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2023年1月

2023年1月31日 (火)

LEDの絶対最大定格:逆電圧(Vr)への反論

電子部品それぞれに設けられている「絶対最大定格」。
 ・なにがなんでも越えちゃダメ。
 ・越えたらつぶれるかも。
 ・越えるような設計、誰がした。
という解釈かと。

で、この絶対最大定格について(LEDに限って)
 ・重箱の隅モード
 ・いまさら
なんですが、どう考えたら良いか・・・
  皆さんのご意見を!

LEDのスペックに記された「絶対最大定格」の中に
「逆電圧」が出てきます。
この逆電圧、たいていが「5V」。
   ※単素子の場合。
   ※中には4Vや6Vというのもあります。
   ※電気的特性の項目に、逆電圧4Vなら
    最大10μAの逆電流が流れるとかが記さ
    れています。

LEDに逆電圧が加わる回路といや7seg LEDの
ダイナミックスキャン。

簡単に2桁の7seg LEDを図示します。
カソードコモンで駆動するように記しました。

71_20230131124001
右桁を駆動して、AセグはオフでBセグをオンした
ところがこれ。

72_20230131124101
この駆動方法、アノードとカソードともCMOSレベルで
ドライブすると、消えているD1逆接になります。
5Vで動く回路なら、5Vが逆に加わって、絶対最大定格の
逆電圧に達します。
駆動回路が5Vよりちょい上の電圧なら絶対最大定格を
越えちゃうわけです。

回路的に逆電圧を避けようとするのなら、
  ・アノード側あるいはカソード側、それとも
   両方とも、オープンコレクタ(ドレイン)
   の素子で駆動。
という方法があります。
  ※5Vより大きい電圧じゃないとLEDが光らない
   なんて時はこの方法です。(2直,3直の場合など)

そして、マイコンのポートで直接駆動するのなら、
  ・駆動しないところを「入力ポート」にして
   逆電圧を避ける。
こんな方法もあります。

しかし、CMOS出力ポートでH/L駆動して逆電圧を加えても
壊れないというのも経験しています。

この「大丈夫だ」という理屈の説明をどうすれば
なんですが・・・
  ・電流制限抵抗があるので、逆電圧を超えても
   最大電流、最大電力を越えないから大丈夫。
と言えるかなぁ、と思います。

しかし、「劣化はしないのか?」となると、スペックの
記述からは読み取れません。

ネットを探すとトランジスタの劣化についてこんなのが
見つかります。
・トランジスタの“落とし穴”はブレークダウンにあり:EDN japan

  ※電流制限されていない状態でB-E間に
   逆電圧が加わったのが原因でしょうけれど、
   「劣化」と呼んでよいのか・・
  ※制御されたブレークダウン(電圧は超えるけど
   電流、電力はOKの範囲)ならどうなる?

いかがでしょう。


※追記
2022年12月20日:ガレージのLED表示デジタル時計がダウン
2012年08月03日:16セグメントLEDを使った時計:回路図
  ※カソード、アノードともTr(オープンコレクタ)で駆動

2022年12月21日:7セグメントLED駆動用IC「TM1637」
  ※このICは両方ともオープンドレイン
カソードコモン7セグメント用LEDドライバー MAX7219
  ※CMOSで駆動とは記されていないが、
   コモンはオフ時にV+、セグメントはオフ時に
   GNDになると記されてる。

以下、逆電圧になる回路。
2018年5月31日:電波チェッカ用レベル表示回路案
2018年9月27日:電波チェッカ用12LEDレベル表示回路
2022年12月14日:Arduino UNOを使ったUSB電流計 4桁表示も
2022年11月29日:Arduino UNO(のチップ)を使ったUSB電流計

逆電圧といっても、電流制限抵抗が入っている
おかげで、もろに電源電圧じゃなく反対側の
Vf電圧が加わるようになる場合もあります。

逆電圧にしても、最大電流、最大電力を越えなければ、
破壊には至りません。
しかし「劣化はどうや?」っと言われたら・・・
  わかりません。

ご意見をお待ちしています。



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2023年1月30日 (月)

電流検出アンプ 入力端子になぜかマイナスが出てくる

過去、あれこれ電流検出アンプを使ってきましたが
「謎」の動作に遭遇。
使ったのはTIのINA281A3 。 100倍のアンプです。

回路電源Vsには+5Vを供給。
Rsenseはとりあえず0.1Ω。
IN+とGND間にCVCC電源をつないで、
IN-とGND間に定電流負荷を。

これでちゃんと。負荷電流に比例した出力電圧が
出てきます。
  ※これはあたりまえにプラスだけ

I11_20230130103001

ところが・・・・
IN+へつなげている負荷への供給電源を外すと・・・
IN+端子とIN-端子に「マイナスの電圧」が出現する
のです。

Rsenseの抵抗とIN-側の負荷を外しオープンにすると
およそ「-7.7V」が出現します。

ICの電源は+5V。
プラス電源だけの回路のマイナス電圧が出現で、
なんじゃこりゃ?

