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2023年5月22日 (月)

容量マルチプライヤ回路

「容量マルチプライヤ回路」を調べてたらこんなのが。
  ・CQ connect:容量を大きくみせるマルチプライヤ回路

リライトした回路図↓
B20_20230522115101

LTspiceの結果として、こんな特性が示されています。
B21_20230522115101
  (上記ページより (図8))

「稲葉保 著 精選アナログ実用回路集」
Cd1_20210816095701

にも同様の回路が出ています。
タイトルが
 可変抵抗器で容量を可変できる容量マルチプライヤ回路

低周波域で「可変容量コンデンサ」つまり「バリコン」を
作れるぞ!という興味ある回路です。
  (ただし片側がGNDになる)

で、ここからが問題提起。
  ※試したわけじゃありません。

コンデンサとしての値を大きくしようとして
アンプA2のゲインを大きくしたら(R2を大きく)
A2が飽和するんとちゃう?

Cを100倍にしようとA2を100倍にしたら、増幅できる
信号振幅の1/100までしかうまく動かない。
±10Vなら±0.1Vまでしか扱えないということに
なるのでは・・・

どなたか、確かめていただければと・・・

昔々・・・
2011年04月21日:60Hzノッチフィルタ回路
FDNR回路を使ったんですが、ここでもアンプ出力の
飽和が悪さをしてました。
  ※シミュレーションじゃなく実回路で試しました。


※追記
「精選アナログ実用回路集」での回路を示しておきます。
Mm11

VR1による倍率設定は「1~11」となっていて、
CQ connectのように欲張っていません。
  (x100、x1000)

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コメント

LTspiceでやってみているのですが、デフォルトの設定では収束しなくて手強いです。うまく行ったらまたコメントしますね。

動作のイメージとしては、コンデンサの反対側を逆電圧に振ることで容量を大きく見せているのだから、飽和したらそれまでですよね。

投稿: ラジオペンチ | 2023年5月22日 (月) 18時23分

詳細説明へのリンク先があるのに気付かないでうだうだやってたのですが、リンク先見て一気に解決。流石プロが書いただけあって凄く参考になりました。

で、たぶんご覧になりたいのは下記ではないかと。
入力電圧5Vで10倍, 100倍の時の各部波形です
https://blog-imgs-166.fc2.com/r/a/d/radiopench/20230523LT2211-10x.jpg
https://blog-imgs-166.fc2.com/r/a/d/radiopench/20230523LT2211-100x.jpg

投稿: ラジオペンチ | 2023年5月23日 (火) 16時44分

ラジペンさん、ありがとさんです。
LTspice、ちゃんと信号の飽和を処理しているのですな。
入力レベルを変えて(飽和、非飽和)、入力周波数をスキャンするとどうなりますでしょうか?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月23日 (火) 20時27分

アンプA2が飽和したらアウトということで、「大信号では使えないぞ」が結論でしょうなぁ。

FDNRにしても、「使用上の注意」が必須かと。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月23日 (火) 20時38分

周波数をスイープしたシミュレーションはAC解析と呼ばれていますが、このモードでは線形なモデルの振幅と位相しか扱っていません。なので飽和とかは見れないんですよね。極端な例として入力に1000V入れた結果が下図。(モデルは文献のまま)
https://blog-imgs-166.fc2.com/r/a/d/radiopench/20230524LT2211-ACana.jpg
激しく飽和するはずですが、縦軸が60dB上にシフトするだけで涼しい顔しています。

もちろんトランジェント解析なら精密なシミュレーションが出来ますが、その場合、周波数をスイープした解析は出来ないと思います。
やるとしたら、周波数をスッテプで変えるくらいしか思い付かないのですが、結果のグラフは周波数の違う波形が重ね書きされるので、えらく見難くなってしまうと思います。
このあたり、もっとうまい手があるかもですが、私の知識ではこれがせいいっぱいです。

投稿: ラジオペンチ | 2023年5月24日 (水) 06時43分

なるほど。
周波数スープでの解析、こいつだと「飽和」は無視なんですな。

それで、原文での周波数応答がキレいに見えていたと・・・
原文を読み直しますと、図5と図6の間に、
 『OPアンプは最大出力電圧以上の信号は
  扱えませんので,大きな等価容量を得
  るためにゲインを高くすると,OPアン
  プの最大出力電圧と反転アンプのゲイ
  ンの関係から,小さな入力信号しか扱
  えません.』
と。
これはアカンやんです。
理論的には面白いけど、「実用的回路」じゃない。

FDNRでのノッチフィルタ、「実用にならんやん」を感じたんも「実回路でなんかおかしい」が発端でした。

探せば、こんな回路、あれこれ出てくるのじゃないかと。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月24日 (水) 09時06分

「精選アナログ実用回路集」では「x1~x11」と欲張っていないのは、そこらへんがあるのかな。
「大信号は扱えないぞ」の注意書きが必須の回路ということで。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月24日 (水) 09時08分

容量マルチプライヤを検索していたらこんな情報が。

http://lonvic.web.fc2.com/WorkShop/1F0_Filter/Filter.html
http://lonvic.web.fc2.com/WorkShop/66_Filt/Filt.html

マイクロチップのVFC/FVC「TC9400」の応用回路例に
「capacitance multiplier」を使った
「ripple filter」が出ていると。

反転入力と出力につないだ
  二つのコンデンサの比
が「魔法」なの?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月25日 (木) 09時00分

TC9400のデータシートで紹介されている「ripple filter」、平坦じゃない。fc付近でピークが出る。何か間違ったか。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年5月25日 (木) 11時22分

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