3ついます。
玄関で使っていたということで、夜間だけ点灯という
条件です。
『使い初めて3年くらいかな~』ということでした。


2019年から使っている仕事場作業机上のE17口金LEDランプ
これはまだ元気です。

※LEDチップそのものがアウトになった例
2022年12月1日:ダイソーの400円LED電球、寿命! 昨晩、切れちゃいました
2020年2月27日:コーナンブランドのLED電球 寿命
2019年1月18日:修理:LEDクリップライト、点滅!
2016年01月03日:パナソニックLED電球 LDA7D-A1 寿命!


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2023年9月 4日 (月)

LEDドライバー、どうしよう

夏の行事も終わり、来年に向けての反省点が
出てきています。
メインイベントはなんといっても4年生を対象
にした校庭キャンプ。
その中、「きも試し」での電気回りが私の役目。

オバケ役のお母さんからこんなお話が。
真っ暗な廊下で子供達が来るのを待ってて、
近づいてきたら、懐中電灯で自分を照らします。
その操作で手が塞がるのでなんとかできればという
要望です。

こんなイメージ。
H44

人感センサーで子供らの接近を検知したら
LEDをしばらく点灯。
自動でオバケ役を照らそうという仕掛けです。

さて、そのLEDドライバをどうしようかと思案中です。

・電池2本で駆動
・1WクラスのパワーLEDを使う
   フルパワーじゃなく1/2~1/3のパワーで
   100~150mAくらい
・オンオフ制御

使えそうなドライバIC、2種類手持ちにありました。
その一つが安価なPAM2803。  デジキーで100円ほど
Pam2803

Rsの抵抗値でLEDの電流が決まります。
ところがこのIC、on/offが苦手。
ICをオフ(シャットダウン)しても、ショットキダイオードを通して
電池電圧がLEDに加わってしまうのです。
電池が元気だと、LEDが弱く光ってしまいます。
完全にオフしようとすると、VIN入力を切らなくてはいけません。

もう一つのICがLTC3490。
Ltc3490

  これは高価。 デジキーで1000円近く。
何かの実験試作での使い残しで、2個、発掘で
きました。
  アナログデバイセズじゃなくまだ
  リニアテクノロジーの時代に買ったかと。
  でも、もっと安かった記憶が。
このIC、VRで電流を設定できるので便利なのです
じわっと明るくするソフトスタートもできます。

あと、あれこれ検索して出てきたのが
マイクロチップのMCP1643。
  200円ほど。
Mcp1643

そしてモノリシックパワーのMP3412。
  これは300円ほど
Mp3412

MCP1643、MP3412もRsでLEDの電流を設定します。

高価だけどLTC3490が便利。
アマゾンで買った人感センサが5つあるんで
5台製作かと。

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2023年9月 1日 (金)

新変異株:通称『エリス』EG5.1

新型コロナウイルス、これまでの
  オミクロン XBB1.16
から、新たな変異株
  エリス EG5.1
に移行してきているそうです。

  ・東海テレビ:ニュース・社会 2023/08/31 21:10

こんなイメージ図まで・・・
Img1

※関連
札幌市:下水サーベイランス 8月29日
Graph0829
神奈川県:下水疫学調査 7月


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