負の電圧を発生する可能性は・・・ICの中味だけ。

GNDへの短絡電流は約「-40μA」。
アンプのバイアス電流っぽい。

ブロック図や回路の動作解説には記されていませんが、
ICの内部でチョッパー回路が使われていて、そこで
作られたマイナス電圧が出てくるのかもしれません。


※追記
同種の電流検出アンプに INA290があります。
  ※アンプ後段にFETを付加して電流と抵抗比で
   ゲインを決める方式。
IN281とINA290のデータシートと比べると、
こんな違いが記されています。

まずIN+、IN-端子にマイナス電圧が出たINA281。

H11_20230131084001
入力電圧がマイナスまでOKと。

そしてINA290。
H12_20230131084001

こちらはプラスの入力だけ。

特性のグラフには、最低入力電圧が電源電圧に
依存する様子が示されています。
H13_20230131084201
電源電圧が5Vなら、計れる最低電圧が2.7V
と規制されてしまいます。

INA281は「マイナスまで計れるぞ」っというところの
構造の違いがIN+、IN-端子の電圧に出ているのだろうと
推測してます。

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2023年1月29日 (日)

タミヤ★★ミニ四駆用充電池「NEO CHAMP」950mAh 2400サイクル目

タミヤのミニ四駆用充電池「NEO CHAMP」(950mAh)、の充放電実験
スタートしたのが2021年11月15日
1年ほどして、
2000サイクル目が2022年11月25日
今日、2400サイクル目です。
N11_20230129154301

内部抵抗は「58mΩ」まで上昇。
  ※日曜に出てきたので室温が低かった
   せいもあるでしょうけれど。
N12_20230129154301

2400サイクル目の0.2C放電は「225分」。
0.2Cということは5時間=300分が定格。
225分は75%。
60%の180分になればJISでの寿命。

まだまだ元気です。
2800サイクル目を目指します。

電池あれこれ まとめ

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2023年1月25日 (水)

電動シャッターリモコン Tele Auto FX-1 発振段のコイルが断線

過去、何度かこの機種を修理していますが、
今回は電池の液漏れによるダメージがひどかった・・・

水晶発振回路の同調コイル、これがボビンの
根元で断線。

F51

F52

巻線の根元が緑色になってました。
なんとか復旧。

パーツクリーナーとIPA+歯ブラシで基板をざっと
洗った後の様子。
F53
浮いた緑色をカッターではがすと・・・
レジストの下にあるパターンが見事に溶けていました。
F54
レジストの下に潜り込んだ電解液が悪さをします。
ハンダも変質して、ハンダゴテを当てても簡単には
溶けません。
なかなかやっかい。

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2023年1月21日 (土)

逆富士型40W蛍光灯2灯相当のLEDランプが不調

藤川君とこからやってきました。

「しばらく前に付けたんやけど点滅しだしたわ。
  ホカしてもたろと思てんねんけど、
   下間はん、いるか?」
っと。
 ・・・はい。もらいました。

通電すると、2秒周期くらいで点滅するのです。
チカチカじゃありません。
パッ・パッ・パッ・・・
と1秒暗、1秒明という感じです。

LED部だけはずして通電すると、電圧を30Vくらいまで
上げると光り始めます。
LEDはまだ大丈夫と判断して、電源モジュールを見る
ことにしました。
K11

これがメーカー名なんでしょう、「TENTEN-LED」。
K12

フタを開けると・・・
K13

樹脂の海。
でも、二次側電解コンデンサの頭が開きかけてました。
K14

2200μF/50V、105℃仕様のコンデンサです。
持ち上げて、足を切断して取り外し。
1/5以下の容量でした。

基板は樹脂に埋もれてるんで取り出すことができません。
切って残しておいたコンデンサの足に手持ちのコンデンサを
ハンダ付けして試運転。
ちゃんと光るようになりました。

過去、LEDランプの不調はLEDそのものがアウトになって
ということが多かったのですが、今回は電源部でした。
まぁ、故障にはいろいろあるということで。

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2023年1月19日 (木)

「マウスが落としよる」・・・ なにそれ?!

