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2021年9月24日 (金)

東芝TNH-3ME(1900mAh) 新JISでの充放電実験終了:突然死で

6月19日に始めた東芝TNH-3ME(1900mAh)
新JIS C8708:2019による充放電実験。
12_20210924121301

残念ですが「突然死」で終了です。
これが、断末魔の状態です。

cyc  C  D  V
460  72  62 1.689
461  71  68 1.679
462  75  67 1.678
463  75  65 1.679
464  73  63 1.684
465  72  65 1.684  ここまでは普通
466  73  64 1.682   0.5Cで64分放電できた
467  72  1 1.693 ←1分しか放電できなかった
468 132  69 1.659   ちょっと回復
469  70  0 1.690 ←放電開始直後0Vに
470 132  64 1.651   もうちょい頑張る
471  68  0 1.679  もうあかん
472 132  0 1.650   :
473 132  0 1.658
474 132  0 1.662
475 132  0 1.678

cyc:充放電サイクル数
 C:充電時間
 D:放電時間
 V:充電完了電圧

今まで2000mAクラスのニッ水では突然死は
起こっていませんでした。
  ※大容量グループでは突然死が多発。
ニッ水電池の運用、突然死されるとちょい困ってしま
います。
充電はちゃんと終わったのに、イザ使おうとしたら
電圧低下で使えない。
こんなことが起こります。

※50サイクルごとの0.2C放電
Tnh500
突然死後もサイクルを続けていたんで500サイクル目の
0.2C放電グラフが得られています。

※途中のサイクルの充放電時間と充電完了電圧
Tv0523a  
0.5C放電と-ΔV検出による充電時間と充電完了電圧です。
470サイクルあたりで放電時間がゼロになっているのが
見えます。
その次のサイクルの充電、-ΔV検出を失敗してしまって
フル時間の132分、充電を行っています。
こんな様子がグラフから読み取れます。

※追記
50サイクルごとの0.2C放電の様子は上のグラフで示しましたが、
0.5Cでの充放電の様子を見てもらいましょう。
Cd1_20210930084501
0.2Cということは定格容量の1/5の電流。
  実力評価するにはちょいとなまっちょろい値。
0.5Cだと容量の半分で、1900mAhだと950mAの電流値
となって、「このくらいの値で見なあかんで」です。
  ※ミノルタのカメラDiMAGE7iでの体験から。
   単3型ニッ水電池のお付き合いはこのカメラ
   から始まった。2002だ。
見所は放電カーブの「1.2V以上を維持している時間」
かと思うのです。
放電終止電圧=1.0Vまでの放電時間だけでは見えない
電池の実力かと。
0.2C放電のグラフだと、400回目の1.0Vまでの
到達時間がJISの寿命判定180分を越えているのに、
0.5Cの放電だと「使い物にならないぜぃ」の維持電圧
になっています。
  ※この電池、東芝TNH-3MEの場合、最後が
   「突然死」というのが運用する上でやっかい
   かと思うんです。
   充電はできたけど、次、使おうとしたらアウト、っと。
   充電器が「この電池アカンで~」っと、警告してくれ
   れば良いんですが・・・
0.2Cの放電カーブや放電時間だと、200回目と300回目とは
大きな違いがないように見えます。
しかし、0.5C放電のグラフだと「0.05V」ほどのドロップが
出ています。
容量減より内部抵抗増大の影響が大のようです。
充電電圧も上がっています。
定格電圧1.2Vを長く維持して欲しいのに、これは痛い。

そして、充電カーブを見ますと、末期には
「偽の-ΔV」が発生している様子が分かります。
偽の-ΔVが出ても、充電完了の-ΔV処理をちゃんとやって
いるのがグラフで見えます。

  ※このグラフを描けるのは、1分ごとに
   実験装置がテキストで送る電池電圧データ
   を全部保存してたから。
     4.5メガバイトになってます。
  1分間隔でこんな文字列
  #D 0.5C 1cyc 1/8 1h27m 1.026V
  #D 0.5C 1cyc 1/8 1h28m 1.018V
  #D 0.5C 1cyc 1/8 1h29m 1.011V
  #D 0.5C 1cyc 1/8 1h30m 1.002V
  #D 0.5C 1cyc 1/8 1h30m 1.000V ←放電1.0Vに到達
  #D-Wait 1cyc 1/8 0h01m 1.167V
  #D-Wait 1cyc 1/8 0h02m 1.178V

偽の-ΔVの様子を詳しく
450サイクルあたりで出現した偽の-ΔV、その様子です。
Cap001_20211001161201
451サイクル目の充電時間が延びているのは、
450サイクル目の0.2C放電(ゆっくり放電で
電池が空っけつに)の次の充電だから。

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  ↑他の電池の様子もリンクしています。

電池あれこれ

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