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2021年9月21日 (火)

ゲルマTrラジオの修理 原因はIFTだった

「音がむちゃ小さい」という症状。
調べると、AF AMPはちゃんと動いていて、その前の
検波段での信号レベルが小さすぎるのが判明。

回路の頭(信号入り口)から調べると、周波数変換はちゃんと
働いていて、455kHzになった中波の放送電波が1st IF
増幅Trのベースに入ってます。
ところがその出力レベルが小さい。
2nd IFは増幅していて、大きくなった出力を出してます。

こうなると悪いのはトランジスタだと思うでしょ。
しかし、トランジスタにはちゃんとバイアスがかかって
いて(抵抗は正常)設定した電流が流れていています。
  ※エミッタ-GND間の抵抗と電圧、あるいは
   コレクタ側のデカップリング抵抗と
   その両端の電圧で電流を推定できる。
   GNDといっても「+接地」なんで
   ややこしい。
動いていそうですが、まず手始めは、このトランジスタを
交換というのが妥当なところ。
  ※DC的には動いてて、高周波は
   増幅しない・・・こんなことが
   あるかどうか。さて?

使われていたのは日立製の『2SA12』。
ゲルマの合金接合型PNPトランジスタ。

手持ちのCQ出版『最新トランジスタ規格表』で一番古いのが
1980年版。
E21

そのトップページの、さらにその先頭に記されていました。
E22_20210921112501

しかし、手持ちの2SAゲルマTrに交換してもダメ。
状況は変わりません。
  ※シリコンのPNPはバイアス点が変わるので
   使えない。
   ゲルマとシリコンではBE間電圧が違うんで
   電流が流れなくなっちゃう。   

そこで・・・
信号発生器から455kHzを注入して様子を見ると・・・
注入信号の周波数を可変したら800KHzあたりで信号レベル
がバツンと増大。
基板からIFTを取り外して個別で調べても同じ。
455kHzから離れた所で同調してました。

IFTを解体してコンデンサを外したいところだったんですが、
シールドケースとベースがしっかり固定されていて、中味を
取り出せません。
しかたないので基板側にコンデンサを並列接続。
455kHzで同調するよう値を選びました。(100PFでOKだった)

※基板の様子
E23

「IFTなんて故障しないわ」って思ってました。。。
それも、断線じゃなく同調周波数の異常
内部のコンデンサがアウトになったんでしょう。
同調周波数が上がってましたんで、コンデンサの
容量抜けでしょか。

ということで、「トランジスタラジオ用IFTの同調異常」が
故障原因。
これって、初体験かな。

 

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コメント

「ゲルマラジオ」と書いてあるから、最初はてっきりゲルマダイオードラジオだと思いました。
「原因はIFT」というところまで読んで、ゲルマトランジスタラジオかと気づいた次第です。
早とちりの癖はなかなか治らないものです。

投稿: mytoshi | 2021年9月21日 (火) 12時00分

タイトル、「ゲルマTrラジオ」に変えておきますわ。
確かにまぎらわしいでっす。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月21日 (火) 13時48分

老眼でtrを読み飛ばし
結局「ゲルマニュームラジオの修理」と早とちりして
同じ罠にはまりました。

投稿: Ultra | 2021年10月 2日 (土) 12時42分

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