『インフルエンザは征圧できるのか』
いつものように図書館で。
『インフルエンザは征圧できるのか』
著者:青野由利 2009年11月発行
2009年に起こった「新型インフルエンザ・パンデミック」を
まとめたものです。
著者は毎日新聞の科学担当論説委員さん。
私の旧ブログでもこんな記事を書いていました。
・2009年08月02日:新型インフルエンザでイベント中止
※我が地域では中止にはならなかった。
この本の第1章「豚から人へ」にこんな一文があります。
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保健所に設けられた発熱相談センターにも
電話が殺到し、発熱外来にも感染を疑う人
が押し掛けた。
「限界だ」という声に拍車をかけたのが、
経済的打撃を憂慮する大阪府の橋下徹知事
らの発言だった。
「このままでは都市機能が麻痺する」。
橋下知事は桝添要一労働大臣に訴え、対策の
緩和を訴えた。
「弱毒なのだから、季節性のインフルエンザ
と同じ対応に移すべきだ」というのが主張の
内容だった。
:
「季節性と同じ」という言い方は、「いわば
政治的判断」である。
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これ、2009年の話です。
今の話じゃありません。
橋下氏、知事だったんですなぁ。
また、今のCOVID-19でも、中心になっておられる方の
発言も。
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政府の新型インフルエンザ対策本部専門家
諮問員会委員長を務める尾見茂も、6月24日
に日本プレスクラブで講演した際に、こう
ぼやいた。
「今回は、季節性と明らかに似ているところ
と、明らかに違うところがある。
病原性が弱いから安心、強いから心配とい
う構図にならない。
でも、何回説明しても、マスコミはそう書い
てくれない」。
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今へそのまま持ってきてもおかしくない発言です。
第7章「21世紀の闘い」、その締め括りです。
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インフルエンザはこれからもパンデミックを
起こすだろう。
次のパンデミックを、人類はどのように迎え
撃つことになるのか。
その時に、今回の経験がどう生かされるのか。
今はまだ、インフルエンザそのものの振る舞い
と同じように、まったく予測がつかない。
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