« 日立のスタティックRAM HM6147あれこれ | トップページ | ゲルマTrラジオの修理 原因はIFTだった »

2021年9月14日 (火)

LM317を電圧可変するとき

たまたま見ていたトランジスタ技術2015年5月号。
T11_20210914113801
この特集、
要点300超! 教科書卒業! 百戦錬磨の回路図

この中の「第3章 百戦錬磨の電源回路
  「必ずお世話になる3端子レギュレータを攻略
  著者 脇澤 和夫 さんの記事、p82
要点89
可変抵抗器はスライダの接触不良が起こりにくくして使う
でLM317につなぐボリュームの接続方法を解説され
ています。

T12_20210914113801

スライダの接触不良が起きてもオープン状態にならないよう
ということで、まとめられています。

※関連
ラジオペンチさん「おもちゃ病院用のDC安定化電源の製作」を拝見して
ラジオペンチブログ:LM317の回路をあれこれ検討、ガリオーム対策と最小負荷電流


※追記
当初、こんな提案をしようかと考えていたんですが、
本末転倒のような気がして・・・
Ll1
  (コンデンサなどは省略)

ADJ電圧を固定したら、そこより1.25V高い電圧が
出力に出て安定化できるかと。

しかし、
 ・オペアンプがいる
 ・基準電圧源がいる
 ・発振しないか?の確認
 ・パワーオン時の挙動は?の確認
 ・オペアンプの発熱は?
    最低動作電流を引き込むんで
    電圧が高いと発熱。
 ・めんどうなことをしても0Vから出力できない
など・・・
余計にわずらわしそう・・・

※電圧設定用可変抵抗器スライダーの接触不良で
 高電圧が出てしまう(かもという不安定要素)を
 解消する方法。 これで決まり!

【2021年9月15日01時12分】の ARO さんからのコメントで
図示いただいたのがこの回路。

317

通常運転時はスライダー(2)がGNDになって、
(1-2)間の抵抗で電圧を制御。
このとき、(3)の電圧は0VでNPN Trのベースも0V。
ベース電流が流れないのでTrはオフ。

もしスライダーがオープンになったら、可変抵抗器の
(1-3)間=1kΩと120Ωの抵抗を通してTrのベースに
電流が流れてTrがオン。
(C-E)間は(B-E)間電圧よりちょっと大きくなるので
0.7Vくらい。
LM317のADJ端子の電圧がこの値に落ち着きます。
LM317のOUTとADJ間の電圧が1.25Vなんで、
(C-E)の電圧を加えて、およそ2Vの電圧がOUTに
出てきます。

トランジスタ1つでスライダーの接触不良で高電圧が出て
しまうという不安が解消できます。
  ※小さなガリは並列に入った10uFが吸収
   してくれます。
絶妙な保護回路。


※さらなる情報
 この回路、
初歩のラジオ、松本悟氏の記事だと思います。
彦左衛門 さんから。【2021年9月15日 13時16分】

※ラジオペンチさんとこでの検証(2021-09-17)
LM317で電圧可変電源を作る時のガリオーム対策の決定版

さらに・・・電圧を調整するボリュームのつなぎ方に話が進む
  ・検索:可変抵抗器の陽極酸化

 

|

« 日立のスタティックRAM HM6147あれこれ | トップページ | ゲルマTrラジオの修理 原因はIFTだった »

電源」カテゴリの記事

コメント

なるほど、可変抵抗のスライダに電流を流すのは要注意なんですね。

あと接触不良対策の回路、うまい手が無いですね。そもそもLM317の自己消費電流が大きいのが悪い。

投稿: ラジオペンチ | 2021年9月14日 (火) 17時18分

出典は忘れてしまったのですが、スライダのオープン対策としてトランジスタを一つ使っているのを見たことがあります。
https://drive.google.com/file/d/1Wwoc1CCzfaExsGGHGSV-mwQ-kBwVQg9E/view?usp=sharing
実際に使ってみたことが無かったので、先ほど、手持ちの部品で実験してみました。
Vin=15Vで、Vout=5.00Vと1.25V、負荷は無し・50Ω・25Ωです。
どの場合も、スライダをオープンにすると、Vout=2.0V位でした。
Vout=1.25Vの時は、出力電圧が上がってしまうことになります。

