IEC60617で記述したRSフリップ・フロップ 74279
IEC60617での記述、キラいなんで寄りつかなかったんですが、
あれこれ見てますと・・・
まず、「NANDゲート」の基本。
ド・モルガンの変換でもって、正論理入力と負論理入力が
このように描けます。
左下のは「負論理入力のOR」。
実体は正論理のORの前にインバートをくっつけただけ。
でも、負論理入力になっても、入力信号の状態「Lが0、Hが1」
に対する結果(出力)は変わりません。
入 入 出
0 0 1
0 1 1
1 0 1
1 1 0
IEC60617での表記で「面白いなぁ」と思ったのが
NANDゲートを使った「RSフリップフロップ」。
通常は左のように描きますが、動作は右のように
「負論理のOR」で考えるほうが動きが見えます。
入力信号(Lアクティブ)の上側が優先で出力の状態が決まる
様子が、右の描き方だと目に浮かびます。
このRSフリップフロップが4組入ったのが「74279」。
データーシートにはMILでこのような表記。
入力信号名には「 ̄付」で負論理であることが示されていますが、
NANDゲートで描かれているので、絵を見て動作が直感的に判断
できるかどうか・・・
負論理入力のORゲートで描いてると分かりやすいのにと思っちゃ
うわけです。
このIC、/Sが二つあるゲートがあるんですが、この/Sの条件、
ANDなの?っと思ってしまうわけです。
負論理入力のORでゲートを表現したら「/Sは負論理のOR」で
あることが一目瞭然。
間違いようがない。
TIのデータシートにはこんな具合にIECでの記述が載っています。
左が入力。 右が4つの出力。
負論理での入力だということは分かるんですが、
/Rと/Sが同時にアクティブ(L=0)になった時、
「/S」入力が優先されるということがこの図だと
読めません。
CMOSの「4044」、これも負論理入力のRSフリップフロップ
ですが、これは「/R」優先です。
IEC表記では「真理値表」が無ければ、どうなるのかが
判断つきません。
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