文鎮 の佐藤テック君からのヘルプ。
最初、「マウスが落としよる」と聞いたときは、
 「マウスを机から落としてしまうくらいどこか
  身体の調子が悪い
のかと思っちゃいました。

マウス・ボタンの接触不良で
 「ドラッグしたとき、思ってもみなかった場所に
  つかんでたモンを置いていきよる
ということでした。

マウス内スイッチにパーツクリーナー「大阪魂」を
ぶっかけたらいっときは接触が回復してたと。
でも、「もうアカン」。
ということでスイッチそのものの交換です。
ロジテックの無線マウス。
Mmx

古いモノだそうで、なかなかややこしい回路のようです。

2010年11月24日:息子はトラックボール使い
2016年02月08日:息子はトラックボール使い#2
で修理した、買い置きが残っていました。

Mmx1
※関連
2021年5月18日:エレコム製ワイヤレスマウスの修理情報

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2023年1月18日 (水)

ATmega4809のシリアルポート

Arduino UNOで使われているATmega328Pには
シリアルポート(UART)が一つだけしかありません。
  ※SoftwareSerialは別物

もっと欲しいゾという時は、
ATmega2560が搭載された「Arduino Mega 2560」を
使いました。
  ※RAMも8kに増えますし。
しかし・・・大きい。 基板サイズがデカいのです。

そこで新しいチップ「ATmega4809」のデータシートを
見ますと・・・UARTが4つになってます。 ←エエやん!

4809には40ピンDIPと48ピンのQFPの2種類が存在します。
40ピンのは48ピンのから
  ポートBの6本
  ポートCの2本
が除かれています。

ポートの割り当て表を眺めますと、UART3が配置されているのは
ポートBです。
代替ポートを選択しようとしてもポートB。

Pb

しかし、40ピンではポートBはが全部省かれてます
ということは、40ピンのATmega4809、UARTは3つしか使えない
ということになるのかと。  ・・・アカンやん。

Pb2
  ※英文のデータシートも同じだった
   UART、3コと4コの区分線がミスってる?

Arduino nano every (48ピンのが使われている)
でも買って、触ってみようかと。

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2023年1月17日 (火)

水晶が原因:映像信号分配装置修理

「日立国際八木ソリューションズ」ブランドの
映像信号分配装置。
この
 「RCA入力(NTSC信号)がアウトになってしまったん
  で見て欲しい」
という依頼がありました。
2013年製で、LANでPCとつないであれこれ設定できる
ようになってるんで、むちゃ複雑な回路になってます。

ダメ元でビデオ信号を追いかけますと、
TI製のICに入ってました。

X11

ネットを探すとデータシートが出てきたんで、まずは
クロックの確認からと、オシロのプローブを水晶に
当てると・・・
   発振していない。

電源電圧を見ても正常。
どうやらこの発振子が原因のようです。
手持ちの14.318MHzの水晶を仮ハンダすると・・・
   動いた!

   ※14.318MHzはNTSCカラーキャリア周波数
    3.579545MHzの4倍の周波数。

元の発振子を引っぺがし、でかいけれどHC-49USの
水晶をくっつけて対処。
これで様子を見てもらいます。

※発振子がアウトで故障という修理、たまにありますんで
 重点チェック箇所です。

2020年7月19日:電波リモコンTele Auto FX-1修理:300kHzセラロック発振子がアウト
2020年1月31日:300kHzのセラミック発振子:Tele Auto FX-1 修理
2019年6月4日:三和シャッター製リモコン RAX-330 水晶発振子の異常
2012年02月02日:PC-8201の水晶発振子

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2023年1月15日 (日)

4-20mA電流ループといえば「アイソレーション・アンプ」

4-20mA電流ループを使った計装回路。
その「受け側」(制御装置側)で使っていたのが
デイテルの絶縁アンプ「AM-I2120」です。

裸で置いてあるのはもうこれ一つです。

Am1_20230115173001

とある土木関係の制御装置で使っていました。
  ※まだ、生きている機械があるんで、
   メンテ用に基板は置いてあります。

どんなもんか紹介しようと思ったら、
ネットを探してもデータシートが出てこないゾ。

アナデバのAD202 あたりが互換品だったはず。
   ↑
 これも廃品種。

これを使った装置のファイルを引っ張り出してきたら、
こんな資料が出てきました。

Am21

   ※ダウンロード - datel_ami2120_scan.pdf

土木装置の先端に付いた圧力センサーから4~20mAの
信号をもらって、ごそごそ。
センサーと制御装置間の距離が長いのと電線の巻き取りに
スリップリングが入っているんで、4~20mAの電流ループ
を使いました。

