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2018年7月23日 (月)

反転型チャージ・ポンプIC:LM2776

トランジスタ技術 2011年1月号 (創刊555号記念感謝号 PartII)の特集記事「定番デバイス 555」に、スイッチド・キャパシタIC(負電源出力)の特性調査を載せてもらったことがあります。
反転型チャージ・ポンプの代表はICL7660
プラス5Vを入れるとマイナス5Vが出てくるという仕掛け。
コイルを使わないので、魔法のようなICです。
この記事では最も古典的なICL7660をはじめ、MAX660、LM2660、LM2662、LM2664、それとTPS60402、60403の特性を調べました。
編集部に提出した元記事では、ICの特性調査が主目的ではなく、チャージ・ポンプICの特性を調べる回路の製作記事とその制御プログラムの解説がメインだったのです。
ところが、製作記事がカットされて、特性データだけが掲載されたといういきさつがあります。
チャージポンプIC、その定番的な選択基準ですが、
・ICL7660、取り出せる電流が小さい。
 そのわりにちょいと高いんで、使わない。
・100mAほどいるならLM2662あたり。
・ちょいとmAで良いのならTPS60402とか60403。 安価。
先日のこと、新規設計で「新しいチャージ・ポンプICってあるんかな?」っと調べてましたら、表題の素子LM2776 を見つけました。
このICのブロック図を見ると、新しい考えで設計されているのが分かります。
従来のチャージポンプICはこんな内部回路でマイナス電圧を発生させています。
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ところがLM2776だとこんな具合に。

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出力電圧と入力電圧をコンパレータで比較して安定化制御を行っています。
データシートには、こんな出力電流・出力電圧の特性カーブが出ています。
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ある意味「ほんまかいな?」なんですが、よく見るとX軸の電流出力は対数目盛。
だもんで、電流の小さい所の状態が「良く見えて」います。

測定機材を引っ張り出してきて(ひさしぶりだったので発掘に時間が・・・)、LM2776の様子を調べてみました。
  入力電圧+3.0Vから+5.5Vまで0.5Vステップで可変。
  出力電流は0mAから-250mAまで-10mAステップで可変。
こんな実験条件でグラフを描いてみました。

・実験回路の外観
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左端の小基板にLM2776を乗せてます。
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こんな特性図になりました。
  ※比較対象としてLM2662のグラフと混ぜています。
X軸が負荷電流、Y軸が出力電圧(負の値)です。

Cap008

負荷電流=0の時は、少し電圧が低くなっていますが、LM2662に比べるとドロップの具合が改善されています。
   ※LM2662は電源電圧3V未満でも動作しています。


ちなみに、ICL7660ではこんな特性になります。
入出力と電圧反転用コンデンサは、アルミ電解とOSコンの2種を試しています。
Cap002
電圧ドロップが大きいのがわかるかと思います。



常用しているTPS60403だと、こんな具合。
Cap003

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