« こども向けの本がおもしろい 『宇宙食になったサバ缶』 | トップページ | こんなところに「256-1」が »

2023年3月 7日 (火)

館内閲覧用だった? 「アンテナのある風景」「電子管の歴史」

たまたま検索していて見つけたこの2冊。
両方とも重い!

Ss0

Ss1_20230307085701

こういった本、通常は館内閲覧用で貸し出し
できないのが多いはずなんですが、普通に
リクエストできて貸し出しできました。


電子管の歴史」には貸し出しカードが付いているんですが、
貸し出しの記入がありません。
昭和62年11月発行ということは1987年。
分類「549.2」で「書庫」っと背表紙にシールが貼ってあります。
中央図書館へ行っても、窓口でリクエストしないと見せてもら
えない本なのでしょう。

アンテナのある風景」は「書庫 大判」とシール。
これも眠っていたようです。

2008年06月11日:「アンテナのある風景」が図書館にありました
  これ↑と同じものなの?・・・でも表紙が違う

|

« こども向けの本がおもしろい 『宇宙食になったサバ缶』 | トップページ | こんなところに「256-1」が »

」カテゴリの記事

サイエンス」カテゴリの記事

技術史」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ.お世話になっております.
 貴重な書籍を図書館から借り出すことが出来たようですね!

 「アンテナのある風景」は表紙にMRCと表示されているので,MRC(移動無線センター)版だと思います.書店で販売されたのは表紙一杯にパラボラアンテナ(臼田61m,現64m)を掲載したカバーの付いたバージョンだと思います.こちらはMRCに代えてCreate Cruiseのロゴが入っています.
 本書は(財)移動無線センターの設立30周年を記念した出版物であり,クリエイトクルーズ(CC)社によって制作されたもので,1994年に初版を4000部作ったそうです.うち2000部を全国の図書館に寄贈し,500部を関係者に献本し,1500部を書店経由で販売したそうです.
 当時としてはアンテナの写真集を豪華な大判書籍にまとめるにあたって,破格の制作予算(都内の4LDKマンション1戸ぐらい)が計上されて,カメラマン3人とCCの社長が日本全土を約1年間にわたって撮影行脚したそうです.
 Y省M部長の肝いりの企画であり,国公立の大学や研究所のほか,防衛庁(当時)や在日米軍施設への立ち入り撮影が包括的に可能な印籠(許可証)を発行してもらうことができたので,手続き上はスムーズに撮影を進めることができたそうです.とはいえ大自然の中にある設備なので,季節や天候や時刻によってベストの撮影タイミングが制約されるため,たった1ショットのために何日も泊まり込んで撮影したものもあるそうです.また,防衛庁や米軍施設の写真については掲載許可が得られずに見送った物もあるそうです.
 その後,2019年に片面2層DVD-ROM(8.5GB)を使った電子書籍として復刻いたしました.そこには当時掲載できなかった写真の一部も掲載されています.

 「電子管の歴史」は真空管の神様各位に(神様を統べる)大神様が執筆を依頼してまとめた希有の名著だと思います.私が高校生の頃は「全日本真空管マニュアル」(一木吉典著)なんてのがあって,バイブル的な存在でした.この「電子管の歴史」はまさに日本の電子管の歴史をまとめたものと存じます.京都大学卒業と同時に神戸通工の真空管工場を新設し,戦後はシャープ中興の祖であり,またAppleの故スティーブ・ジョブスの師でもある佐々木直さんとか,ソラを開発した西堀栄三郎さんとか,2K25の国産化に成功した後にマイクロ波化学の道を開いた柴田長吉郎さん,橘型マグネトロンで戦時中の国産レーダーの窮地を救った中島茂(伊藤茂)さんをはじめ,真空管開発のオールスターズの皆様が寄稿されています.これらのスター陣に執筆させたのがthe God of Godsである岡本総吾先生ですね.岡本先生に頼まれたら,God各位は執筆協力せざるを得なかったんじゃないかと思っています.(^^)

投稿: oxy | 2023年3月12日 (日) 23時16分

oxyさん、解説ありがとうございました。
  ※本に綴じ込んでおきたい内容です。

「『アンテナのある風景』の刊行に寄せて」という題で郵政省電気通信局電波部長さんからのメッセージが記された紙がはさみ込んでありましたよ。

「電子管の歴史」も増幅回路用だけでなく、計数管や蛍光表示管のお話も面白かったです。
水銀整流管も、名前は知ってるけど、中はどうなんてるんだの知識は無いわけでして。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年3月13日 (月) 14時52分

アンテナの話は続く・・・
 「電子立国 日本を育てた男-八木秀次と独創者たち」
http://igarage.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-3838f2.html

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年3月14日 (火) 09時24分

こんにちわ.レスありがとうございます.