「デイテル」ってどうなったんだっけ?
昔、ADCやDACをあれこれ使った記憶があります。
パーツボックスを探せば出てくるかな。


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2023年1月13日 (金)

Arduino UNOで0.00~40.00mA定電流負荷回路

過去、あれこれと定電流回路を紹介してますが、
今回のは電流は少なめ。
2023年1月 2日:PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用で
2023年1月 7日:PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用、解決方法

この続きで、「4~20mA電流ループ・インターフェース」回路用の
実験用定電流回路です。

計測系での4~20mA電流ループ・インターフェース、こんな
つなぎ方があります。

・装置側が電源を持っていて、計器側は
 その電流をちょっともらって回路を動かし、
 結果を4~20mAの電流にして返す構成。
 2線でつなげます。
C21_20230113101901
ちょっとの電流で動かせる圧力センサーとか
温度センサーなど。

・計器側の電流消費が大きい時は、装置側から
 電源を供給。
 3線接続。
C22_20230113101901

・計器側は自分で電源を持っていて、
 測定値を4~20mAで出力。
 制御装置からの供給だと4線で接続。
C23_20230113102001

こんな回路のテストには4~20mAの電流発生器
あるいは定電流負荷回路が必要になります。
  ※中華製のが安く出ているようですが・・・

計器の真似を(装置側から電源をもらって動作)
しようとしてもよかったんですが、汎用的に
使える吸い込み型の定電流回路=定電流負荷
にして、
  「PWM+LPFによるDACの能力」
を確かめてみました。
  ※電流ループだと、電流の向きさえ合わ
   せれば定電流回路はどこにでもつなげる。

吸い込み型の定電流回路、基本はこんなの。
C13_20230113102101

ボリュームやポテンショ、あるいはスイッチで
Vp電圧を操作して、「Vp÷Rs」で電流を決める
という方法です。

設定した電流を読む方法が、
 ・ループの途中に電流計を入れる。
 ・Rs両端の電圧から電流値を計算。
と、いうのが普通。

今回は、
  PWM+LPFで出したVp電圧と、検出抵抗Rs値を信じて、
  PWMのデューティを変えて電流値を可変出力。
という方法を使いました。

ブロック図で示すとこんな具合。

C14_20230113102301

校正モードで設定するのは、デューティ100%
(MPXのVref選択入力がいつもH)のフルスケール電流値。
これを「0.01mA」単位の読みで(別の神様電流計で計測)
設定します。
  ※今回はフルスケールで12bitあたりを狙っています。

校正時、デューティ100%で仮に40.00mAが出てきたと
すると、PWMでのデューティ設定範囲は「0~3999」
にします。
つまり、デューティ0/4000~3999/4000が範囲。

デューティ比がそのまま「mA」値になり、
「00.00~39.99mA」と0.01mA単位で設定できるはず・・・
そんな目論見です。

そして、0.00mA→0.01mA→0.02mA→という最小桁を
安定して可変する出力というのもやってみたかった
制御で、そのために
 ・オフセット電圧の小さなオペアンプを選ぶ。
 ・バイアス電流も小さいの。
 ・±電源で動作させる。 ぜいたくに。

使ったケースは
2022年8月24日:パルスジェネレータを作ってみた:箱に入れた
での、ダイソー・100円(税別)樹脂ケースです。

C12_20230113102501

FLUKEを電流計モードにして操作してらほんとにぴったし。
エエ感じにできました。
手動操作だから PWM+LPF でも時間遅れは気になりません。
  ※セトリング時間、なに?それ?のモード

C11_20230113102501

「0.01mA」桁の操作がそのままテスターの読みに
出ます。
電流の読みを見ながらポテンショを左右に微調という
操作とは違う感覚です。

Rsを小さくすれば電流値を大きくできます。
今は20Ωで40mAですが、2Ωなら400mA。0.2Ωなら4Aに。

  ※電流を大きくしようとすると、FETのゲート
   駆動電圧を高くする必要があるかもです。
   オペアンプの+電源が+5Vでは間に合わないかも。

※関連
2021年4月4日:オペアンプとMOS-FETを使った定電流負荷回路
2020年8月27日:オペアンプとMOS FETを使った定電流回路・・・電子負荷回路・・・
2020年3月12日:定電流回路の電流検出抵抗を試す
2020年1月24日:メモ:4-20mA電流ループ用ICとデジタルアイソレータ


