温故知新:アナログ回路で追従制御
非常に特殊なパーツにこんなのがあります。
・sin-cosポテンショメータ
一つの軸に、SINカーブとCOSカーブを出力する可変抵抗が付いて、360度グルグル回転し回転角の検出に使います。
二つの電圧値から軸の角度が分かります。
2相パルスを使ったローターリーエンコーダのように原点信号は不要。
これの応用回路、こうして使うんだ・・・を紹介しておきます。
左側の回転軸が回されると、離れた場所に置いた目盛板の指針がその角度に追従するという仕掛けです。
目盛板の指針は、正逆できるようDCモータで回します。
こんな回転角伝送に使われるのが、セルシン、シンクロ 、レゾルバ。
※シンクロはここ↓に登場。
・ちょいと珍しいパーツ「シンクロ」
紹介する例は、ポテンショメータで角度を伝えて、遠隔場所で制御しようというものです。
ただし・・・制御には「マイコン」を使わず「アナログ」回路だけで!
その主要回路を示します。
肝になる部品が「乗算器」。
アナログマルチプライヤです。
これを二つ使います。
二つのポテンショメータから出る4つの信号を乗算器に入れます。
すると、追従制御に必要なアナログ値が出てきます。
※この用途ではありませんが、アナログ乗算器も当ブログに出ています。
・「4-quadrant」という名がかっこいい(かも)
これで追従制御できる原理が「三角関数」。
その「積和」の公式でもって、A、Bの角度差をSIN値として算出します。
角度差がゼロなら出力のSIN値もゼロで追従モータを停止。
角度差「A-B」の正負でSIN値も±になって、正転駆動か逆転駆動かの判断ができます。
乗算器接続の「SIN-B」だけ反転入力回路に入れて積和計算の符号を変え、SIN(A-B)を得ているのがミソ。
アナログ的な処理なんで、入力レベルの飽和にだけ気をつければOK。
モータの速度制御部は飽和しても、最高速になるだけ。
誰がこんな回路を考えたんだろ・・・・
※関連 デジタルの話だけど
・グルグル回る軸の角度変動の平均値を出す方法#4
・ロータリーエンコーダでグルグル回る角度を読み取る
・オーバーフローするかも? そんな数値の処理
・温調のためのPID
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