こんなところに「256-1」が
トランジスタ技術2012年1月号
特集が「エレクトロニクス格言集」
その中の第3章 アナログ2:計測&センサ
・3-6 抵抗分圧比をA-D変換するときの
基準電圧ICは無駄使い
サーミスタの抵抗値を直列に入れたRpの値から
求めようという手法の解説です。
抵抗の算出式から基準電圧値は不要で、
ADCの分解能が分かれば良いと。
この「?」と記したところに「2^N - 1」が出現!
8ビットA-Dなら255に、10ビットなら1023にという
ことなんですが・・・これは間違い。
フルスケール値 + 1、つまり分解能で計算しなくては
なりません。
これだとA-D値が1/2(半値)になるとき、「Rx = Rp」
となりません。
で、仮にADCが8ビットとすると
Nx = 255 * Rx/(Rx+Rp) これを変形していくと
Rx = Rp * (Nx / (255 - Nx))
Rx 未接続のとき、つまり∞の時。
この時のA-D値はフルスケールになってNx=255。
すると、分母の (255 - Nx) がゼロになってしまい、
DIV0エラーに!
255じゃなく、256だと 256 - 255 = 1で
Rx = Rp * 255。
Rp値の255倍以上の時(無限もOK)に
A-D値255が出てきます。
ということで 「2^N - 1」は大間違い。
半値や1/4値、3/4値で確かめれば「なんかおかしい」
っと思うはずなんですが・・・。
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