※現時点の回路
Cc31

・手持ち部品の関係でロータリーエンコーダはBOURNS
 のを使用。
・2回路入りオペアンプを使ったのも手持ち部品の関係。

※スケッチ zip圧縮
  ダウンロード - cl40ma1.zip

※温度変化の様子
2022年7月6日:デジタルテスター「FLUKE 87IV」の赤外線通信ユニット完成
でFLUKEテスターからのデータ吸い上げができるようになった
ので、定電流回路の温度変化を調べてみました。
使ったのはこの→2017年11月6日:液晶表示器「焼き鈍し」
での保温箱。
この中に定電流回路を置いて通電開始。
「電球」で段ボール箱内を温めます。

結果・・・
Cap074
定電流回路の設定を20.00mA。 (供給電圧は24Vで)
その時のテスターでの読みが20.003mA。
箱内を50℃まで上げると19.983mAに。
20.003mA→0.02mA下がりました。
30℃の温度上昇で電流がざっと0.1%下降。
1℃に直すと「33PPM/℃」。
基準電圧の変動なのか電流検出抵抗RsとかLPFの
分圧抵抗の変動なのか。
もうちょい調査が必要です。

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2023年1月12日 (木)

「A-Dコンバータ活用 成功のかぎ」

図書館で借りてきました。
CQ出版のアナログ・デザイン・シリーズ
  A-Dコンバータ活用 成功のかぎ
    著者:松井邦彦
サブタイトルが「変換のメカニズムと性能の引き出し方」

T21_20230112154701

出版が2010年8月。
大阪市立中央図書館の2階、「技術・産業コーナー」。
書架に並べられた場所、天井に近かったせいで
照明で焼けた(色が抜けた)のでしょう、背のところの
赤色が薄くなってます。
  ※看板の色にしろ赤色ってダメージを受け
   やすいですよね。 どんな理屈なんだろ。

ページを繰りますと・・・
「おっ。 同じことやってる。」と
   ※ひょっとして著者さんがトラ技に書いていた
    昔の記事を見て、それを私が真似っこした
    のかも。

まずDC-DCコンバータの出力に入れる
コモンモードフィルタ」。

T22_20230112154701
実物での実験。
2020年10月13日:「MAU109」の出力にコモンモードフィルタを付けてみる
2020年3月23日:非絶縁型降圧DC-DCコンバータの出力ノイズ低減あれこれ
2016年02月29日:TDKのコモンモードフィルタ 廃番に

そして、オシロのプローブにいれたクランプタイプの
パッチンコア・フィルタ

T23_20230112155001

これは私の作業机上のラックに置いたオシロ。
T24_20230112155001

使ってるプローブ、みんな入れてあります。
使い勝手の関係で、根元側なんですが先っぽと
どっちがエエんだろ。
比較したことないなぁ。

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2023年1月10日 (火)

Gigazineの記事「DDR Type 2の内部構造がすごい」

Gigazine:2023年01月09日 09時00分「旧東ドイツ時代の秘密警察シュタージのスパイが使っていた送信機「DDR Type 2」の内部構造がすごい」
この元記事がスゴイです。

まず、これが件の「DDR Type 2」の元記事
  ・DDR Type 2:Short-wave spy transmitter

関連する写真を追いかけますと・・・
終段管の「2E26」が出てきます。

さらに、さまざまなスパイ装置の紹介を見ますと、
例えば・・・
  ・R-354:Soviet spy radio set (Bumblebee)
1960年半ばの装置となってますが写真を追いかけると
https://www.cryptomuseum.com/spy/r354/img/302308/025/full.jpg
ありゃま。TTLがいっぱい並んでいます。
どうなっているのか、よく分かりませんが「スゴイ」でっす。

写真も多く、よくまとめられてます。
回路図がある装置も。

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2023年1月 9日 (月)

Arduino UNO, Tips and Tricks:analogRead()を捨てちゃうぞ

Arduino UNOでのアナログ入力(A/D値の読み出し)、
通常はこんな感じかと。

・setup()内で
  analogReference(DEFAULT);  // 使う基準電圧を設定
                 // DEFAULTはAVCCの+5V電源
・loop()で
  d = analogRead(A0);  // A0ピンからアナログ入力
              // UNOだとA0~A5の6つから選択

