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2020年7月19日 (日)

電波リモコンTele Auto FX-1修理:300kHzセラロック発振子がアウト

2020年1月31日:300kHzのセラミック発振子:Tele Auto FX-1 修理
では、たまたま残っていた発振子が使えました。
しかし、もう手持ちもありません。
あれこれ探しますと、デジキーで ZTB300D というのが出てきます。
しかし在庫はゼロ。
注文するとなると1000個単位で納期が8週間。
そして価格が4万円弱
単価としては40円ほどになるわけですが、1000個まとめて
となるとこうなってしまいます。

2018年6月12日:Tele Auto FX-1 シャッター用無線リモコン
では、制御マイコンそのものがアウトでしたので、マイコンを
入れ替えちゃいました。
  ※予備機があったので送出コードとタイミングが分かった
   から模倣できました。
しかし、今回やってきたのはこれ1台だけ。

今回は制御マイコンはそのままで、こんな方法で修理を行いました。
外付けの発振子がアウトなら、別の発振器でクロックを供給すれば
良いだろうと。
まず、死んだ発振子を外し、手持ちの455KHzのセラロックに入れ
替えて動くのを確認。
これでマイコン内部のクロック周辺回路が生きているかがわかります。

さて、300kHzのクロックをどうして発生させるか・・・
0.3MHzの整数倍で入手できそうな発振子の周波数となると・・・
例えばC-MOSのHC4060、これ1つで発振と分周させるのなら
「2のn乗」という条件が加わります。
すると4.8MHzか9.6MHzあたり。
しかし、4.8MHzも9.6MHzも手持ち部品にはないので、発注し
なければなりません。

入手できるまで時間がかかるし、えいっ。
プログラムするのがめんどうだけど、マイコンで発振器を
作ることにしました。
8ピンのSOPで何かあるかとごそごそ探すと、ATtiny13Aが出て
きました。
これの内蔵クロックが9.6MHzあるいは4.8MHz。
タイマーのCTCモードを使えば、普通に300kHzが出せます。
ということで、こんな回路になりました。

Fx11

発振子とまわりのCR部品を取り除き、空いたスペースに
ATtiny13Aを配置します。
操作スイッチで制御マイコンの電源を直接入り切りしてるんで
スタンバイモードがどうのということを考慮しなくてかまいま
せん。
電源オンで300kHzを発生させ、それをクロック入力端子に
入れるという簡単な手順で動きます。

故障した発振子がこの青いの。
11_20200719162701

それを取り除き、プログラムしたATtiny13Aを基板に貼り付けます。
12_20200719162801

電源電圧を変えても、さほど周波数は動きませんでした。
とりあえずこれで様子を見てもらいます。


※SOPのATtiny13Aの書き込み
こんなツールを使ってます。
13_20200719173001
拡大
14_20200719173001

このZIFソケット、昔々、確か共立で買ったもの。
https://eleshop.jp/shop/g/g76M131/
ソケットの型番が「652B0082211-002」
共立でのこの 専用基板 は販売終了になってます。

※追記
手持ちのSOP ATtiny 8pinマイコン、今回のATtiny13A以外に
ATtiny25がありました。
ATtiny13Aは外部発振子がつなげられません。
ATtiny25は内部クロックの周波数が8MHzあるいは6.4MHz。
PLLを有効にすると16MHzもok。
そして、外部発振子の接続が可能です。
ATtiny25のクロックは、ちょいとややこしい。
(普通に使う分には悩まないけど)

※制御プログラム

//      リモコン用300kHz発生回路
// ATtiny13A 内蔵4.8MHzクロック,
// Fuse : H:0xFD L:0x75
// BOD 1.8V, start up14CK+4ms
// PB0 out OC0A 方形波300kHz出力
// PB1 out -
// PB2 out -
// PB3 out -
// PB4 out -
// 初期化してループするだけ(割込も使わない)
PORTB = 0b00000000; // PB data/pull up
DDRB = 0b00011111;
// ||||+---- PB0 out OC0A 300kHz出力 (MOSI)
// |||+----- PB1 out - (MISO)
// ||+------ PB2 out - (SCK)
// |+------- PB3 out -
// +-------- PB4 out -
// タイマー0
TCCR0A = 0b01000010;
// || ++---- WGM01,00 CTC OCRA0
// ++---------- COM0A1,0A0 コンペアマッチでトグル
TCCR0B = 0b00000001;
// |+++--- CLK/1 = 4.8MHz
// +------ WGM02
OCR0A = 8-1; // 600kHz (4.8MHz / 8)
while(1); // loop


さまざまな電子機器の修理依頼について:(有)アクト電子


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コメント

はじめまして。
電波リモコンTele Auto FX-1を探していてたどり着きました。
我が家も2台あるリモコンの1台が故障して困っています。私がリモコンを落としてから作動しなくなりました。電波を発信する赤いランプは点灯するのですが…。
ご自分で修理されるなんてすごいですね。
参考にさせていただこうと思いましたが私にはチンプンカンプンです💦
何かアドバイスをいただけませんでしょうか⁉
厚かましいお願いですがどうぞよろしくお願い致します。

投稿: かよ | 2020年8月20日 (木) 09時39分

赤いランプが電波を出すわけじゃありませんので。
修理には電子回路の知識と、あれこれと測定器が必須です。
テスターだけでは修理できません。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年8月20日 (木) 14時26分

すみませんでした。
修理はあきらめます。
お手数おかけしました。

投稿: かよ | 2020年8月20日 (木) 20時27分

修理に関し、
http://act-ele.c.ooco.jp/repair/repair11.htm

を、お読みいただき、geb02643@nifty.ne.jpまでメールしてください。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年8月20日 (木) 20時56分

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