投稿: ARO | 2021年9月15日 (水) 01時12分

回路図見ました。こんなうまい手があったとは、凄いです。

可変抵抗をあえて2端子型で使い、開放端を使ってベースをバイアス。通常はベースのバイアスゼロなのでトランジスタはオフ。
可変抵抗が接触不良になるとベース電流が流れてトランジスタがオンになって出力電圧を下げる。
出力電圧が下がるとベース電流が減るのでバランス点まで出力電圧が低下したところに落ち着く。
これだけで保護はOKだけどガリオーム状態が怖いのでコンデンサ入れとく。

てな感じですね。

うちでもテストして記事で紹介させてください。もちろんこちらの出典明記で。

投稿: ラジオペンチ | 2021年9月15日 (水) 08時42分

これは素晴らしいです。
あれこれデータシートを見てきましたが、知らなんだです。
むちゃスマートな対策方法です。
原典はどこなんでしょね。
  この手のアイデア、「トラ技」じゃなく「ラジオライフ」
  あたりで出てたりと。  

AROさん、図のコピーを本文記事のほうに載せてもよろしいでしょうか?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月15日 (水) 08時55分

図のコピー、どうぞ自由にお使いください。

投稿: ARO | 2021年9月15日 (水) 09時03分

トランジスタを使う回路、初歩のラジオ、松本悟氏の記事だと思います。

投稿: 彦左衛門 | 2021年9月15日 (水) 13時16分

彦左衛門さん、初ラの年月、あるいはどんな記事だったかもう少し詳細が分かればと・・・

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月15日 (水) 16時14分

初ラ、図書館で借りていました。調べますのでお待ちを。

投稿: 彦左衛門 | 2021年9月16日 (木) 20時58分

続報です。
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-1123.html

保護回路のトランジスタを一つにまとめても大丈夫でした。アドバイスありがとうございます。

投稿: ラジオペンチ | 2021年9月17日 (金) 18時15分

初歩のラジオ1984年8月号にありました。
図書館で探すにも苦労すると思いますのでスキャナーしました(著作権気になりますが)。他の年月号で、2~3回見た記憶があります。

https://drive.google.com/file/d/1Kxw-TOzuQWWHby1aM_qsPNfCV8qcSaBz/view?usp=sharing

投稿: 彦左衛門 | 2021年9月19日 (日) 10時30分

彦左衛門さん、ありがとうございます。
ごめんどうでなければ・・・記事のタイトルが分かれば助かります。

・・・こちらの大阪市立中央図書館、初ラは置いてないようなんで・・・

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月19日 (日) 20時38分

初歩のラジオ 84年8月号、乾電池のように使える定電圧電源、P85-89です。

投稿: 彦左衛門 | 2021年9月19日 (日) 21時08分

ラ製の記事についての情報です、ご参考まで
https://twitter.com/akira345/status/1439391954844876801
フォローしている人のリツイートで知りました

投稿: ラジオペンチ | 2021年9月20日 (月) 09時39分

参考文献の紹介、ありがとうございます。
「初ラ」に「ラ製」、やるなぁ。
両誌にお世話になったのは1972年までか。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月20日 (月) 14時15分

初歩のラジオの著者さん、彦左衛門さんの情報だと「松本悟」さん、
そしてラ製のは「橋本悟」さん。

トラ技の目次で検索してみたら、松本悟さんは出てこずで、橋本悟さんが1976年~1982年あたりで8件ばかり出現します。
LM317について書かれているのかどうか、トラ技の目次だけでは不明です。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月20日 (月) 14時30分

陽極酸化の解説

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwivrbmNhI3zAhVUAd4KHdNvCsY4ChAWegQIAxAB&url=https%3A%2F%2Fwww.jstage.jst.go.jp%2Farticle%2Ftanso1949%2F1982%2F111%2F1982_111_160%2F_pdf&usg=AOvVaw3AKYSDmnpvtmW4FjXF7kRv

J-Stage 炭素皮膜抵抗器(pdf)

(1)陽極酸化作用;主として素体磁器の中に含まれる
アルカリ性酸化物(Na20)が印加電圧と温度によって移
動し,活性化の大きい酸素イオンが陽極において導電膜
と化学作用を起して,酸化を促進し抵抗膜をガス化又は
マイグレーションによって,抵抗値を変化させる。その
発生は抵抗器の陽極端子側で温度上昇の急変する所に多
く発生し,温度及び湿度により加速される。この陽極酸
化現象の甚だしい場合は図9(a)に示すように,抵抗膜
が局部的に消失して抵抗断となる。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月20日 (月) 16時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 日立のスタティックRAM HM6147あれこれ | トップページ | ゲルマTrラジオの修理 原因はIFTだった »