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2023年8月26日 (土)

人感センサー用オフディレータイマー回路

人感センサーで検知信号を引き延ばすには、いわゆる
オフディレータイマー を付加します。
このタイマー回路、『タイマーICといえば555』と
ばかりに555を使って時間を延ばしている回路を
見かけます。
しかし・・・555ではちゃんとしたオフディレーを
実現できません。
555の単安定マルチバイブレータ(トリガー入力に
反応して出力を一定時間オンにする)ではちょっと
もの足らない信号になってしまうのです。

オフディレーで欲しいのはこんな信号です。
  ・入力がオンしたあと、その信号が切れても、
   一定時間出力オンを維持。

  ・入力がオフしたあとも、出力がオンに
   なっている間は、新たな入力オンで出力オン
   時間を延長。(リトリガブル機能)

  ・つまり、入力のon/offがバタバタしても、
   オフになった最後を基点として計時。
     555はオンになったところが計時の
     基点になる。入力オン継続で出力はオン
     している、オフになった時に時間が
     過ぎていればオフになってしまう。

図示すると・・・
0_1
人感センサーを使う時のタイマーは、オンが基点ではなく
オン後のオフを基点にして働いてくれないと時間延長
タイマーの意味がありません。

しかし、555単独ではリトリガブル機能が無いので
これができません。

・555を使った単安定マルチバイブレータ回路
0_2
実際の信号波形を見てみましょう。
まずは単発のトリガーパルス。
Aa_01
計算どうりの出力パルスが出ています。
しかし、欲しいのは入力がオフしてからの遅延です。

トリガーパルスを長くすると、オン時間も
同じだけ延びますが、トリガー入力がオフ
になると、出力はそこで切れてしまい、
オフディレーが実現できません。
Aa_02  
また、パルスが重なってもリトリガーしてく
れません。
 Aa_03

555でリトリガブル機能を実現するには、
入力のオンでもってタイミングコンデンサを
放電する回路を外付けします。

NPNのデジトラを二つ使って、トリガー入力とタイミング
コンデンサの放電を行ってみます。
SWはGNDではなく電源側につなぎます。
0_3
すると、うまくオフディレーができます。
SWがオンすると555がトリガされると同時に
タイミングコンデンサの放電が続きます。
SWがオフするとコンデンサの電圧上昇が
はじまり、規定電圧までの上昇で出力が
オフします。
 Aa_04
リトリガーも大丈夫。
 Aa_05

TI社の555データシート に載っている応用回路では
  ・9.2.1 Missing-Pulse Detector
として、PNPトランジスタを使ったリトリガー回路
が出ています。
0_4

その動作を見てみましょう。
ディレー時間はVc電圧の持ち上がりで若干短く
なりますが、きちんとオフディレーしています。
B05

入力信号が接点のようにタイミングコンデンサを
放電できるくらいの電流を許容するなら、ダイオード
一つでタイミングコンデンサを放電できます。
0_5
その様子です。
Aa_07

555にちょっと部品を外付けすれば、
  オフディレータイマー
  リトリガブル・ワンショットタイマー
が実現できます。

※参考
555ワンショットタイマーを再延長可能に:気の迷い
ESP8266 (ESP-WROOM-02) 工作で使う回路ライブラリ その1 (人感センサーと延長可能ワンショット)
missinng pulse detector :learningelectronics.net Fig.10a
 

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