アルカリ電池の電解液ってハンダと反応するの?
過去、あれこれと液漏れ電池によるトラブルの修理をしてきましたが、「断末魔の弱い「ピッ」音」 の記事を書いていて、ふと思ったのが、『アルカリ電池の電解液(水酸化カリウム)ってハンダと反応するの?』です。
電解液のかかったプリントパターン、「銅箔」部も腐食が進むんですが、ひどいのがハンダの乗った部分。
スルーホール部も含めて、「ハンダゴテで加熱しても溶けない何か」にハンダが変質しているようなのです。
例えばこの写真。
ハンダのところがこんなモフモフに。
レジストの下の銅箔部より、ハンダ付けされたハンダのある部分の変色が気になります。
レジストを削ると、スルーホール(ハンダがある)の直近で銅箔が切断しているのが見えます。
そして、スプリング電極のハンダの盛り、これにハンダゴテを当てても簡単には溶けません。
新しいハンダを供給しながら無理やり加熱しないと、この盛り上がった部分の「あやしいの」は取り除けません。
「水酸化カリウム」とハンダの成分(鉛フリーじゃないので、スズと鉛)、あるいは「銅」。
この反応ってどうなるんでしょうかねぇ?
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コメント
青緑の部分は水酸化銅じゃないかと
水酸化カリウムがオレンジ〜黄色なので
反応しきらないものの水分が飛んで
黄緑っぽい色に見えてるのでは?
投稿: | 2019年5月28日 (火) 12時43分
スズや鉛は水酸化カリウムなどの強いアルカリと反応します.生成した水酸化スズ(Ⅱ)や水酸化鉛(Ⅱ)は水に溶けませんし,融点も高いのでハンダごてでも融けません.酸とは反応して溶けますので,酸で洗うのが良いのですが,その他の部品に対しても酸の影響がありますので,注意が必要です.
塩酸(トイレ用サンポールなど)で洗って,よく水洗いするのが最適ですが,ちょっと怖いですね.
クエン酸では弱いのであまり溶けないかも知れません,
理論的に,銅と塩酸とは反応しませんが,銅が腐食していると溶けるようになります.
なにかの参考になれば幸いです.
投稿: sho | 2019年9月11日 (水) 10時52分
なるほど、「水酸化スズ」に「水酸化鉛」。
ハンダより融点が高いということで納得です。
電子回路も面白いですが、「化」も興味深いです。
話題のフッ素なんて、黎明期にどんだけ科学者を痛めつけたか、科学史を読むのも勉強になります。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年9月13日 (金) 08時18分