人感センサー用オフディレータイマー回路
人感センサーで検知信号を引き延ばすには、いわゆる
オフディレータイマー を付加します。
このタイマー回路、『タイマーICといえば555』と
ばかりに555を使って時間を延ばしている回路を
見かけます。
しかし・・・555ではちゃんとしたオフディレーを
実現できません。
555の単安定マルチバイブレータ(トリガー入力に
反応して出力を一定時間オンにする)ではちょっと
もの足らない信号になってしまうのです。
オフディレーで欲しいのはこんな信号です。
・入力がオンしたあと、その信号が切れても、
一定時間出力オンを維持。
・入力がオフしたあとも、出力がオンに
なっている間は、新たな入力オンで出力オン
時間を延長。(リトリガブル機能)
・つまり、入力のon/offがバタバタしても、
オフになった最後を基点として計時。
555はオンになったところが計時の
基点になる。入力オン継続で出力はオン
している、オフになった時に時間が
過ぎていればオフになってしまう。
図示すると・・・
人感センサーを使う時のタイマーは、オンが基点ではなく
オン後のオフを基点にして働いてくれないと時間延長
タイマーの意味がありません。
しかし、555単独ではリトリガブル機能が無いので
これができません。
・555を使った単安定マルチバイブレータ回路
実際の信号波形を見てみましょう。
まずは単発のトリガーパルス。
計算どうりの出力パルスが出ています。
しかし、欲しいのは入力がオフしてからの遅延です。
トリガーパルスを長くすると、オン時間も
同じだけ延びますが、トリガー入力がオフ
になると、出力はそこで切れてしまい、
オフディレーが実現できません。
また、パルスが重なってもリトリガーしてく
れません。
555でリトリガブル機能を実現するには、
入力のオンでもってタイミングコンデンサを
放電する回路を外付けします。
NPNのデジトラを二つ使って、トリガー入力とタイミング
コンデンサの放電を行ってみます。
SWはGNDではなく電源側につなぎます。
すると、うまくオフディレーができます。
SWがオンすると555がトリガされると同時に
タイミングコンデンサの放電が続きます。
SWがオフするとコンデンサの電圧上昇が
はじまり、規定電圧までの上昇で出力が
オフします。
リトリガーも大丈夫。
TI社の555データシート に載っている応用回路では
・9.2.1 Missing-Pulse Detector
として、PNPトランジスタを使ったリトリガー回路
が出ています。
その動作を見てみましょう。
ディレー時間はVc電圧の持ち上がりで若干短く
なりますが、きちんとオフディレーしています。
入力信号が接点のようにタイミングコンデンサを
放電できるくらいの電流を許容するなら、ダイオード
一つでタイミングコンデンサを放電できます。
その様子です。
555にちょっと部品を外付けすれば、
オフディレータイマー
リトリガブル・ワンショットタイマー
が実現できます。
※参考
・555ワンショットタイマーを再延長可能に:気の迷い
・ESP8266 (ESP-WROOM-02) 工作で使う回路ライブラリ その1 (人感センサーと延長可能ワンショット)
・ missinng pulse detector :learningelectronics.net Fig.10a
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