Arduino UNOで0.00~40.00mA定電流負荷回路
過去、あれこれと定電流回路を紹介してますが、
今回のは電流は少なめ。
2023年1月 2日:PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用で
2023年1月 7日:PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用、解決方法
この続きで、「4~20mA電流ループ・インターフェース」回路用の
実験用定電流回路です。
計測系での4~20mA電流ループ・インターフェース、こんな
つなぎ方があります。
・装置側が電源を持っていて、計器側は
その電流をちょっともらって回路を動かし、
結果を4~20mAの電流にして返す構成。
2線でつなげます。
ちょっとの電流で動かせる圧力センサーとか
温度センサーなど。
・計器側の電流消費が大きい時は、装置側から
電源を供給。
3線接続。
・計器側は自分で電源を持っていて、
測定値を4~20mAで出力。
制御装置からの供給だと4線で接続。
こんな回路のテストには4~20mAの電流発生器
あるいは定電流負荷回路が必要になります。
※中華製のが安く出ているようですが・・・
計器の真似を(装置側から電源をもらって動作)
しようとしてもよかったんですが、汎用的に
使える吸い込み型の定電流回路=定電流負荷
にして、
「PWM+LPFによるDACの能力」
を確かめてみました。
※電流ループだと、電流の向きさえ合わ
せれば定電流回路はどこにでもつなげる。
ボリュームやポテンショ、あるいはスイッチで
Vp電圧を操作して、「Vp÷Rs」で電流を決める
という方法です。
設定した電流を読む方法が、
・ループの途中に電流計を入れる。
・Rs両端の電圧から電流値を計算。
と、いうのが普通。
今回は、
PWM+LPFで出したVp電圧と、検出抵抗Rs値を信じて、
PWMのデューティを変えて電流値を可変出力。
という方法を使いました。
ブロック図で示すとこんな具合。
校正モードで設定するのは、デューティ100%
(MPXのVref選択入力がいつもH)のフルスケール電流値。
これを「0.01mA」単位の読みで(別の神様電流計で計測)
設定します。
※今回はフルスケールで12bitあたりを狙っています。
校正時、デューティ100%で仮に40.00mAが出てきたと
すると、PWMでのデューティ設定範囲は「0~3999」
にします。
つまり、デューティ0/4000~3999/4000が範囲。
デューティ比がそのまま「mA」値になり、
「00.00~39.99mA」と0.01mA単位で設定できるはず・・・
そんな目論見です。
そして、0.00mA→0.01mA→0.02mA→という最小桁を
安定して可変する出力というのもやってみたかった
制御で、そのために
・オフセット電圧の小さなオペアンプを選ぶ。
・バイアス電流も小さいの。
・±電源で動作させる。 ぜいたくに。
使ったケースは
2022年8月24日:パルスジェネレータを作ってみた:箱に入れた
での、ダイソー・100円(税別)樹脂ケースです。
FLUKEを電流計モードにして操作してらほんとにぴったし。
エエ感じにできました。
手動操作だから PWM+LPF でも時間遅れは気になりません。
※セトリング時間、なに?それ?のモード
「0.01mA」桁の操作がそのままテスターの読みに
出ます。
電流の読みを見ながらポテンショを左右に微調という
操作とは違う感覚です。
Rsを小さくすれば電流値を大きくできます。
今は20Ωで40mAですが、2Ωなら400mA。0.2Ωなら4Aに。
※電流を大きくしようとすると、FETのゲート
駆動電圧を高くする必要があるかもです。
オペアンプの+電源が+5Vでは間に合わないかも。
※関連
・2021年4月4日:オペアンプとMOS-FETを使った定電流負荷回路
・2020年8月27日:オペアンプとMOS FETを使った定電流回路・・・電子負荷回路・・・
・2020年3月12日:定電流回路の電流検出抵抗を試す
・2020年1月24日:メモ:4-20mA電流ループ用ICとデジタルアイソレータ
※現時点の回路
・手持ち部品の関係でロータリーエンコーダはBOURNS
のを使用。
・2回路入りオペアンプを使ったのも手持ち部品の関係。
※スケッチ zip圧縮
ダウンロード - cl40ma1.zip
※温度変化の様子
・2022年7月6日:デジタルテスター「FLUKE 87IV」の赤外線通信ユニット完成
でFLUKEテスターからのデータ吸い上げができるようになった
ので、定電流回路の温度変化を調べてみました。
使ったのはこの→2017年11月6日:液晶表示器「焼き鈍し」
での保温箱。
この中に定電流回路を置いて通電開始。
「電球」で段ボール箱内を温めます。
結果・・・
定電流回路の設定を20.00mA。 (供給電圧は24Vで)
その時のテスターでの読みが20.003mA。
箱内を50℃まで上げると19.983mAに。
20.003mA→0.02mA下がりました。
30℃の温度上昇で電流がざっと0.1%下降。
1℃に直すと「33PPM/℃」。
基準電圧の変動なのか電流検出抵抗RsとかLPFの
分圧抵抗の変動なのか。
もうちょい調査が必要です。
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コメント
計装系の4-20mA電流ループ・インターフェースっていつ頃が起源なんだろ?
球の時代?
もっと遡れるの?
セルシンとかシンクロとかが絡む?
それとも、4mAの電流で自分で動かせる(センサー回路を)ようになってからの話?
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2023年1月13日 (金) 21時16分
NIのsiteによれば、1950年代から使われているとのことです。英語のWikipediaにも同様の記述があります。
https://www.ni.com/ja-jp/innovations/white-papers/08/fundamentals--system-design--and-setup-for-the-4-to-20-ma-curren.html
投稿: CPU.BACH | 2023年1月14日 (土) 23時55分