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2019年6月25日 (火)

修理:温調機の熱電対

ガレージ仲間の藤川君とこ(ゴム屋)からの修理依頼。
現地作業です。
温調機の温度表示がおかしいということで、工場へ行ってきました。
あれこれあったのですが、ありゃまだったのが「K型熱電対」の故障でした。

熱電対が生きているかのチェック方法、簡単にはこんなところかと。
・温調機につながっている端子を外す。
・テスターを抵抗レンジにして端子間の抵抗値を測定。
・熱電対そのものは先端が短絡状態なので、温調機から熱電対までの
 距離に応じて補償導線の抵抗値が現れる。
 今回は10Ωくらい。
・次にテスターを直流ミリボルトレンジにして端子間の電圧を測定。
・熱電対のある所と端子のある場所の温度差が無ければゼロボルト。
・熱電対の先端を加熱してみる。
 シース管を手で握っただけでも反応。(0.01mV桁)
 シース管を湯に浸ける、ドライヤーで加熱、熱くなったハンダゴテをに当
 てるなどするとミリボルト単位で変化。

温調機側のチェックは、
・入力端子を短絡 → 温調回路の周辺温度を表示
・入力端子にちょいと電圧を印加 → 何らかの温度が出る
   専用計器の無い現場的には、テスターをΩレンジにして
   その測定電圧を利用して抵抗や(持ってれば)指先の
   皮膚抵抗でもって微少電圧を加えてやる。

こんなところでしょうか。

今回の熱電対の異常、補償導線の抵抗チェックはOK。
ところが、電圧チェックがおかしいのです。
シース管を温めてもゼロボルトのまま。
「この熱電対おかしいで」っと、シース管から出た熱電対のケーブル
(2mの補償導線で中継ボックスに接続)を切ってみて、どこがどうな
のかを確かめてみました。

写真、右側が端子のつながっていたところ。
ケーブルの先端です。
左の方は熱電対に近いところ。
ヒーターでの加熱の影響か、導線の色が変わってしまっています。
11_20190625120101

切った左側は熱電対につながっているんで、シースを暖めると
この点の電圧が上がるはず。
ところがゼロボルトのまま。
「なんじゃこりゃ?」っと、熱電対の根元近くからケーブルの外装をむいて
みると・・・

12_20190625120101

2線両方の被覆が破けていて補償導線が接触していました。
熱電対を加熱してもここで短絡してると電圧は出てきません。

ケーブルが折れ曲がっていたところです。
制御対象はゴムの成形機。
動きがあるんで、微妙なこすれが原因なのでしょう。

とりあえず予備品と交換して対処。
しかし、これも古いもんなので、新品交換ということで熱電対を発注しました。
その到着を待って、再度、現場で点検です。


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コメント

配線経路で折れ曲がらないよう、補償導線部をシリコンチューブに通しておこかとなりました。
ゴムの射出成形機ですんで、熱で怪しい有機物の気体が発生します。
それがガラス繊維を通過して、中の線材に悪さしてるんじゃないかという、ゴム屋の推測です。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月27日 (木) 09時12分

補償導線2m位ならシースを長尺にした方が長持ちします。BOXまでシースでBOX内部で補償導線接続すると長持ちします。(但し可動部が無ければの話ですが)シース径1.5mm〜5mm
位までなら加工性も良好です。

投稿: arii | 2019年6月27日 (木) 20時54分

シース径5mm(4.8mm)。シース長200mm。
熱電対から出てる補償導線長が2m。
温調器基板から中継ボックスまでの配線長(補償導線)が4~5mくらい。
可動部、ちょいとあり。
こんな制御系です。
これの補償導線長2m分(中継ボックスに入るまで)をシリコンチューブに入れてしまえという話です。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月27日 (木) 23時34分

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