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2021年4月 4日 (日)

「Pololu S9V11F5」 +5V出力昇降圧型DC-DCコンバータを試す

2021年3月31日:「Buck-Boost Converter」を試す での「TPS63060」。
出力に乗るリップルの状態が良くありませんでした。
  ※参:2021年4月2日:ダイナミックに負荷を変えてみる
その後、「世の中には何かもっとエエのがあるやろ」っと探しましたところ、
スイッチサイエンス扱いのPololu S9V11F5を発見。
さっそく手配しました。
5V出力専用です。
P41

拡大
P42
「TI」の文字が見えていますが、使っているチップ、これはなんでしょか?

裏面はコイルとコンデンサ。
P43

さっそく自作のテスターで実験。

P51
左の小さいのがDCコンモジュール。
P52

入力電圧3.0Vから9.5Vまで0.5Vステップで可変。
出力は10mAステップで1Aまで。
  ※テスターの負荷側設定最大電流が1.0Aなので。
   もうちょい大きくする必要があるかな。
入力電流のリミットは1.2Aに。

まず出力電圧の変動。 入力3.0V~5.5Vで。
むちゃ安定していて面白くありません。
Cap006_20210404133001
入力電圧4.0Vまでは入力電流のリミット1.2Aで引っかかってい
ますが、4.5Vになると、電圧ドロップもせず出力電流1.0Aに到達し
ています。

次が入力電流の変化。
Cap005
むちゃ効率がエエです。
  ※グラフがなめらかなのは、gnuplotの線引きコマンドに
   「smooth bezier」を入れたから。
乾電池4本から5V電源を作るという運用、このモジュールでばっちりかと。

ここでも気になるのがリップルです。
オシロをACレンジにして試してみます。
まず無負荷。
Pl01

入力4.0Vで出力電流0.3Aだとこんなリップルです。
Pl02

それが、出力電流を0.5Aに大きくすると、減っちゃうのです。
Pl03

負荷電流により動作が変化している感じです。
  ※PFMとPWMの切り替わりのようです。
   負荷が重くなるとPWM動作に。

そこで、以前のように負荷電流をスキャンしてみました。
出力負荷電流0.0Aから0.8Aまで可変します。
上側の波形がACレンジで見た出力のリップル。
下側の波形は定電流負荷を駆動している三角波です。

まず入力電圧4V。
Pl20
負荷電流が0.4Aを越えると「静かに」なる感じです。
それが、入力電圧を6Vに上げるとこんなふうになります。
Pl21

リップルが減る電流値が4V入力の時に比べて大きい側に
シフトします。
またリップルの振幅も大きくなってるようです。
このモジュール、こんな動作をするよっということで。

※使われている電源ICの型番が気になります。
https://www.tij.co.jp/product/jp/TPS63070
この↑出力電圧5.0V固定タイプ「TPS63071」でしょう。
データシートの最後のほう、パッケージのマーキングが「0701
だと記されていますんで、アタリかと。

※温度変化
コメントで温度のお話しが出たので、簡単に計ってみました。
103JTサーミスタをDCコンICに瞬着で貼り付け。
P61
この部分、さらにくるりとテープを巻きました。
P62

供給する電源の電圧は4.0V。
負荷は1.0Aからスタート。
10分ほどしてから0.5Aに減少させて、もうちょいしてから
さらに0.25Aに変更。
こんな温度変化になりました。
P4v1a

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コメント

この部品に関心を持ちました。
スイッチサイエンスでは、
「通常の使用でもやけどをするほど高温になる場合があります」
と警告を出していますが、試験中の発熱はいかがでしたか?教えてください。

投稿: まいくろ@札幌 | 2021年4月 5日 (月) 09時20分

実験ではフルパワーを出していません。
実験装置が負荷として吸い込める電流のmaxが1.0Aですんで・・・
  もともと大容量のDCコン評価実験を目的とした回路じゃないんです。
また、DCコンの入力側につながる可変電圧電源の電流max値も1.2Aで制限していましたし。
供給電圧3V~9.5V、負荷max1.0Aのテストを終えた後に触った感触・・・
じっと触れるくらいの暖かさ。
「熱っ!」じゃありませんでした。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 09時32分

このモジュールで気になるのは「PFM←→PWM」の制御方式の切り替えによりリップルの増大。
効率は悪くても良いからリップルの小さな「PWM」で使いたいなぁ~というときに「困った」かも。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 09時35分

リップルを嫌うなら(←私だ!)、可変電圧出力のを選んで6Vくらいを出し、その後に5V出力のLDOタイプ三端子レギュレータを入れるのが間違いないかも、です。
https://www.pololu.com/product/2836

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年4月 5日 (月) 11時16分

とても参考になりました。
「小っちゃい部品にどうやって放熱器をくっつけるか」悩まなくて済みそうです。
ありがとうございました。

投稿: まいくろ@札幌 | 2021年4月 5日 (月) 12時07分

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