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2019年6月27日 (木)

FLUKE 87IV、抵抗レンジが安定しない

長年使っているデジタルテスター「FLUKE 87IV」。
  (2000年に購入)
こんなトラブルにも遭遇しています。
FLUKE 87IV、切り替えダイヤルが回らない!

さっき、このテスターを使っていて・・・
  抵抗レンジがおかしい。
0.1Ω~0.01Ωの値が不安定なのです。

リード線の先端にミノムシクリップを付けたこんなプラグを
挿していました。

11_20190627153201

普通のバナナプラグよりちょいと短いんです。

12_20190627153201

これも、いつから使っているか分からないくらい古いモノ。
プラグをゆすると抵抗値が変化することから、これのバナナ皮部分
のカシメが緩くなって接触不良が起こっているのかと思い・・・
 ・バナナ皮部分の隙間にマイナスドライバをつっこみ
  広げてジャック側との接触圧を高めてみる。
 ・バナナ皮部分と根元をハンダ盛りしてみる。

13_20190627153201

しかし状況は変わらずでした。

FLUKE 87IVの低抵抗レンジ:最小値0.01Ω
  開放電圧:5.1V  短絡電流:0.1mA

テスターのジャック部分に「大阪魂」をシュッシュしても変わらず。
大阪魂:モノタロウのパーツクリーナー

このケーブルを他のテスターに付けて短絡抵抗を計ってみても、
不安定なことはありません。
ということは・・・FLUKE 87IVがおかしい!

これの中を見るのはダイヤルのトラブル以来。

13a

すると・・・

14_20190627153201

「プラス」の「V・Ω」ジャック部のハンダがあれれ?!
ハンダ割れしてる。
   ※なんか最初からハンダ付けが良くないような・・・
    ちゃんと流れてない。イモっぽい。
    鉛フリーハンダだから?
    他3つのところはもっとキレい。

プラスのジャックは、電圧レンジと電流レンジで赤色プラグ
を入れ替えなければなりません。
いちばん抜き差しが多いところです。
チカラもかかるし、それが原因かと。
ハンダ付けをやり直して解決です。
ついでにテスターの電池を新品に交換。

トラブルを気づかせてくれたこのテスターリード、プラグと
クリップはそのまま再利用ですが、赤黒の電線を新しくしておきました。
  ※被服を剥いた元の電線、きれいな銅色じゃなかった。
プラグとクリップにつながる部分のハンダ付けをやり直し、これで
すこぶる安定。

※FLUKE 87IVの直流最小電圧レンジは1μVを読めます。
 赤黒のクリップで、例えばピンセット(異種金属)の
 先端と根元を挟み(この状態では0.000mV)、片方の
 クリップを熱すると電圧が発生するのがわかります。

 黒クリップ側加熱でプラス電圧なら、赤側を温めると
 マイナス電圧が出てきます。
 ヒートガンを使って熱くすると「mV」桁の電圧が出て
 きます。
 まさに熱電対の原理。

※関連
修理:温調機の熱電対

 

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