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2020年4月28日 (火)

秋月のアナログテスター「7007」、可動コイル式メーターは発電機だった!

2015年01月21日:秋月のアナログテスター「7007」
2020年4月18日:秋月のアナログテスター「7007」その後

さらのこの続きが来ました。
ほんとに「捨てようか」っと思ったんですが、最後のあがき。
もう一度、ほんとにあかんのを検証。
11_20200428181501

テスターの回路基板を外して、メータそのものの直線性を見てみました。
直列に半固定抵抗を入れ、テスターの読みとフルスケールを合わせます。
45kΩほどで10Vに。

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13_20200428181501

しかし・・・やっぱしダメ。
メータそのものの直線が出ていません。
回路に乗せてあるメータ保護ダイオードあたりがおかしくなったら、直線性が出なくなる症状になるかと期待したのですが外れでした。

こうなりゃほんとに捨てるぞ・・・その時、ちょうど・・・
マイコン型導通チェッカー、この基板をゴソゴソしていたのです。
バラしたテスターのレンジ切り替えダイヤルの上にこの基板がちょうど収まります。
せっっかくやから、テスターを箱として使ったろ」っと、導通チェッカーとして生き返らせました。
単4電池の電池ホルダーを付けてブザーの穴を開けて。
うまい具合に収まります。

15_20200428181501

で、せっかくのメータ、遊ばしておくのはもったいない。
導通チェッカーの電池消耗の目安にできるかと、こんな具合に配線しました。

17_20200428181501
2.5Vくらいでバッテリチェックの「?」目盛に合うように直列抵抗を選択。

ところが・・・
メータをつなぐと導通チェッカーのオートパワーオフが効かなくなったのです。
いつまで経っても電源が切れてくれません。
1分経過でオートパワーオフが働き、一瞬通電表示LEDが消えるのですが、直後「ピッ」と鳴って再起動。
これを繰り返します。
メータを外すとこれは起こりません。
正常な動作に戻ります。

『なんで????? どうして????』
メータをつなぐとおかしくなるなんて、初体験。

さて、その原因追及。
悩みました。

オートパワーオフでQ1がオフして、OP-AMP系電源が切れます。
正常ならIN+端子がちょっとプラス目で落ち着き(R4でちょっとだけプラスに持ち上がる)、次のクリップ接触を待つわけです。
ここに入れたメータ回路、Q1のオフと同時に指針がゼロに戻ります
その時、指針の動きでマイナス電圧が発生し(発電!)、それが18kΩの抵抗を通じてQ1のコレクタラインに伝わり、ほんの少し、実測-50mVほどマイナスになってしまうのです。
そのせいでIN+端子の電圧がコンパレータの比較電圧を下回ってトリガー。
再起動してしまうという流れになっていました。

対策は★印の位置に左向きにダイオード。
ダイオードの順方向電圧の働きで、ちょっとだけマイナスが伝わらなくなり、正常に動作するようになりました。
実績のある導通チェッカー回路、メーターを取り付けただけで動作不良をおこすとは・・・
原因が分かって納得できるまで、この動きが信じられませんでした。

オシロで波形を見るだけでなく、こんなテストも。
  ・指針を動かないようにしてたら(ピンセットで可動コイル
   を押さえつけ)、正常にオートパワーオフ。
  ・オートパワーオフ中、テスターを揺すったら(針が
   動く)再起動。

いやほんま、メータは発電機でした。


※追記 せっかくですんで、どんな電圧が出るかをオシロで

まず、誤作動状態(★位置にダイオードを入れてない時)
Mtr001
オートパワーオフでQ1がオフしてメータ指針が0Vに戻ります。
そのときのコイルの動きでマイナス電圧が発生。
それがR6、R1、R3を通ってコンパレータの+ピンに。
コンパレータが働き、出力パルスが出て再起動。
これを繰り返し、オートパワーオフが働きません。

次に、★位置にダイオードを左向きに入れた時。
メータから出てくるのはマイナス電圧なんでダイオードは
導通するはずなんですが、順方向電圧のドロップがあって、
誤作動には至りません。
Mtr000
コンパレータの+ピンはプラスの電圧を保っています。

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コメント

今回の改造、注目点が以下のとおり。
・IC3・MCP6V01オートゼロアンプを常時接続。(JP1での切り替えなし。スライドスイッチを省略)
・R2を削除。 よって短絡時電流が1/2に。
・そのままだと検出抵抗値が倍になってしまう。
 (1Ω台が2Ωになる)
・それを補正するためIC3のゲインを23倍に。(これまでのアンプ有り時設定は11倍)
・アンプ有無の切り替えジャンパJP1(スライドスイッチ)が無いので、これまでの10Ω検出と1Ω検出を切り返して選べない。
・そこで、SW1によるパラメータ設定をなくし、このスイッチで検出レンジH/Lを切り替えることに。
 レンジHに切り替わったら(10Ω検出)「H=・・・・」とモールス報知。
 Lになったら(1Ω検出)「L=・-・・」と報知。
・パラメータを変えたいときは・・・プログラムの書き換えを。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2020年5月 1日 (金) 21時52分

高級な可動コイルメーターは買ったとき端子を短絡している場合があります。運搬中にムーブメントが動くので、対策として端子を短絡することによって発生する制動トルクを利用しています。まさに発電機ですね。

投稿: M | 2022年9月 3日 (土) 13時01分

高感度電流計(分流器が付いていないか分流器の抵抗値大)は短絡されて箱詰めされていました。

「短絡してるぞ」っと注意書きが。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2022年9月 4日 (日) 09時46分

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