ラジオペンチさん「おもちゃ病院用のDC安定化電源の製作」を拝見して
ラジオペンチ:おもちゃ病院用のDC安定化電源の製作
を拝見して・・・
主回路は可変出力電圧3端子レギュレータのLM317。
この使い方についてあれこれ。
(1) 短絡保護回路Tr Q1のベースにR1を入れてあります。
これは良。
この抵抗の必要性、ここ↓で解説しています。
◆抵抗を1本けちって電源が飛ぶ
(2) どうしたものか、と思うのが、電圧設定用のVR1。
これが短絡(0オーム)で最低電圧(Vrefの1.25V)を出力。
抵抗値を上げるにつれ電圧が上昇。
もし接触不良が生じてオープンになると・・・
最大電圧が出てしまいます。
こんなこともありました。
・アルインコ製12V・3A出力の電源を修理
これに使われていた電圧調整用半固定抵抗、
オープンになっても最大出力が出てしまうと
いうことが回避された設計になっていました。
スライダーを動かした時の瞬間的な接触不良
(ガリ)を避けるには、VR1に並列にコンデンサ
でしょうか。
放電用にR3に並列にダイオード(上向き)も
LM317やLM337を使って可変電圧出力電源を
作るとき、ボリュームをどうしたものかと
毎回悩む問題です。
※まったく毛色の違うICですが・・・
モトローラのDCサーボモータドライバー(アナログ制御)
MC33030 ・・・もう売ってない!
これの制御入力とフィードバック入力には電圧を
可変するということで、ボリュームを使います。
その接触不良対策。 こんなふうになっています。
ブロック図
これだけでは分からないので、接続例を。
9番ピンと2番ピンに入力フィルタ用のコンデンサを
つなぎます。
これが接触不良をおこしたら、「えらいこっちゃ」に
なっちゃう。です。
サンプル回路では0.01uF~1.0uFが使われています。
※参
・2012年03月05日:おもちゃ病院用電源
供給電源はACアダプタで(18Vくらいを)
出力電圧0~15V 出力電流2.5A
今さっき見たら、電圧電流表示のプログラムは
Cじゃなく「アセンブラ」で書いてました。
電流検出アンプ LT6100 のお試し回路的な
構成になっています。
※さらに
電圧設定ボリュームに「ガリ:接触不良」が生じた時、
最大電圧が出てしまうという問題、3端子のLM317では
なかなか難しい。
レギュレータの電圧フィードバック端子が別個に出てる
「4端子」レギュレータを選ぶのが解決策でしょうか。
・JRC:NJM2389 (4端子 1.5~20V出力)
・JRC:NJM2397 (4端子 1.5~20V出力 保守品)
・東芝TA4800 (5端子 1.5~9V出力 終息品)
使ったことはないけど、「さすがリニアテクノロジー」
(今はアナデバだけど)というレギュレータ。
・LT3083 (5端子 0~23V出力)
0Vから出力が可能。
ただし、ボリュームを使って電圧可変
した時は、オープンで最大電圧という
問題は顕在。
秋月で780円とだいぶと高価だけど。
しかし、応用例が面白い。
・基本回路
※RSETがオープンになると最大出力になってしまう。
・定電流回路
・組み合わせると、実験用電源回路に
・D/Aなど外部電圧で出力電圧を制御
※参
ボリュームじゃありませんが、
「切り替えスイッチ接点接触不良による抵抗値の誤認識」
の例をどうぞ。
・2012年08月08日:E-520修理完了
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コメント
可変抵抗の接触不良対策の回路、いろいろアドバイスありがとうございます。
一旦うまい手があったかと思ったのですが、私の検討不足でダメだったのでやり直し中です。
こちらの記事の読者の方からも見えるようにリンク貼っておきます。
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-1118.html#comment4041
投稿: ラジオペンチ | 2021年9月 9日 (木) 19時32分
トラ技2015年5月号に電圧可変するLM317が登場しています。
http://igarage.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-21f924.html
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月14日 (火) 11時52分