読み出したd値をシリアル出力したり、加工して何かの操作に
使うという具合です。

しかし、analogRead()は結果が出てくるまで時間がかかり、
約100μs待たされます。
時間にきびしい処理の中では使うのはちょっと・・・
となってしまいます。

もし、使うアナログ入力が単一チャンネルで固定して良いのなら、
時間のかかるanalogRead()は捨てちゃいましょう

Arduino UNOのマイコン、ATmega328Pのレジスタを直接操作
して、固定チャンネルの連続変換動作で初期化します
すると、待ち時間無しで(A/D変換完了を待たずに)いつでも最新の
A/D値を読み出せます。

スケッチ例を示します。

//  A/D値読み出し実験  A0ピンが入力
// 読み出し中、PB5をonしてタイミングをチェック
#define PB5_H (PORTB |= (1 << PB5)) // LED on ※1
#define PB5_L (PORTB &= ~(1 << PB5)) // LED off

/***** SETUP *****/
void setup() {
pinMode(13, OUTPUT); // PB5 基板上LED ※1
Serial.begin(9600); // シリアル出力

// A/D入力
// ↓通常の記述
// analogReference(DEFAULT); // ArefはAVCCアナログ+5V電源 ※2
// ↓直接レジスタを操作 ※3
ADMUX = 0b01000000; // VREF設定
// ||| ++++--- MUX3~0 ch0 PC0を入力に ★
// ||+-------- ADLAR 右詰め (LSBがD0)
// ++--------- REFS AVCCから(+5V)
ADCSRB = 0b00000000;
// ||| +++--- ADTS 連続変換モード ★
// ||+-------- IPR
// |+--------- ACME
// +---------- BIN
ADCSRA = 0b11100111;
// |||||+++--- CLK 1/128 125kHz
// ||||+------ ADIE 割り込みしない
// |||+------- ADIF
// ||+-------- ADATE 自動トリガする ★
// |+-------- ADSC 変換開始 ★
// +---------- ADEN A/Dイネーブル ★
}

/***** LOOP *****/
void loop() {
word ad_10; // 10bit A/Dデータ
PB5_H; // LED on ※1
// ↓通常の記述
// ad_10 = analogRead(A0); // A0からアナログ入力 ※2
// ↓直接レジスタを操作
ad_10 = ADC; // 10bit直接 ※3
PB5_L; // LED off
Serial.println(ad_10); // 読んだA/D値をシリアル出力
delay(1000); // 1秒待ち
}

※1:タイミングチェック用パルス オシロで確認
※2:通常の記述
※3:レジスタを直接操作

通常の記述だと読み出しに時間がかかります。
約0.1ms。
C01_20230109143101

それが、直接記述だとこんな命令に変換されます。
  sbi 0x05, 5    ;PB5_H
  lds r18, 0x0078  ;ad_10 = ADC
  lds r19, 0x0079  ;ADCL、ADCHの順で
  cbi 0x05, 5    ;PB5_L

勝手に変換が行われるので、待ち時間なく、ADCレジスタを読むだけ。
実行時間はこれだけ。
C02_20230109143101
   ※シリアル出力データが出てくるのはず~っと後。

単一チャンネルだからできる技。
多チャンネルだと入力マルチプレクサを切り替えてから
変換を始め、そして変換完了を待つという動作になりますので
どうしても時間がかかります。

忙しい処理の中でアナログ値を読みたい(ボリュームの角度で
何かをしたいなど)時に使ってみてください。

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2023年1月 8日 (日)

ナットがぁ!? 9年前の残党を発見

2013年12月16日:ナットがぁ!? その2
2014年06月12日:ナットがぁ!? その3

異常ナットがまだ潜んでました。

N31_20230108161101
赤マークした左側がアウト。
ビスがねじ込めません。
右のはOK。

パーツボックスから根絶したつもりだったんですが・・・

 

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トラ技通巻701号(2023年2月号)到着!

