「Pololu S9V11F5」 +5V出力昇降圧型DC-DCコンバータを試す
2021年3月31日:「Buck-Boost Converter」を試す での「TPS63060」。
出力に乗るリップルの状態が良くありませんでした。
※参:2021年4月2日:ダイナミックに負荷を変えてみる
その後、「世の中には何かもっとエエのがあるやろ」っと探しましたところ、
スイッチサイエンス扱いのPololu S9V11F5を発見。
さっそく手配しました。
5V出力専用です。
拡大
「TI」の文字が見えていますが、使っているチップ、これはなんでしょか?
さっそく自作のテスターで実験。
左の小さいのがDCコンモジュール。
入力電圧3.0Vから9.5Vまで0.5Vステップで可変。
出力は10mAステップで1Aまで。
※テスターの負荷側設定最大電流が1.0Aなので。
もうちょい大きくする必要があるかな。
入力電流のリミットは1.2Aに。
まず出力電圧の変動。 入力3.0V~5.5Vで。
むちゃ安定していて面白くありません。
入力電圧4.0Vまでは入力電流のリミット1.2Aで引っかかってい
ますが、4.5Vになると、電圧ドロップもせず出力電流1.0Aに到達し
ています。
次が入力電流の変化。
むちゃ効率がエエです。
※グラフがなめらかなのは、gnuplotの線引きコマンドに
「smooth bezier」を入れたから。
乾電池4本から5V電源を作るという運用、このモジュールでばっちりかと。
ここでも気になるのがリップルです。
オシロをACレンジにして試してみます。
まず無負荷。
入力4.0Vで出力電流0.3Aだとこんなリップルです。
それが、出力電流を0.5Aに大きくすると、減っちゃうのです。
負荷電流により動作が変化している感じです。
※PFMとPWMの切り替わりのようです。
負荷が重くなるとPWM動作に。
そこで、以前のように負荷電流をスキャンしてみました。
出力負荷電流0.0Aから0.8Aまで可変します。
上側の波形がACレンジで見た出力のリップル。
下側の波形は定電流負荷を駆動している三角波です。
まず入力電圧4V。
負荷電流が0.4Aを越えると「静かに」なる感じです。
それが、入力電圧を6Vに上げるとこんなふうになります。
リップルが減る電流値が4V入力の時に比べて大きい側に
シフトします。
またリップルの振幅も大きくなってるようです。
このモジュール、こんな動作をするよっということで。
※使われている電源ICの型番が気になります。
https://www.tij.co.jp/product/jp/TPS63070
この↑出力電圧5.0V固定タイプ「TPS63071」でしょう。
データシートの最後のほう、パッケージのマーキングが「0701」
だと記されていますんで、アタリかと。
※温度変化
コメントで温度のお話しが出たので、簡単に計ってみました。
103JTサーミスタをDCコンICに瞬着で貼り付け。
この部分、さらにくるりとテープを巻きました。
供給する電源の電圧は4.0V。
負荷は1.0Aからスタート。
10分ほどしてから0.5Aに減少させて、もうちょいしてから
さらに0.25Aに変更。
こんな温度変化になりました。
| 固定リンク
「電子工作」カテゴリの記事
- TRWの16pin DIP IC「8543」 これは何?(2023.10.06)
- 予告:「マイコン型導通チェッカー」「電池電圧チェッカー」値上げします(2022.11.16)
- 三和の針式テスター「GP-5」不調(2022.10.18)
- 「ダイソー ミニケース 5個組」が見つからない #2(2022.10.12)
- 「ダイソー ミニケース 5個組」が見つからない(2022.09.29)
「電源」カテゴリの記事
- 電子負荷:Trの絶縁シートをどうしよう(2023.10.11)
- 120W電子負荷 予備実験#2 冷やすのはファンだ!(2023.10.10)
- バイポーラトランジスタ2SC3519A-YのhFE(2023.10.09)
- 12V・10A:120W電子負荷 予備実験(2023.10.08)
- やっぱりあかん パワーMOS FETの並列接続(2023.09.25)
コメント
この部品に関心を持ちました。
スイッチサイエンスでは、
「通常の使用でもやけどをするほど高温になる場合があります」
と警告を出していますが、試験中の発熱はいかがでしたか?教えてください。
投稿: まいくろ@札幌 | 2021年4月 5日 (月) 09時20分
実験ではフルパワーを出していません。
実験装置が負荷として吸い込める電流のmaxが1.0Aですんで・・・
もともと大容量のDCコン評価実験を目的とした回路じゃないんです。
また、DCコンの入力側につながる可変電圧電源の電流max値も1.2Aで制限していましたし。
供給電圧3V~9.5V、負荷max1.0Aのテストを終えた後に触った感触・・・
じっと触れるくらいの暖かさ。
「熱っ!」じゃありませんでした。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 09時32分
このモジュールで気になるのは「PFM←→PWM」の制御方式の切り替えによりリップルの増大。
効率は悪くても良いからリップルの小さな「PWM」で使いたいなぁ~というときに「困った」かも。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 09時35分
リップルを嫌うなら(←私だ!)、可変電圧出力のを選んで6Vくらいを出し、その後に5V出力のLDOタイプ三端子レギュレータを入れるのが間違いないかも、です。
https://www.pololu.com/product/2836
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 11時16分
とても参考になりました。
「小っちゃい部品にどうやって放熱器をくっつけるか」悩まなくて済みそうです。
ありがとうございました。
投稿: まいくろ@札幌 | 2021年4月 5日 (月) 12時07分