苫東1号機の「手動」操作を見てみたい
9月20日の毎日新聞朝刊に、北海道電力ので「ブラックアウト」の
解説が載っていました。
「電源周波数:50Hz」の変動に注目して、発電所からの電力供給が
どう変化したかを示しています。
その過程を簡単に・・・
0.地震発生
1.苫東厚真火発の緊急停止で周波数が急激に低下。
(一部地域への電力供給を強制遮断)
2.その影響で、道内全域の水力発電所、風力発電所などが
連鎖的に停止。 (震源から離れた所でも)
3.その後、強制停電や火発の出力増大、本土から電力融通で回復。
4.しかし、電力増に追いつかずついに全停電。
この[2]が、「なぜ?」なんですよね。
「過負荷になった所だけをうまく切り離したらええやん」っと思う
わけです。
小さな発電所でも、切り離すエリアをうまく調整すれば、そのエリア
内は停電せずにすんだんじゃないのかと・・・。
これ、
・発電所を動かすのに外からの電気がいるぞ。
・その周波数が変動したら、自分の安全のために発電所と
外のラインを切り離しちゃう。
こんなことが発電所の制御機能として、「自動的」に起こったん
でしょうね。
※あれこれ設備の仕事もしてきましたが、
発電所の電気制御はよく知りません。
※小さい発電所だと無人だし。
※風力発電所の制御電源が停電したら、風車の制御が効かなく
なって暴走しちゃうし。
この記事を読んで、こんなことを思ってました。
そしたら、21日朝の毎日新聞にこんな記事。
https://mainichi.jp/articles/20180921/k00/00m/040/164000c
『苫東1号機 自動停止装置、旧式で未設置』っと。
要約すると・・・
・苫東火発、地震で緊急停止したのは2号機と4号機。
・この2機には、タービン軸の震動を検知して自動停止す
る装置が付いている。
・1号機は設計が古くて、この自動停止機能が備わってない。
止めるのは手動。
・このおかげ(!)で、2号機と4号機が止まった後も、
18分間ほど1号機が発電していて、ブラックアウトまでの
時間稼ぎをしてくれていた。
地震直後の発電所内、あちこちで警報が「鳴る+光る」中、
『手動操作!』。
1号機の出力は35万kW。
もっと詳しい現地レポートが欲しいです。
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コメント
人的・物的に被害はなかったですが、約40時間の停電を被りました。区としては震度6弱との発表でしたが、我が家の近辺はおそらく5クラスだったと思います。
公式の発表ではなく、地元新聞の調査ですが、地震直後から北や東の遠隔地から送電停止し、(停止中の)原発周辺が最後に停電したようです。この間の約20分電力会社社員は必至の努力をしたとは思いますが、結果としてブラックアウトを引き起こした責任は重いです。
ご指摘のとおり、小さなブロックごと独立できるようにしていれば局所的には停電は防げたかもしれません。
ただ、北や東の地区には大きな発電所がなく、原発が停止中のため厚真が北海道全体の5割程度の発電量を担っていたのが、最大の問題と思います。
発電所の分散、システムの最適化が喫緊の課題になるでしょう。
あと、個人的にですが、(手動停止の)1号機も蒸気配管に(地震発生時の)破断があったのに、20分近くフルに発電できていたのか疑問です。今後、詳細なデータが望まれます。
電力工学は素人なので、その方面でのコメントができず失礼しました。
投稿: naoty | 2018年9月21日 (金) 13時07分