トラ技は毎月10日発売ですが、定期購読者には
ちょっと早めに到着します。
最新の2月号は6日(金)、ポストに入っていました。

T11_20230108153701

今回の「これイイぞ」付録は稲葉保さんの
創刊700号記念特別企画
復刻版 幻の定本
  初心者のためのアナログ技術指南
   教科書からの脱出
この本そのものが教科書です。

1983年1月号から12月号までの連載記事です。
連載第一回の図1-1は「μA741」。
オペアンプ741の解説からスタートです。

そして、同著者さんの
  精選アナログ実用回路集
の元ネタ。
T12_20230108153701

実用回路集は1989年1月が初版。
ネットで得られる情報とはちょっと違うアナログ回路の
ヒントがいっぱい詰まってます。

 

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2023年1月 7日 (土)

PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用、解決方法

2023年1月2日:PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用で

では、ATmega328PのAREF端子をオペアンプで
バッファして取り出した1.1V基準電圧を、
4053マルチプレクサに入れたところの電圧波形が
おかしいのに気付きました。

M10

X0入力とX1入力を切り替えるとき、一瞬の
短絡が起きているのではないかという推測
です。
おそらくこれが原因だろうと。

その解決策として、こんな回路にしてみました。
コンデンサを付加できる基準電圧ICを使います。
  ※PWMでのD/Aコンバータ、今まで使って
   きたのはこの方式だった。

53_01
この「電圧出力」で、定電流負荷回路をこしらえて
みました。
  ※4~20mAの電流インターフェース
   計装回路を試験するため。
最小桁を0.01mAにして0.00mA~40.00mAまで可変。
およそ12bitの分解能です。

これまでだと負荷電流を電流計で計って表示という
手法が多いんですが、今回はロータリーエンコーダ
の1クリックで0.01mAをup/downします。

電流計としてつないだモニター用テスターの目盛が
0.01mA単位で反応するのはなかなか小気味いいもの
です。
ポテンショを回して表示値を落ち着かせるのではなく、
思った数値で止められるのがエエです。

※気遣い点
・安定性の良い基準電圧ICを。(高価でも)
   初期精度はキャリブレーションでカバー。
・基準電圧ICの出力にコンデンサをつないでも
 OKなものを。
・電流制御オペアンプは、低オフセット品を。
・電流検出抵抗もエエものを。
・0mA近くの制御ため、単電源はあきらめ±電源で。

  ※全体の回路はまた今度

定電流負荷だけじゃなく、定電圧回路の電圧設定にも使え
るかと。

※関連
2019年9月14日:良かれと思って付けたコンデンサが・・・
  ◆AD680発振!


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2023年1月 6日 (金)

20mm厚重量級文鎮×2、 トラ技700号をおまけで

20mm厚重量級文鎮2つに、トランジスタ技術創刊700号記念号
オマケして頒布します。 →発送完了しました

B11_20230106085001

トラ技700号は著者献本でやってきたもので、未開封品です。

文鎮:ハンダ付け補助ツールは、
  65mm X 45mm X 20mm のと、
  65mm X 60mm X 20mm の2つ。
材質はS50C(炭素鋼)。 無塗装、無メッキ。
ゴム板とM5キャプボルトを添付します。

代金は3,000円
  発送は厚み制限の無いレターパックプラス(520円)
  を使います。 合わせて3,520円。
  到着後に振り込んでください。
    (振り込み先メモを同封します)

早い者勝ちです。(これ、1セットだけです)
メールアドレスを記入してこの記事にコメントしてください。
匿名でかまいません。

トラ技、特別号ということで税込定価が1,200円です。
トラ技をまだ買っていなくて「文鎮欲しい」という方には
朗報かと。

文鎮:ハンダ付け補助ツールまとめ
   ↑
  使用方法など、ブログ記事をまとめています

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2023年1月 2日 (月)

PWMでD/A変換:アナログマルチプレクサの応用で

2020年8月13日:Arduino、analogWriteは捨てちゃえ。ちゃんとしたPWMを使おう
ということで、過去、PWMを使ったDAC(D/A変換回路)を
さまざまなツールで使っています。

例えば、
JIS C8708による充放電サイクル試験回路(トランジスタ技術2010年2月号)
2020年4月10日:JIS C8708:2019対応ニッケル水素電池充放電実験回路(回路図とプログラム)
2022年4月14日:Arduino IDEでRaspberry Pi Pico:PWMでD/A出力してA/D入力を試す
2022年4月15日:Arduino IDEでRaspberry Pi Pico:A/D入力が…あれっ?

