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2019年5月30日 (木)

UJTの使い方  修理でおかしな挙動

基板修理、置いてて(捨てずで)よかった古パーツ に絡んでこんな事態に遭遇。
なにせ古い設計なんで、サイリスタ:SCR(外部置き)の駆動にこんなのが乗っています。
U1
NECの2SH23ユニジャンクショントランジスタ
これでSCRの駆動パルスを作っています。
パルストランスで絶縁して、外置きのSCRを駆動。

回路はこんなの。
Q1でパルス発振のon/off制御を行っています。
Ujt1

あれこれ修理(半固定ボリュームの接触不良など)を終えて最終確認している時、基板に2回路乗っているUJT回路のひとつのほうがおかしな挙動をすることを見つけました。
パルス発生状態(Q1がオフ)状態で電源をオンした時、発振しないことがあるのです。
5回に1回とか10回に1回という頻度。
うまく再現しません。
そんな場合でも、いったんQ1のベース電圧をHにしたあとLにすると発振を始めます。

UJTを交換しようにも2SH23の代替品なんで持ってません。
そこで・・・発振タイミングを作っている抵抗R3の値を変えてみることにしました。
周波数はR2+R3とC1の値で決まります。

すると・・・
 R3を470Ωまで下げると発振しない。
 750Ωだと、発振開始の最初だけ発振してすぐに停止。
 1.2k~1.5kΩだと安定して発振します。
「1kΩ」がきわどいところにいたようです。
  ※R3ではなくR4も気になるんですが・・・

発振の様子です。
Image000_1
↑はまともな時。
Q1のベース電圧が低下してコレクタがオフすると発振が始まります。
R3を750Ωにすると・・・
Image001_1

発振が途中で止まってしまいます。
何の条件なんでしょね。  B1端子のR4の値が気になるところ。


UJT、この記事に出ています。
今日の修理:溶接用ターンテーブル  ・・・2SH14


UJTの資料 手持ちの資料から発掘


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コメント

毎日ブログを拝見しています。2SH23とほぼ同特性と思われる2SH24で試してみました。回路図通りの抵抗値では発振せず、R3を47kΩ以上にするか、R4を数百Ω以下にするかR4に0.01μF以上のコンデンサーを並列に接続すると発振しました。UJTの回路が載っている本でもR3は10kΩ~100kΩ、R4は100Ω前後になっているので、この回路定数では発振する方が不思議ではないでしょうか。

投稿: mukashitombo | 2019年6月 1日 (土) 10時33分

これ、私の設計じゃないんですよね。
なぜこの定数にしてあるのかは不明。
そもそも、UJTの発振条件ってどう計算すれば???
  (したことないぞ)
そして、依頼先ではきっと実績のある回路。
単品製作の装置じゃないので。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月 1日 (土) 11時22分

UJTの発振条件、発振させるための計算方法が記された資料、どなたか探してくださいな。
データシートに記されたUJTの電気的特性ってどう読めば良いの?
2SH23と2SH24では「IP」なるもの(単位uA)が前者「1~4」、後者「4~12」で異なります。
あとは似たような値。
「IP」って何?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月 1日 (土) 11時28分

負荷としてつながっているパルストランスの影響は?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月 1日 (土) 11時30分

1975年 誠文堂新光社 発行の「最新サイリスタ活用技術」によるとIPはピーク点エミッタ電流となっています。
オシロで測定したところQ1がOFFになってから約1.2mS後にQ2がONになりましたので、これは遅延トリガ回路ではないですか。

投稿: mukashitombo | 2019年6月 1日 (土) 16時19分

今回の修理に関し、実績のある元回路を否定するような権限、私にはありません。
だもんで、対処療法的修理になりました。
すでに現物基板は出て行ってしまったので、R4の値を小さくするとどうなる?は確かめられていません。

駆動するのが交流60Hzにつながるサイリスタですので、1.2mSがどうのというタイミングは無視できます。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月 3日 (月) 09時57分

http://igarage.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-4d014b.html
の1976年8月号の記事、UJTの解説でこんなことが述べられています。
かいつまんで・・・
・UJTの負性抵抗値、大きく変化する。
・動作パターン(グラフ)の書きようがない。
・IE(エミッタ電流)によってノコギリ波の振幅が変わる。
・IPに近いIEではよく発振。
・IVに近いほうでは発振しにくい。

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年6月 3日 (月) 10時05分

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