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2019年6月14日 (金)

type-cコネクタのスマホ充電器 その中身

息子からもらったスマホ充電器さっそくですが解体してみました。
充電不良が発生ということで、どこかにトラブルの元がひそんでいるはず。
まずは「type-c」コネクタから。 

10_5

根元からちょっと離れたところでケーブルを切断して外皮を外してみると・・・
途中でシールド線が断裂してました。

11_26
シールドが電源のマイナス。
シールドの中には「○」で示す細線が組み入れられているんですが、電源のプラス側を通す赤線(AWG20くらい)に比べると電流は流せません。
これが不調の原因かなぁ。

コネクタ部の様子です。
11a
赤がプラスで、黒いのがシールドがまとめられたマイナス側。

11b
白:D-  緑:D+  青:CC と、信号線。

根元の樹脂を外してみると・・・
13_13
「S4」はPTC:ポリスイッチのようです。
ニッパを使っての解体時、カドをちょいと欠損させてしまいました。

14_8
コネクタ部デバイスはPTCだけ。

基板の様子です。
15_3
右が一次側(AC側)。 ヒューズがあって、フィルタがあって。
寝かせた平滑コンデンサが見えています。

基板のハンダ面。
16_2

基板の切り欠きで一次側(左側)と二次側(右側)が分かれます。
電圧制御のためのフォトカプラが橋渡し。

この状態で通電しましたが、出力電圧が出てきません。
何かを制御しないとオンしないようです。
3つの信号線の電圧を測りますと、D+とD-は0V。
「CC」に+5Vが出ています。

17_2

CC-GND間に抵抗を入れると出力がオンして5Vが出てきました。
抵抗をどんどん小さくしして、最終的にCC-GNDを短絡しても大丈夫なようで短絡電流は0.2mA。
被充電側でGND接続しておくと充電電圧(5V)が発生するようです。

しかし、充電電圧の切り替え方法(5V、9V、12V)は不明。
USBでの通信が必要なのか、何か別の信号が必要なのかは調べられていません。
基板には、あんまし賢そうなデバイスは乗っていないんですが・・・

※追記
USB Type-Cとは? - サンワサプライ株式会社 の説明を読みますと・・・
   かいつまんで・・・
・機器に関する情報を通信する「CC」という専用の信号ラインがある。
・USB PD対応充電器に機器が接続されると、このCCラインを通じて
 充電器と接続機器間で情報が交換される。
充電器からは供給能力が、接続機器からは要求する電圧・電流が送ら
 れ、供給電圧・電流が充電器と接続機器の間で決まる。
・これで5V以上の電圧に切り替わり、USB PDでの急速充電が始まる。

ということで、CCが通信ラインだそうです。
基板に乗った二つの6ピンIC、これがそれを担っているのか?
単純なGND落としで5Vオン・・。これははたして?

もうちょっと詳しいの↓
USB Type-Cで逆挿入や多様な電力供給が可能に、その仕組みは? - EDN Japan
CCの電圧(GND間に入れた抵抗値)で5V出力での出力電流が決まるみたい。


※追加実験
CC-GND間にいろんな抵抗を入れ、CC電圧をあれこれ変えてみても、最大出力電流は変わりませんでした。
短絡しても同じ。
最大電流「約3.5A」でシャットダウン。
シャットダウンしたあとは、AC100Vをオフしてしばらく(10秒くらい)放置しておかないと回復しません。

CCの短絡電流、5V/0.2mAということで25kΩの抵抗がつながっていると想像できます。
  (正確な値は置いておいて)
これがこのACアダプタの最大電流を示しているのでしょうか。
被充電側装置が、この電流を見て「3Aいけるぞ」と判断するためのもので、電源側は「いつでも5Vフルパワー出すぜ」ということなのかもしれません。
まだまだ勉強不足。
「Type-C(メス) → MicroUSB(オス)変換アダプター」だと、CC信号がアダプタのどこかで短絡(直GND?抵抗を介して?)されているのかな?


※2次側6ピンのIC二つで
iW636 | Dialog Semiconductor  CCが無いけれど



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コメント

早速の記事を感謝します。
詳細な写真と参照資料のリンクはとても勉強になりました。
FBTの設計がしっかりしていそうですし、AC100V側のコンデンサが22μFならそこそこの電流を取り出せますね。
ドコモからのDMで無償入手したアダプター07は、我が家でType-C PD対応機器入手する時まで弄らずに使う事にします。

> CC信号がアダプタのどこかで短絡されているのかも

納得です。
私が購入した変換アダプター(キーチェン付)は、Type-C(メス)のcc片側しか処理されていなかったようです。最初電圧が出ず焦りましたが、C(オス)側を180度回転させると電圧出るようになりました。
[DOLITY 変換 アダプター タイプC→マイクロUSB]は270円(今は360円に値上がり)

投稿: mytoshi | 2019年6月14日 (金) 17時48分

またまた同じ形式の充電器(今度は次男の)。
「おとん。ほかすなり自由にどうぞ」っとやってきました。
充電器からケーブルが出てすぐのところでシールド線(マイナス側)が断線。
ケーブルの外装も破れてしまって、電線が見えてます。
この白色コード、あんまし柔らかくありません。
経年劣化しやすいのか。

さっそくケースを解体。
出てきた基板はこれと同じ。
同じように「CC」線をGNDにつなぐと5Vが出てきました。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年8月25日 (水) 09時31分

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