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2018年3月 1日 (木)

JBLのプリメインアンプ SA-600修理

ご近所つながりで、こんな骨董アンプの修理を頼まれました。
JBLのSA-600
  電源が不安定。
  聞いている時に電源が落ちたり入ったり。
という症状。
「ちゃんとしたヴィンテージ・オーディオのお店で買った」という品です。

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回路図はネットを探したら出てきますが、仕事場の書架からこんな本を発掘。
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昭和53年の「電波新聞社」、『世界の名器 ステレオ・コンポ回路図集』
この本に出ておりました。
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「素のまま」じゃなく、ショップで手を入れられています。
たとえば、パワーオンの遅延。
電源が入ってしばらくしてから、パワー段に信号源がつながるようになってます。
だもんで、JBLのアンプに「オムロン」のタイマーとリレーが入っております。
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回路のほうでも、プリアンプ部の電解コンデンサは交換されています。
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メインの電源平滑コンデンサには、日本製の電解コンがパラ接続。
   ※メインアンプ部が触れるように解体するの、
    箱の構造から大変そうなんです。

故障の原因はパワースイッチ接点の接触不良でした。
接触が安定しません。
スイッチは格好だけにして、この接点を短絡させ、AC100Vが供給されたらいつでもパワーオンするように改造します。
  ※そのままの形でスイッチを残すのはオーナーさんの意向でっす

最初、フロントパネル裏へのアクセス方法が分かりませんでした。
底面のビスを外したら、底面のピンジャック端子ごとフロントパネルが動きました。
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このアンプ、信号入力のピンジャックが底面パネルに付いているんです。
リアパネルは、電源とスピーカーへの出力端子だけ。
ちょいと、不便そうです。

これでスイッチの配線が触れます。
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オムロンのタイマーとリレーが見えてます。
この処置後、通電試運転をしましたが特に異常なし。
ちゃんと音は出ています。

で、もう一つわかった故障箇所が電源パイロットランプの断線。
ベースに180度対向でチョッポリの出たスワンベースのランプです。
ガレージは適合する手持ち部品が無かったので、切れた電球のベース部を利用して、抵抗と青色LEDをくっつけてみました。

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オーナーさんに「青色ランプはどう?」っと問いかけますと・・・
すみません、欲を言えば電球です・・・。』っと。
ということで、佐藤テック工場で常備している電球を持ってきてもらい交換。
無事に「電球」が点りました。
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電球への供給はAC24V。 交換した電球は30V定格のもの。
これで、長持ちするかもっと。

※追記
電源スイッチ部の回路、このようになっています。
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接点を並列にして試してみましたが不安定さは同じ。
その原因は、スイッチ・レバーの「ひん曲がり」。
物理的なチカラが要因なんでしょう、2回路になった両方とも接触が悪くなっていました。

それと、回路を見て気になったのが、接点に直接並列接続されたコンデンサ。
これ、AC波形のタイミングによっては、瞬間的な短絡電流が接点に流れます。
入れるのなら、やっぱ、「CR直列型のサージキラー」じゃないかと。
この直付けのコンデンサで、接点をよけいに痛めているような気がします。

※なぜ青色LEDが拒否されたか・・・
オーナーさんが「電球」にこだわる理由、判明です。
部屋を暗くしてアンプをオンすると、パイロットランプだけじゃなく、前面パネルのツマミがパネルの裏から照らされます。
これ、なかなかかっこイイです。

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コメント

大変なご時世になりましたね。私は休業中で久しぶりにJBL SA600の事を検索していたら、この記事に出くわしました。もう3年前になるんですね。その節は有難うございました。最近時間が有るもので、またオーディオをチョコチョコとしております。安物のキット完成品の中古ですが、KT88管の真空管アンプやら色々と揃えだしました。プリはこれまたヤフオクの中古で上の雑誌の表紙にあるテクニクスのSA-C01です。セレクターでバチバチ言うのでそこだけ素人のお手入れしました。また整いましたら聴きにお出で下さい。

投稿: Bar Socket | 2021年5月12日 (水) 23時32分

スイッチやボリューム、ジャック・プラグのガリ、接触不良解消に「大阪魂」が効きます。
http://igarage.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/pm-802me-b59a.html

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年5月13日 (木) 10時06分

ベタベタに接点復活剤を使うよりパーツクリーナーの方が安全で良いとよく聞きますね。今回は復活剤を綿棒に少量付けてあっさり仕上げたんですが、結果はまだこれからです。(笑)

投稿: Bar Socket | 2021年5月14日 (金) 12時51分

カメラでもこんなことが。
電源スイッチとモード設定ダイヤルに接点保護グリスが塗ってあったんですが、それを取り去ってしまったほうが安定しました。

http://act-ele.c.ooco.jp/blogroot/igarage/article/3035.html

http://act-ele.c.ooco.jp/blogroot/igarage/article/4197.html

http://act-ele.c.ooco.jp/blogroot/igarage/article/4487.html

投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2021年5月14日 (金) 15時15分

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