Amazonベーシック 2000mAh単3ニッケル水素電池 800サイクル目で終了
Amazonベーシック 2000mAh単3ニッケル水素電池の
充放電実験を始めたのが2021年2月17日 。
450サイクル目が2021年5月11日 。
今朝、仕事場に出てきたら800サイクルを終えていました。
まず、50サイクルごとの0.2C(400mA)放電の様子。
JISでは、この放電時間が「180分」を切ったら「寿命」と
判断します。
このグラフをみるかぎり、まだ行けそう。
0.5Cでの放電ですんで電流は「1A」。
600サイクルを越えたあたりから放電時間(緑線)が
「30分」を切ってます。
これはもう実用的な領域じゃありません。
ということで、今回の実験を終わります。
内部抵抗は278mΩ(室温26度)でした。
※0.5Cで行う充放電の様子
JISで寿命を判断する50サイクルごとのゆっくり放電は
0.2Cです。
対し、1~49サイクルは0.5C(2000mAhなので1.0A)で
充放電を行います。
充電の停止は-ΔV検出(10mVに設定)
0.2Cよりこの放電グラフのほうが電池の実力を示して
くれているようです。
200サイクルまでは初期性能を出していますが、
そこから先は急速に衰えているのが分かるかと。
充放電時間のグラフと対比すると劣化の進行状態が
わかるでしょう。
末期には「偽の-ΔV」も発生しています。
※他の2000mAhクラス単3充電池の様子を示しておきます。
・エネループ・スタンダード
・富士通・白
・充電式エボルタ
※実験場所は仕事場で、周囲温度の管理はしていません。
休みの日、冷暖房はオフです。
白色LEDの寿命実験 では、センサーの温度変化が
「週の変化(休みの日)」に同期していました。
※サイクルが進むと、50サイクルごとに出現する充電時間の
ピークが目立ち始めます。
これは50サイクルごとの「ゆっくり充放電」が原因。
0.2Cでゆっくり放電が行われた次の充電サイクルでは、
「電池がカラっけつ」になっているので、充電時間
がちょいと長くなるという現象です。
通常サイクルでは「0.5Cで1.0Vまでの放電」ですんで、
内部抵抗が大きくなると、そのドロップでエネルギーを
残したまま1.0Vまで電圧が低下して放電が止まります。
電流が小さなゆっくり放電では、内部抵抗の影響を受け
にくい(ドロップ電圧が小さくなる)ので「カラっけつ」
まで放電が進み、次の充電サイクルの時間が長くなります。
※気がついたAmazonベーシック充電池の特徴
・200サイクルまでは劣化を感じない。
でも、300サイクルを越えると、ちょっと・・・
・50サイクルごとのゆっくり充放電の直後のサイクル、
回復が良いように見える。
・充電停止電圧の上昇がエネループ・スタンダードや
富士通・白より低い。 エボルタに似てる。
充電停止の判断は「-ΔV = 10mV」。
・充電開始直後の「偽の-ΔV」が発生した。
・エネループ・プロや東芝インパルス、富士通・黒のように
突然死はしなかった。
エネループ・プロ 60%放電でも突然死
東芝インパルス
富士通・黒
・4つのグラフ、充電停止電圧の変化を見ると、
充電停止電圧が上がり始めたあたりから劣化
(放電時間がだんだん短く)が進み出すような
感じかと。
※電池あれこれ
※ニッ水充電池の評価記事注目点
(あれこれネットを見ていて・・・もう一度書いておきます)
・電池の放電実験、使っている電池ホルダーが重要。
スプリング電極の電池ホルダーでやっている実験は×。
評価している測定電圧、正しい値がでてきません。
大きな電流だと電圧ドロップがひどく、正しく
読めません。
また、電池の装着状態で接触具合が変化し、測定値が
安定しません。
・負荷と電池電圧測定系へのつなぎ方も重要。
ちゃんと四端子接続(ケルビン接続)を理解しているか
どうか、測定中の写真を見ればわかるでしょう。
この二点がちゃんとしていない評価記事はペケ。
それにしても、「寿命まで充放電を繰り返した」っという記事が
ありませんなぁ。
ここくらいか・・・https://eneloop101.com/
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コメント
「amazon basics充電池 単3ニッ水2000mAh」、4本やってきて3本残していたうちの1本で「60%放電」(72分放電)をやってみます。
大容量群ではエネループプロと東芝2400mAhの2本で60%放電を試しています。
2000mAhクラスではエネループスタンダードを実験中(今、2200サイクル目で頑張ってます)。
amazon basicsの容量もこのクラス。
どうなりますか。
この実験、なにせ時間(日数)がかかります。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年9月27日 (月) 13時21分