« ライトニング・USB変換アダプタ | トップページ | デジキー:発送ミス 今度は「数」 »

2018年4月 3日 (火)

壮絶死:フィルムコンデンサ

旧ブログでまとめていた壮絶死 、復旧せずに放置したままです。
その中に裸になったセメント抵抗 とかパワーデバイスの「死」 とか半固定抵抗 とか、中身を見せて死んでいく部品があります。
今回もそんな修理でした。

AC100Vで動作するモータ制御回路基板。
どういうわけか、基板のハンダ面に「短絡痕」がありました。
生きた電線が基板に触れたようです。
そのため、短絡痕周辺のOP-AMPやダイオードはみなアウト。
接触した電源が回り込んだ数kΩ以下の抵抗も焼けています。
   ※焼けるのは「電力」なんで、100kΩ台の抵抗やMΩ台の抵抗は大丈夫。

怪しい部品を交換して、試運転。
なんとかモータを回せるところまで修理が進んだんですが、その回転が安定しないんです。
やろうと思っても出来ないような不安定さ。
1秒から数Hz周期で、回転が乱れます。

基板をたたくと、その様子が変化しますんで接触不良っぽいんですが、なんとも言えない乱れです。
オシロで信号を追いかけながら怪しそうな部品を交換してると、原因を発見!
速度制御している積分回路を構成する「フィルムコンデンサ」がやられていました。

11

「0.22uF」のフィルムコンデンサ。
黄色い透明のは接着剤。
動かないよう基板に固定されていました。

このコンデンサの裏側がこんな具合に。
12

角度を変えて。
13

この爆裂部、他の部品の陰になっていたんで見落としてました。
面白いことに短絡はしてません。
基板をたたいて変動するのに納得です。

他にも怪しいのがあるんじゃないかと探したら、もう一つ発見。
14

これの外観は異常なし。
しかし、値がおかしくなっています。
「103」ですんで「0.01uF = 10nF」。
それが1/8ほどの容量になっていました。

活線が接触した状況は不明ですが、困った修理でした。

※私のところで作ったものではありませんが、機械のメンテ屋さんから定期的にやってくる修理品です。
 回路図などの資料がそろっているのでまだましなんです。

※壮絶死記事を復元
壮絶死…かわいそうな電子部品

|

« ライトニング・USB変換アダプタ | トップページ | デジキー:発送ミス 今度は「数」 »

壮絶死」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
壮絶死コンデンサに加えてください!

https://pbs.twimg.com/media/DwZJd1mUYAAlQeY.jpg

投稿: y.utsunomia | 2019年1月 8日 (火) 22時45分

ワハハハの壊れ方!
どうしてこうなった!?

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2019年1月 9日 (水) 11時07分

記事、様々示唆に富み、しばしば参照させていただいています。ありがとうございます。
このコンデンサは高出力のアナログ・オーディオパワーアンプの出力回路に含まれる高域負荷(スタビライザー)で、可聴周波以上の入力か発振で漫然と温度が上がり、さらに製造時の巻き張力が高すぎたのではないと推察します。
雨後のたけのこか黄金バットに出てくるナゾー・タワーみたいです!
これでも静電容量は7割くらい残っている頑張る子でした。

投稿: y.utsunomia | 2019年1月 9日 (水) 11時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 壮絶死:フィルムコンデンサ:

« ライトニング・USB変換アダプタ | トップページ | デジキー:発送ミス 今度は「数」 »