>電波部長さんからのメッセージが記された紙
 おぉっ!贈呈先への送り状が入っていたのですね(^^)

>佐々木直さん
 うっ,読み返していてご芳名の誤字に気づきました.
 佐々木 正さんでした.失礼いたしました.
 惜しくも2018年に102歳でご遠行されてしまいましたが,98歳のときに著された「生きる力 活かす力」は自伝的内容で興味深く読みました.
 佐々木 正さんはシャープのLSI電卓生みの親でもあり,小型潜水艦に乗り組んで(MTI機能付きの新型)ウルツブルグの設計図を日本へ持ち帰った話,今日でもアフリカ女性たちが身にまとう衣装のきっかけは佐々木 正さんが戦前にアフリカへ持ち込んだ実家の反物がきっかけだそうです.
 いったい何人分の人生を過ごされたのかと敬服いたします.

投稿: oxy | 2023年3月14日 (火) 09時43分

「幻のレーダー ウルツブルグ」は、ずいぶん前に読みました。(図書館から借りて)
「CQ出版やん! すごい!」っと記憶があります。
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/74496/

次は「佐々木正」さんの本、借りてみます。
「生きる力活かす力」以外に図書館の検索で出てきたの
・ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
・はじめに仮説ありき:明日を拓く“技術屋魂"の世界 佐々木 正/著
・全員反対!だから売れる 吉村 克己/著 東京:新潮社
   佐々木正(元シャープ副社長)-IC電卓で半導体産業を創出

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年3月15日 (水) 21時32分

こんばんわ.レスありがとうございます.

>次は「佐々木正」さんの本、借りてみます。
 佐々木正さんの晩年の言によると「人生六毛作」だそうです.98歳の時に「100歳からは六毛作や」と意気込まれていたようです.いろんな意味で頭が下がります.普通の人は定年退職してからがセカンドライフでしょうから,人生二毛作だろうと思います.
 「ロケット佐々木」の異名は,とにかく決断が早く実行が速かったので,周囲からそのように呼ばれていたようです.
 佐々木さんにお目にかかることはありませんでしたが,今ならYoutubeで生前の佐々木さんにお会いすることができます.ビデオを見るだけで,なんだか元気をもらったような気分になります.ヒッピー時代のスティーブ・ジョブスがシャープ・アメリカ社長時代の佐々木さんと交流があったのは運命と思えます.その後,Appleを追い出された傷心のジョブズが,アポなしで日本法人の本社受付にやってきて佐々木さんに面会します.ジョブスは元気をもらって帰国し,iMac,iPod,iPhoneを世に送り出し復活を遂げました.

 佐々木さんは,1960年代半ばにシャープ創業者の早川徳治さんに請われて同社に迎え入れられ,LSI電卓などの事業を成功させてシャープ中興の祖となりました.その早川徳治さんの自伝的著作「私の考え方」と「シャープを創った男 早川徳次伝」(平野 隆彰著)も面白く記憶に残っています.ところでロックフェラー・グループ創業者のジョン・ロックフェラーは,石油業界で同業者から蛇蝎のように嫌われつつも事業を成功させて大富豪となりましたが,質素に暮らします.その影で,彼は匿名で教会や児童擁護施設や学校などに多額の寄付をし続けますが,その善行は晩年まで知られることはありませんでした.
 早川さんは関東大震災でシャープペンシル事業と家族を喪失し多額の借金を抱えます.しかし,持ち前のバイタリティーと創意工夫によって早川(電機)工業を成功に導きますが,自分自身は工場敷地内に小さな家を建ててそこに住まいます.そして早川さんは,地域に病院やら障害者雇用工場を作り,また全国の児童養護施設に永年にわたり匿名で寄付をし続けます.そのあたりがロックフェラーと重なって見えます.
 そんな早川さんが創業したシャープが日本の会社でなくなったのは少し寂しいですが,日本を敬愛する台湾の事業家テリー・ゴウに買収されて復活を遂げたのは嬉しくも複雑な心境です.

投稿: oxy | 2023年3月17日 (金) 05時08分

店主さま,
 こんにちわ.お世話になっております.

 「幻のレーダー ウルツブルグ」をCQ出版社で発行するよう当時のT部長に進言したのは,アンテナ技研の創業者である佐藤源貞さんだそうです.


投稿: oxy | 2023年4月 4日 (火) 10時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« こども向けの本がおもしろい 『宇宙食になったサバ缶』 | トップページ | こんなところに「256-1」が »