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2020年3月23日 (月)

非絶縁型降圧DC-DCコンバータの出力ノイズ低減あれこれ

もう一台作ろうとしているJIS C8708:2019充放電試験回路
この電源部で使う予定の24V入力5V出力の非絶縁型降圧DC-DCコンバータ、
秋月で買える出力3Aクラスのがこの2つです。

HRD05003(新電元工業)
KIC-053(加賀コンポーネント)

今の試験回路は手持ちのHRD05003を使って組んでいます。
買い足しておこうと秋月のHPを見たら「KIC-053」というのを見つけたという次第。
『トロイダルコイルを採用していますので漏れ磁束も少ないです。』とのコメントにどんなものかと試してみました。
注目点はノイズ

こんな具合にユニバーサル基板に装着。
24V入力側の電解は共通で1000uF。
出力側の電解は2200uF。
入出力ピンの近くに0.1uFのセラコンを接続。

11_20200323174001
    ※左側のOSコン、極性逆!
     写真を撮ってから気がついた(笑) 捨てました。

HRD05003の姿。 コイルが見える位置で撮影。
12_20200323174001

KIC-053のコイルはトロイダルなんで、ちょっとかっこイイ。
13_20200323174001

負荷は10Ω2パラのセメント抵抗で1A。
測定器はアジレントのデジタルオシロDSO5014A
100MHz帯域で秒2Gサンプル。

それぞれ、こんな波形を得ました
・裸で (出力コンデンサは電解2200uF+0.1uF)
・出力にコモンモードフィルタを装着(先に0.1uF)して負荷抵抗を
・さらにOSコン(330uF)を装着(電解にパラで)
・その状態でオシロの帯域制限(25MHz)を有効に

使ったコモンモードフィルタはTDKのACM1211

14_20200323174001


まずHRD05003の様子。
H1
P-P値0.2Vほどのスパイクが見えています。
コモンモードフィルタを通すと・・・
H2
ずいぶん小さくなります。
おまけでOSコンを。
H3
オシロの帯域制限をオンして観察するとスパイクが見えなくなって・・・
H4

次にKIC-053
K1
裸だとずいぶんを大きなスパイクが見えます。
K2
コモンモードフィルタを通すとずいぶんましに。
さらにOSコンを。
K3
帯域制限して観察すると。
K4

帯域制限して観察するとスパイク状のノイズが見えなくなるので
ずいぶんおとなしい出力波形になっちゃいますが、やはりこれで
安心してはいけません。
ノイズが見えていないだけです。

コモンモードフィルタ、このようなノイズの低減では圧倒的威力を持っています。
コンデンサだけではノイズは落ちません。
電源片側だけのコイルでもダメ。
コモンモードフィルタが効くのです。
ちょいとエエ値ですが、ノイズを嫌う回路の電源には必須です。

この実験での結果、出力のスパイクノイズの大きさだけを見ると新電元のほうが良さそうです。
はてさて。

※続き
非絶縁型降圧DC-DCコンバータの出力ノイズ低減あれこれ 続き
   ↑漏洩磁束の検証

 

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