これらでは、PWM波からDC電圧を作るのに、
基準電圧ICを使っています。
Vref値とGND間をPWM波でマルチプレックスし、
LPFを通すことで直流に。
デューティ比に比例したDC電圧を得ています。

この応用ということで、Arduino UNOのマイコン
ATmega328PのAREF電圧を取り出した使った実験も
しています。

例えば、この記事。
2022年10月5日:サーミスタ103JTで計った温度をシリアル出力

サーミスタの抵抗値を見るのに、AREF電圧を取り出して
A/D変換します。
  ※これはMPXとは関係なしの用例。

次のこの記事では、AREFをオペアンプでバッファして
PWMし、LPFを通してD/A変換しています。
2022年4月22日:Arduino UNOのA/D入力:PWMでD/A出力してA/D入力を試す

ここで問題に気が付きました。
「なんじゃこれは?」の信号が見えたのです。

こんな模式図を描いてみました。

M10

AREFをオペアンプでバッファして取り出します。
ATmega328Pに関してはこれでうまく基準電圧が
取り出せます。

そのオペアンプ出力を直にマルチプレクサの入力に
つないでいます。
外付け基準電圧ICを使った時のようにコンデンサを
入れたいところなのですが、発振の可能性があるので、
オペアンプの出力にコンデンサは入れられません。

たまたま、このPWM→D/A変換部の波形を見た所、
こんな信号になっていました。

M201m

AREF電圧を出力しているオペアンプ、そこにPWM波に
同期した負パルス(▼マーク位置)が出ているのです。
出力インピーダンスは低いはずなので、MPXの切換
ノイズが飛び込んでいるわけではありません。

そこで、こんな回路を使って実験してみました。
プラス側のIN1入力は1kΩで+5Vに。
マイナス側は1kΩでGNDに。

M12_20230102152301

すると・・・・
まず、1ゲートタイプのマルチプレクサ TC7W53
M302m

3回路入った74HC4053の場合。
M301m

MPXパルスが変化したエッジでIN0、IN1に瞬間的な
電流が流れている様子が見えています。

AREF電圧をバッファした通常速度のオペアンプでは、
この短いパルス(150nsくらい)を抑えきることができない
のでしょう。

なぜこんなことが起こるのか・・・
TC7W53の内部回路を見ると分かってきます。

M11_20230102152501
IN0とIN1の切換には、2直にしたインバータが
入っています。
IN1側がその後段につながっているので、IN0から
遅れて切換されます。
その一瞬、COM端子につながるOUT0とOUT1を通して
IN0とIN1が短絡するのです。
IN0はGNDにつながっていますので、オペアンプ出力を
つないでいるIN1が一瞬だけGNDに引っ張られることに
なってしまいます。
それがオペアンプ出力に現れた負パルスの原因です。

  ※観察のためIN0とIN1に1kΩの抵抗を入
   れましたが、IN0、IN1とGND間に0.01uF以上、
   0.1uF程度のコンデンサを入れると短絡パルス
   は見えなくなります。
   基準電圧ICを使った時のパスコンは有効という
   ことがわかります。

対策案
・ATmega328PのAREFをオペアンプでバッファして
 基準電圧を得るのはOKだが、それをPWM制御する
 マルチプレクサにつなぐのは×。
・PWMするマルチプレクサでD/A変換する時は、
 パスコンを付加できる基準電圧ICを使う。

こんなところでしょう。
  ※見えなくなるけど、それでも、短絡は発生してる。
   ノイズ発生の要因になるか。

※注1
基準電圧ICに付加するパスコン、こんなことも
ありますので。
2019年9月14日:良かれと思って付けたコンデンサが・・・
  ※AD680・・・発振!

※どうなんだろう
多チャンネル入力A/Dコンバータ、たいていの場合
マルチプレクサが入力。
チャンネル切換時に今回のようなことが起こる心配
は無いのか?
入力に入れたCRフィルタが役立つかも。

※ブレッドボードで実験
002_20230103102701
クロック源はATmega328Pを使ったパルスジェネレータ
拡大。
003_20230103102701


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2023年1月 1日 (日)

謹賀新年

本年もよろしくお願いします。

いつものように次男・正悟の絵。
Aa11_20230101123201
  ※ ちょっと恥ずかしいので小さめで。

我が家族、ペコ(犬)、ピピ(鳥)、石切ジイ・バア、みな元気です。

ピピちゃんも載せときます。
Aa12_20230101123501
 
※皆さんを真似て・・・測定器で「2023年」。
古~い「ソアー」の周波数カンター(FC-864A)を引っ張り
出してきました。  ※通電確認・・・動きました
01a
周期測定モード。
「2023年1月」ということで測定値は「2023.1μs」。


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