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2018年6月 5日 (火)

やっぱ、おかしいパナの「HCリレー」

過去記事に何度か登場している松下の「HCリレー」。
今回の修理作業でもおかしなのが出てきました。

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※過去記事
2010年02月24日:壮絶死#10 接点がパ~になった「松下」のHCリレー

開閉しているのは負荷が「35Wモータ」の出力線と基板内部回路の切り替え。
モータ開閉側のB接点はブレーキ抵抗につながっています。

今回の故障は、このリレーの接触不良で「たまにおかしくなる」という故障が発生。
交換したら正常に。
見た目、接点は汚れていません。
しかし、気になるのがこれ。
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2回路ある片側の「ベロ」だけが変色。
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もう片方はキレイなまま。
「ベロ」を挟み込んでいる樹脂から、何かがしみ出してきているようにも見えます。
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(クリックで拡大↓)
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基板に実装すると接点があるほうが「下」になるんで、樹脂からの怪しい何かが「降りて」来ているようにも見えるでしょう。
しかし、なぜ、片側のベロだけに・・・

接点の接触抵抗を計ってみましたが、そんなむちゃむちゃな値じゃありません。
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左上の箱が「1A出力の定電流源」。
四端子法で電圧ドロップを測定して接触抵抗を算出。
ざっとの結果。
・リレー1:
   A1 10m~20mΩ  モータ出力開閉
   B1 9.9~13.8mΩ  B接点はブレーキの抵抗に
   A2 34~150mΩ ←おかしな接点 変色側
   B2 36~120mΩ ←
・リレー2:
   A1 8.8~9.6mΩ
   B1 9.5~16.2mΩ
   A2 14~84mΩ ←
   B2 8.0~8.1mΩ
変色ベロ側の接触抵抗、接点の開閉により大きく変動して、安定しません。
故障の頻度からすると、もっと何度も開閉するような連続テストをしなくちゃならないようですが…

変色側の回路は内部回路につながっているほうで、こっちのほうが接触不良に弱い。
今回のリレー、モータ側の接点は大丈夫そう。
この装置、うちで設計製作したものじゃなく「忘れた頃にやってくる修理依頼品」。
今回のも、10年以上前に作られたもの。
その修理です。
悪いのはリレーだけじゃなく…
   3端子レギュレーターがアウトに
   抵抗の焼損
   トライアックの短絡
   ボリュームが接触不良
   電解コンデンサの寿命
   OP-AMPが飛び
   トランス(電源トランスにトリガ用のパルストランス)断線
などなど、ちょいとしたパワー回路なんで、いろんな故障が発生します。
このダイオードの不良 も同じシリーズの修理対象物です(基板のバージョンは異なるが)
パナのHCリレーに関するトラブル、自分の設計じゃないので深くは追求はしないんですが、やっぱり気になってしまいます。

※オムロンのリレーにかえたいのですが、パナの端子形状が細く(AP332431F)、オムロンのでは基板のスルーホールに入らないのです。

※参考
1A定電流回路  「555」の応用回路です


※追記
どのみち捨ててしまうものだから、可動部をバラして接点ベロの樹脂内の様子を観察しました。
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右の金属は、通電オンでコイルにくっつく可動鉄片。
そこにも、サビのようなものが浮かんでいます。
フラクタル様な図形・・・
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いったこれは何?

ベロを保持している樹脂を割ってみると、健全に見えた方(上側)にも変色が見られます。
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もう一つのほうも。
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モータの回路を断続している方の接点(上の写真の右上)は消耗していますが、内部回路を切り替えている右下の接点はぱっと見大丈夫そうです。
しかし、下の接点には、左のほうから怪しげな「模様」が近づいています。
樹脂から出た怪しい何かが悪さをしているような気がします。

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