LM2776:チャージポンプ型電圧コンバータ 起動失敗
反転型チャージ・ポンプIC:LM2776 の記事にコメント
しましたが、LM2776を使おう(試作回路への組み込み)
としたところ、うまく起動しないという事態が発生。
目的は電源電圧の+5Vから-5Vを生成。
まっとうなチャージポンプ型降圧回路の使い方です。
サンプル回路。
EN入力はVinと接続して、電源供給で即起動するように。
症状は・・・
Vinが3.0Vなら正常起動。
3.3Vだとやっとこさ。
3.5V以上だと起動に失敗。 5.0Vもアウト。。
Vinの立ち上がりをゆっくりにすると5.0Vでも正常起動。
こんな状態に出くわしたのです。
以前の性能実験ではうまいこと動いていたのです。
※以来、このチップは使ってませんでした。
「在庫あるな。よし、使ったろ。」という次第。
そしたら、今回の試作回路ではアウト。
電圧を変えながら様子を見てみました。
負荷抵抗は軽く22kΩ。
ch1 Vin入力電圧
ch2 Vout出力電圧 -Vinが出ます
ch3 C-端子 負電圧発生元
3.0Vならちゃんと起動。
3.3Vだと、ちょっと遅れながらも起動はします。
ところがこれ以上のVinはダメ。
3.5Vでは正常なマイナス電圧が出てきません。
「C-」信号を見ると、いっぱいパルスを出しているんで
起動しようと頑張っているようですが・・・
ところが、入力電圧の立ち上がりを「ゆっくり」に
すると5.0Vでもこんな具合にOK。
あれこれTIのサイトを探していましたら、こんなアプリケーション
を発見。
TI Designs
High Accuracy AC Current Measurement Reference
Design Using PCB Rogowski Coil Sensor
この回路のマイナス電圧発生にLM2776が使われてました。
EN端子(Hで起動)に遅延回路が入れられています。
電源部にLM2776が使われています。
その詳細。
Vin(ここでは3.3V)をR14とC21で遅延させてEN入力につない
でいます。
遅延時間、ざっと10mS。
期待して、これ、試してみましたが・・・
Vin=5.0Vではやはり起動に失敗。
遅延をもっと大きくしてもうまく行きません。
Vinが上がりきったところでENを徐々に上げても
スロースタートはしないということなんでしょう。
「いきなり電源オン」の回路では解決策無しということかと。
LM2776を使う時はどうぞご注意を。
※解決しました。
コメントをご覧ください。
コンデンサの実装場所に注意!っということで。
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コメント
リード長によるLC共振では?
変換基板側へセラコン実装ではどうでしょうか
投稿: | 2020年10月15日 (木) 21時41分
置き忘れ
Place C1 on the top layer (same layer as the LM2776)
投稿: | 2020年10月15日 (木) 21時44分
大正解でっす。
写真の変換基板、その裏側にチップコンを付けていました。
つまり、貫通のための足(金メッキのピン)を通してコンデンサがつながっていたのです。
変換基板のパターンの長さが2.5mmくらい。
ピンの長さが5mmくらい。
合わせて7.5mmくらいでしょうか。
ICの足のそばにチップコンを置いたら解決しました。
ありがとうございました。
以前の評価実験、たまたまうまくできた(チップコンをそばに置いた)ということだったんだと。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年10月16日 (金) 09時13分
LM2776、コンデンサをつなぐのが容易なピン配置になってます。
ちゃんと考えられてる・・・
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年10月16日 (金) 10時18分