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2020年8月27日 (木)

オペアンプとMOS FETを使った定電流回路・・・電子負荷回路・・・

オペアンプとNch MOS FETを組み合わせた吸い込み型の定電流回路は
「電子負荷」などで使われます。
基本はこんな回路。

31_20200827091501

電流検出抵抗Rs両端の電圧が電流設定制御電圧Vp
と等しくなって、「Vp÷Rs」の一定電流が流れる
という仕掛けです。

基本はこれなんですが、実際の回路だとFETの
ゲート入力容量や制御の遅れで、オペアンプが
発振しちゃいます。

その対策、ざっとこんな具合。
32_20200827092001
・R1でFETのゲート容量とオペアンプ出力と分離。
・発振止めコンデンサC1が効くようにR2を追加。

R2には電流は流れませんのでVm=Vsで、Isの計算式
は一番上の図と同じ。

ところが、こんな回路↓を見かけるのです。
  ※発端は昔からの仲間でやってるメーリングリスト

33_20200827092301
R3とR4が追加されています。

まずFETのゲートとGND間に入れるR4から。
制御的には、R4があっても「Vo>Vg」となるだけで、
出力電流の値には影響しません。

これが必要かな?っと考えられること。
(1)オペアンプの電源が0~30Vなどの高電圧で動いて
  いる時、FETのゲート電圧が過大にならないように
  するための分圧回路。
(2)電源オフ時にFETのGを安定(抵抗でGNDにつながる
  ので)させて勝手にオンしないように。

(1)に関して、オペアンプの電源が0~5V、あるいは0~12Vで
動かしているような回路だとまず心配ないですよね。
たいていのパワーMOS FET、Vgsの最大定格は±20Vとか±30V。

問題は(2)。
C-MOSオペアンプだと、電源断で出力段の寄生ダイオード
を通ってGNDレベルになったVddにつながるということで、
ゲートのレベルが安定しそうです。
でも、LM324などのバイポーラオペアンプだとどうでしょか。
ちょっと調べてみる必要があるかな。


次が抵抗R3
オペアンプの出力と非反転入力に入れてあります。
なぜこれを入れるの?』っというのが今回の主題。
   ※結論は入れるな!でっす。
オペアンプを使った増幅回路、よく目にする回路だと(今回の
定電流回路じゃなく)R2とR3でアンプのゲインが決まります。
想像です。
R3が無いと、ゲイン無限大で「コンパレータになってしまうんじゃ」
っと思うのでしょうか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※豆知識
どんなオペアンプでもちゃんと制御されている時の基本は「Vp=Vm」。
オペアンプ応用回路が生きているか死んでいるかの判断がこれ。
非反転入力と反転入力間の電圧をテスターで計れば一目瞭然。
  (ただし、飽和してない時、交流信号が入ってない時に)
しかし、実際の修理となれば・・・
Vp≠Vmの時の判断・・・
 ・オペアンプが死んでるのか。 ・周辺回路の部品がおかしいのか。
そりゃあ、悩みますぜ。
 ・フィードバック系に入った抵抗1本でアウト
 ・これはダイオード1本で  OP-AMP回路が動きません
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このR3、むちゃ悪さをします
  ※影響度はR2との比率になるんですが・・・

※基本の考え方。 (R4は無しとしてVo=Vgで)
  VgはFETがオンしなくちゃならないのでVg>Vs。
  その差はざっと2~4Vくらい。 (FETの特性によります!)
  Idが大きくなるとVsも上昇、Vgはそれより上昇。

R3があると、オペアンプの出力から反転入力間の電圧差÷R3だけ
電流がR3とR2に流れます。  電流値は(Vo-Vm)/R3です。
この電流、R2とRsを通してGNDに流れます。
Vm=VsとしてRsに流れる電流を想定しているのに、Vm>Vsでは
Vpで設定した流れて欲しい電流より小さな電流になってしまいます。

さらにたちの悪いことがあります。
R3が無い本来の制御ループは、FETのVgs電圧に関係なく一定の電流値に
なるようになっています。
しかし、Vgsはデバイス依存。
温度が変わればこの電圧も変化します。
R3を入れたことで、Vgsの変化がR3、R2の電流値変化につながり
それがIs、Idに影響するのです。

例えば、
「ちゃんと1.000Aに設定したのにしばらくしたら
 (発熱してきたら)電流値が変わってしまった」
「VpとIdの関係が日によって変わる」
なんてことも発生します。

もう一つ。
Vpを0Vから徐々に大きくした時の0Vに近い電圧での挙動。
R3が入ったせいで、FETのゲートをオンする前のVo電圧でも
R3・R2・Rsに電流が流れます。
これでもVp=Vmが成り立つので制御はOK。
しかし実際には、FETは駆動されておらず、Idは流れない。
こんな不感帯がVpが0V付近で発生します。

結論:R3は外せ!
です。

でもおそらく・・・
34_20200827105701
こんな使い方をしてたらR3が有ろうが無かろうが、
ちょっと値が変わろうが関係ないんだろうな・・・
っと。

※参考
定電流回路の電流検出抵抗を試す
定電流回路の電流検出抵抗


こんなのを真似してるのかなぁ?
Diy キット 150 ワット 10A バッテリー容量テスター調整可能な定電流電子負荷放電試験


これもちょっとへん。
小電流電源の試験に適した定電流負荷
    R13、R14いらんやろ。
    発振止めコンデンサ無しで大丈夫か?
    TL431並列の0.1uF、これも大丈夫か?
       値によっては発振するでぇ。

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コメント

この回路もちょっとなぁです。
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-181.html
100倍の差動アンプにしていますが、R4は不要です。

簡単に説明するため、R4とR6を10kΩにして
差動アンプのゲインを今は100倍なのを10倍に。
そして、
 U1・1pin出力=プラス入力をV1
 電流検出抵抗の上側、マイナス入力をV2
 U1・7pin出力=Trのベース駆動電圧をVo
 Trのベースエミッタ間電圧をVbe=0.7Vに
 ベース抵抗R8は無視=0に
 電流検出抵抗R9の値をR
 R9の電流をI

関係式を並べると
Vo = 10 * (V1 - V2)
Vo = V2 + Vbe
I = V2 / R

V2 + Vbe = 10*V1 - 10*V2
11*V2 = 10*V1 - Vbe
V2 = (10*V1 - Vbe) / 11
I * R = (10*V1 - Vbe) / 11

R = 1Ω, Vbe = 0.7Vとすると
I = (10*V1 - 0.7) / 11

V1 = 1Vなら (10-0.7)/11で0.84545A
V1 = 2Vなら (20-0.7)/11で1.754545A
比は2.0752で2倍じゃない!
そして
V1 = 0Vなら (0-0.7)/11でマイナスになり
V1 = 0.07Vから上でしか制御できない。
さらに
Vbeが変動したら電流値も変化。

ということで、定電流制御したい時に差動アンプを
使ったらあかん。
R4はいらんということで。

R4なし、R5=0としたら、
V1 = V2
V2 = I * R
I = V1 / R
電流制御の式はこれだけで
VoもVbeも式に出てこない。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年11月26日 (木) 09時35分

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