ヒートガンでIC(PLCC 44pin)のハンダ付けを外す
自分で作った(設計+製作)ものなら、壊れても
なんとか修理できるのですが、他人(他社)のだと
「修理をあきらめる」ということが、ままあります。
一般的に入手できる汎用部品だと壊れていてもなんとか
なりますが、プログラムしなければならないマイコン
がアウトだと、自分で作ったモノ以外はどうにもで
きません。
自分が作ったものでも、プリント基板に乗っていると
「壊れたマイコンは捨てて基板を助ける」
という修理手順になります。
例えば・・・
・2018年6月21日:失敗! 24Vを接触させてもた
・2012年12月07日:面実装マイコンの取り替え
基板のパターンが傷まないようにマイコンを
取り外します。
マイコンは破壊してもOK。
新しいチップをハンダして新たにプログラムすれば
動き始めます。
今回の修理は、よそが作ったモノ。
回路図も書き込むプログラムの資料もありません。
あるのは
「どこかがおかしくなった部品取り用の基板」
これが何枚か。
修理を進める中、異常だと判断したのはマイコンじゃ
なくって「PLD」。
アルテラのEPM7064でパッケージがPLCC・44pin。
ソケットじゃなく、基板にハンダされてます。
手順とすれば、
・修理中の基板からこのICを取り去る。
・このICは死んでるので扱いは雑で良い。
・しかし基板のパターンは痛めないよう注意して。
次に、
・部品取り用基板からICを外す。
・これは生きたままにしなくちゃならないので慎重に。
・基板の状態はあまり気にしなくて良い。
こんなところでしょう。
同僚にもあれこれ相談。
@私 どうしたらええやろなぁ~。
古い基板、切ってもてICを外そか。
$同 ヒートガンでやってみ。
あんあがいうまいこと行くで~
@私 やったことない。
$同 熱し過ぎたら周りのチップ部品が先に
外れて飛んでいきよるで~。
紙でマスクを作ってICの上にかぶせるとか。
紙が焦げる手前かな~
@私 試しにクズ基板でやってみるわ~。
と、ヒートガンを使ってのIC外し、初体験。
こちらにあるのは白光のNO.882 。
旧製品ですが温調可能。
先端熱風出口を絞れるノズルアダプタを付けてあります。
いくつかのクズ基板を試してみました。
温度ダイヤルは1~6まであって、4あたりにセット。
『おいしくなぁれ。 おいしくなぁれ。』という
気持ちで加熱していくと、ポコッと(音はしないけど)
基板からICが外れます。
長めのピンセットを用意して、ICのカド・カドを持ち
上げる気持ちで良いでしょうか。
しかし、無理しちゃダメ。
無理に持ち上げるとパターンを痛めます。
さて本番。
※ICの周囲をマスキングテープでおおって
おきました。
修理基板に乗ったアウトなICも、生かして取り外したいICも
うまく取り外しできました。
パターンの損傷もありません。
修理作業、無事に進行です。
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コメント
昔、某所でPC修理を生業にしていたとき同じような方法でQFPパッケージを外してましたわ
投稿: Kotatu | 2022年5月30日 (月) 00時27分
IC外しに特化したようなヒートガンってありませんでしょうかねぇ?
小型で軽くて、使いやすい先端で、パワーはもうちょい小さくてOK。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2022年5月30日 (月) 17時11分
自分が使っていたのは専用の機械だったのかもしれません、ハンダ吸い取り機のように本体と手元のブローが分離したものでした、先っぽも細くて余計な所は暖まらなかったです。メーカー覚えてなくてすんませんナニセ四半世紀前のことで
投稿: kotatu | 2022年5月31日 (火) 12時31分
石崎電機製作所の「プラジェットミニ」これはどうでしょね。
IC外しに使えるかしら?
https://www.sure-ishizaki.co.jp/tool/plajet/plajet-mini/pj-m20/
https://www.sure-ishizaki.co.jp/tool/plajet/plajet-mini/pj-m50/
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2022年5月31日 (火) 17時29分